◆組織を変える「仕掛け」・・・

完全なフェースツーフェースでいくら話しても通じないひとつの理由は単に感情的なものだけでなく、人それぞれの企業観や組織観が異なっているにもかかわらず、その折り合いをつけようとしない、つける手立てが不得手といったことにもある。その難題を組織的に解きほぐそうという本が出ています。

題して「組織を変える“仕掛け”」、高間邦男著、光文社新書368。

副題が“正解なき時代のリーダーシップとは”とあり、コンサルタント会社の方がお書きになった本だけに事例も生々しいのですが、それによると・・・

時代は工業化社会からネットワーク社会へと変遷し、組織を取り巻く環境もますますスピード化,複雑化、多様化を強めている。
これに対応するためには整然とした組織で一糸乱れずシンプルな目標を追求する機械論的な組織モデルではなく、得体の知れない環境に柔軟に適応していくための有機的な生物モデルが推奨されたりもしている。

そうしたなかで企業人が持つ組織観も変化が必要なのですが、一番の問題は変化へのキヤッチアップができていないなどといったことではない。
時代変化の過程で次々と生み出されるいろんな組織論やリーダーシップ論が組織の中でそのまま何重にも蓄積されて渦巻いていること、そのなかで一人一人は勝手なタイミングで何がしかの組織観に出会い,学び,かたくなにそれをよりどころとしていて折り合いがつきにくくなっていることが問題。一人一人が自分の見識が正しくて錦の御旗を持っているつもりでいる。それはもうスリコミにも近いものなのかもしれません。

早い話が・・・
“リーダーは明確な方針を示すべきだ”などという若者と、“自主自発を求める”リーダーがいて,それを取り囲む会社の制度的な枠組みが“デシジョン手続きの明確化や個人毎の成果主義”だったりしたら、ちょっと込み入った議論をすると幾重にも亀裂が走り収拾がつきにくいことは確か。なにしろどの立場にもそれを裏付ける理論書や成功事例は山のようにありますよね。

この本では、こんな状況下ではもはや単純なトップダウンやボトムアップでは折り合いがつかないということで、全職制、全階層の全員が一堂に会して折り合い点を探るホールシステムアプローチを勧めているのですが、そこでの議論の進め方は従来のギャップアプローチではなくそこそこの解を積み上げていくポジティブアプローチが適していて、人も組織も理想像に対する弱みを解消よりは強みを持ち寄り強化するのが得策なのだと・・・

とはいうものの結局のところは自身の組織観や認知は色々ある中でのone of themなのだとの自覚に立った上で話し合いの場につくことが大前提。
この本ではその前提を確保しながらもつれを解きほぐし、ホールシステムのミーティングを成功に導くためのいろんな仕掛けや心構えが書かれているのですが、いざ始めようとすると難しそうですよね。だからコンサルタント会社のナビゲーションが必要ということなのかもしれませんが・・・(2008.12.23)
by c_mann3 | 2009-12-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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