ひとつ上(にスクロールしたところ)の記事で紹介している本の中で、
“i Phone”という製品が優れていることなどはたいしたことではない。興味本位に自分がエキサイトできる製品を作ってしまうモチベーションと実現してしまうプロセスがアップルの魅力・・・ といったことが書かれていていったいどんな人が開発しているのかと思っていたのですが・・・それを垣間見ることができる一冊の本に出会いました。 題して「スティーブ・ジョブズ、神の交渉力」(竹内一正著、経済界の出版)ですが、この本はアップルを率いてMac、iPod、iPhoneを開発したCEO、スティーブ・ジョブズの壮絶な生き様を描いたもの。 この本によると彼は世界を変えうるおもしろい商品を開発することにしか興味を示ささず、それを高圧的な交渉、裏切り、横取り、追い落とし、あらゆる手段を使って実現させる。とにかく倣岸不遜な言動で超自己中心的な人だとか。 三分のプレゼンで100億円稼ぐと言われ一瞬にして新製品の発表会場をくぎ付けにし、世界を変える。だが半径10m以上離れている人を熱狂させる一方で、5m以内の人を恐怖に陥れるとか。あまりの言動に自身が創設したアップルから一度は追い出されてしまうのですが、再度復帰しiPod、iPhoneを世に送り出す。しかも一度は癌に冒されるのですがそこからも復帰。 日本にはあまりいそうに無い恐ろしい人ですが、本の目次をいくつか列記すると・・・ ・言い方は言い分より交渉を支配する ・弱い味方は潜在的な敵方である ・和では勝てない、勝ってこそ和せる ・必要なら動け、可能ならではない ・最善の説得は棍棒でたたくこと ・楽観は考え無しだが、悲観は能無しだ ・それがダメでも、ほかの何かがうまくいく・・・ 一つ一つのエピソードがあまりにも惨くて読んでいると気分が悪くなり、もしかしたらこの本はたちの悪い中傷本では?と思わず著者の経歴を見たのですが、松下とアップルに勤めていたコンサルタントとのことで中傷というよりは讃歌に近いのかも。結局強引に世界を変えていく様に惹かれて最後まで読んでしまいました。 この人、本のタイトルでは神と書かれていますが読み終わった印象ではむしろ魔神か悪魔に近い。 ですがこの魔神、ちょっと気になるニュースが・・・先日、スティーブ・ジョブズが“6月末まで医療休暇を取る”と全社員にメール発信したことが報じられていました。なんとメールの文章もそのまま紹介されていたのですが、体重を劇的に減少させるホルモン欠乏症にかかっているとのことです。 iPodやiPhoneクラスの商品ともなると“興味本位でエキサイトする自己中心的な魔神”にしか生み出せないものだとすると・・・社員宛メールの約束どおりふただび復活し、さらに世界を震撼させるような商品やサービスを生み出し続けてほしいですよね。 ところで、並外れて創造的な業績を生み出す人の特質については他にも類似の記事が・・・(2009.1.26) [2009.9.10追記]アップルの魔神、復活・・・ 病気療養を宣言していた魔神、スティーブ・ジョブズ氏が復活したとのニュースが流れています。 以前と変わらないスタイルでiPodの新製品発表会に姿を現したのですが・・・写真を見るとかなりスリムになってしまっていてちょっと心配。 ところでiPodに席巻されて低迷を余儀なくされていたwalkmanが盛り返しつつあるとのこと。カメラを搭載したりで機能拡張するiPodに、Walkmanは本来の機能である音質で勝負と自信を見せているようですが、復活した魔神との勝負の行方が楽しみですよね。 [2011.10.6追記]アップルの魔神、逝去・・・ 再度の病によるこの夏の退任からわずか二か月、スティーブ・ジョブス氏(56才)逝去と衝撃のニュースが駆け巡っています。追放からも病からも何度でも甦りミラクルを生む、不死身の魔神だと信じていたのですが・・・残念です。
by c_mann3
| 2008-08-18 00:00
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