◆創造性の源泉・・・

創造性についてはこのブログを書き始めた比較的早い段階で募る思いを一挙に書いて以降、ぱったり間が開いていたのですが、最近感動的な本を発見しました。

題して「サブリミナル・インパクト」、下條信輔著、ちくま新書757です。副題が“情動と潜在認知の時代”とあり、著者は知覚心理学、認知神経科学がご専門のカリフォルニア工科大教授。

この本ではこころの構造を「意識」、「前意識」、「無意識」の三層構造ととらえ「前意識」の挙動を通して現代の諸相を広範囲に解き明かしてくれているのですが、この本の最終章がなんと“創造性と「暗黙知の海」”。

この章では創造性に関する素朴な三つの疑問といった面白い切り口から話が始まります。

 ・なぜ創造的発見は難しいのか
 ・ひとたび発見されると一瞬にしてそれが答えだと感じるのはなぜか
 ・それを人に語ったとき、受け入れられるのはなぜか

それを解き明かすことが創造性の本質を浮かび上がらせることになるが、その答えの鍵は前意識の特質にあるとのこと。「前意識」は意識から入って忘れ去られたものや、環境から直接忍び込んだものの坩堝。そこは自分の領域のようでいて、実は自分も気がついていない環境や社会との共有エリア。

そのためにここから意識の領域にアイディアが浮かび上がってくると突然ひらめいたような気がする一方、そういえばどこかで見たことがある感じがしたり我意を得たりといった納得感があったりもする。だがそれは自分の中から出たのだからあたりまえ・・・

さらに人に話すとその瞬間に「オッそうか!」といった共感が生まれるのも周りの人との共有エリアからの掘り出し物なのだからあたりまえ・・・といったことのようです。

創造性とは前意識の中で自己と周辺が遭遇しスパークしたものが意識に浮かび上がってくるものであり、環境、社会、自分とは異なる専門領域といった広範囲な周辺と接触していることが大事。

で、まずは意識していない「前意識」の領域にしこたま周辺領域の知識や暗黙知を溜め込んでおくことが創造性の第一歩ということなのですが・・・(2009.3.5)
by c_mann3 | 2009-09-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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