◆実験進化学・・・

進化心理学、進化経済学・・・進化論をモチーフにしたいろんな本を読み、なるほどと思いながら肝心の進化論の本を読んだことがない。やっぱりそれはまずいんじゃないかなどと、図書館をうろうろ・・・そこでとんでもない本に出会ってしまいました。

題して「追いつめられた進化論」、西原克成著。副題が実験進化学の最前線。

いきなり・・
>本書はダーウィニズムを否定するとともに、進化の謎を実験進化学的手法によって解明しながら検証し、正しく解説したものである・・・と。


とんでもないフレーズからスタートするのでいかがわしい感じがして一旦は書棚に返したのですが・・・
やっぱり気になり借りてしまって、読み進めるとこれが面白い。困惑と感動がバームクーヘンのように層を成していて、このまま読み進めて飲み込んでしまうと体に変調をきたすんじゃないかと気にになりつつも読み始めると止まりませんでした。


進化は遺伝子の突然変異と適者生存の自然淘汰が積み重なったもので、獲得形質はその代限りのもの・・・というのは嘘。ダーウィンは一旦は医学部に進みながら解剖学がいやで神学部に転向したひと。そんな人が生み出した進化論は科学じゃない!なのにそれを信じた学者や学会は150年間その呪縛から逃れられなかったのだとも・・・

われわれの祖先は突然変異などという不確かなものによって形態を変えてきたのではない。たとえば地殻変動や気象条件の激変で陸に上がった魚は20倍に増えた酸素濃度と6倍に増えた重力の作用の中でのた打ち回らずをえず、それにより強制的に内臓配置や骨格が新しい形態に変化した。
そうして得られた新しい獲得形質はもちろん遺伝子に作用することはない。だから獲得形質自体は遺伝するわけではないが、同じ環境が続く限りその獲得形質は保存される。

さらには遺伝子は突然変異など待たずとも、環境変化でトリガーが掛かればとんでない変容をきたせるものを内蔵しているのだとも。で、そんな環境の激変と変容を何回か繰り返しながら今日に至ったのだと。

例えば、遺伝子重複で多体節化した生物が海中を泳ぐようになると慣性の作用で形が変わり、臓器の配置が変わる。
やがて陸に上がると重力の影響でさらに骨格と臓器の配置が変わる。酸素濃度の変化と呼吸の仕方の変化で新たな臓器が誘導される。臓器間の連携のために血管神経網が誘導される。
さらには酸素濃度の影響による化学的な変化がトリガーとなって遺伝子から新たな機能が発現する。

それを確かめるべく、著者はトチザメやネコザメを毎日一時間だけ陸揚げしたり、メキシコサンショウウオを陸揚げして臓器の変化を観察したり、その変化を人の胎児の変化と執拗につき合わせみたり・・・その結果、進化は実験で確認できる物理現象や化学変化であり、確かに個体発生は系統発生を繰り返しているのだと。

医学や解剖学の専門用語が多すぎて頭がくらくらするのですが、そんなことは気にせず無理やり読み進めるうちに・・・なんかそんな気がし始めるといった不思議な本です。

ところで、そうなると遺伝子の突然変異はどうなるの?ということになるのですが・・・それについては稿を改め次の記事に。(2009.6.24)
by C_MANN3 | 2012-08-20 00:00 | クオリアとか進化論など | Comments(0)
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