◆「ドバイの憂鬱」・・・

[2009.08.25掲載]砂漠の真中で世界一の高さを目指す高層ビル、ヤシの木が覆い茂るような形で海に向かって伸びる人工島。
テレビドキュメンタリーで繰り返し紹介されていたドバイの建設ラッシュは金融恐慌、石油価格の暴落で一体どうなったのか・・・と気になっていたのですが、格好のレポート本が出ています。

題して「ドバイの憂鬱」、宮田律著のPHP新書611。副題に“湾岸諸国経済の光と影”とあります。

さすがにドバイの“いくらなんでもやりすぎ”といったプロジェクトは延期、中止が出ているようですが、湾岸諸国全体でみると恐慌の影響は意外に軽微。
企業もプロジェクトも潤沢な資金をもてあます王族や首長の息のかかったものが多く、資金注入などはあっという間で信用不安の連鎖とは無縁。

しかもドバイの一部の建設投資以外は結構地道なインフラ投資が多い。
金融センター、大学センター、ショッピングモール、ハブ空港、一つ一つが新たなモジュール都市の建設であり、都市をつなぐ道路、鉄道、そこに集まる人への住宅とプロジェクトはめじろ押し。
しかも石油、ガス、アルミと言った資源の付加価値を上げる川中、川下産業を一挙に構築といったプロジェクトも多く、これらは多少の遅れはあっても粛々と進行し年率10%の経済成長を維持していきそうだとのこと。

公共事業の大半が“仕上がった後は無用”のばら撒きと言われるどこかの国と違って、公共事業がストレートに国家経済発展の必須基盤となる湾岸諸国(中国にも似た雰囲気が)ってすごいですよね。

タイトルには憂鬱とありますが・・・憂鬱はドバイの一部の一過性のもの、湾岸諸国全体はまさに“躁の時代”なのかもしれません。

ところで、国家の躁や鬱についてはこのコーナーの四つほど下にも“躁の時代、中国”と題した記事が・・・
by c_mann3 | 2016-02-16 12:00 |  ・・・風にまかせて・・・ | Comments(0)
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