◆ある種の宗教進化論・・・

光と闇、善と悪、破壊と創造・・・それぞれを担う何人もの神様を登場させて壮大な物語を形作る多神教。そこでは悪魔や破壊が脇役以上の役割を果たしている。対して善のみを切り取ったはずのキリスト教のような一神教でさえ、三位一体とか四位一体といった巧妙なからくりの中に悪魔を隠し持つ・・・

結局のところ森羅万象の全てを語りつくそうとするならこのやっかいな闇、破壊、悪魔は避けては通れない。だかその取り扱い如何が人をいろんな方向に駆り立てる・・・
別掲記事で取り上げている林義道さんの▼「ユングでわかる日本神話」の最終章、“影や悪の元型”ではこのあたりの話がたっぷり出てきます。

①神はもともと善悪両面を持っている
②しかしやがて神は善神と悪神に分化する
③さらにこの魔神がただの悪魔となり、神と悪魔に分化する
④もっと進むと神はすべて善であり悪をなすはずがないということになる
⑤すると神がなす殺人や破壊にはなにか神聖な理由があるはずだとなる
⑥その理由付けとして「神の懲罰」とか「穢れた世界を一新するための破壊」と言った理由付けが生まれる

林さんによるとこの①~⑥が宗教の発達過程であり、ピュアな一神教に向かう進化のプロセスなのだと・・・
そして⑥の段階にいたるとジハードでも十字軍による世界蹂躙でも何でもOKの世界に到達するということのようです。

もっとも林さんはそんな発達プロセスを肯定しているわけじゃなくて・・・
宗教は本来、人が元型に近い形で持っている破壊衝動やリセット願望をうまく抑制する機構として維持されるへきものだと仰ってはいるのですが・・・

だとすると、宗教は③の手前のあたりで発酵を停止させ多神教の段階にとどめておくのがいいのかもと思ったり、いやいや多神教の世界でもテロや大量虐殺は起こりえる、やっぱり宗教のみに破壊衝動の抑制機能を頼るのは難しいのかもとも思ったり・・・難しいですよね。(2009.9.28)
by c_mann3 | 2006-04-20 00:00 | ユングのすそ野の 風景 | Comments(0)
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