◆発達アンバランス症候群・・・

ひとつ上(にスクロールしたところ)の記事では「読字障害」を話題にし、いろんな機能が人並み以上なのに文字を読むことだけができない人たちがいるといったことを書いていましたが・・・

最近よく言われるようになったアスペルガー症候群を始めいろんなタイプの発達障害を解説した本か出ています。題して「発達障害に気づかない大人たち」、星野仁彦著、祥伝社新書190です。

発達障害というと子供のころから障害が出るものと思われがちですが・・・学業成績がよいとか何かに秀でている子の場合は“ちょっと変わった子”として扱われたままで大人になり、社会に出てうまく社会になじめず、鬱などを併発して初めて障害が顕在化する人も少なくないとのこと。

ところが困ったことに発達障害の専門家は今のところもっぱら児童精神科医。大人になって顕在化することも多いといった視点がなかったため、適切な診断や治療が得られにくい状況にあるとのこと。

この本では発達障害の類型、類型別の症状、対応法といったことが解説されているのですが・・・障害を抱えている人には特異な才能を持っている人も多く、適切な治療やカウンセリング、職業選択等を行えば社会にとっても本人にとっても実り多い人生が期待できることもあり、“発達障害”といった表現を避け、「発達アンバランス症候群」といった認識で取り組むべきだと述べておられます。

後片付けができない、大事なことを先延ばしにする、こだわって熱中する、人付き合いが不器用・・・
読んでいると実は私なども思い当たる節があったりするのですが、「大人の発達障害は治せる」と題した第五章はちょっと気になる程度の人にも参考になりそうです。
“暮らしの中でできる九つの工夫”とか“ライフスタイルの確立”、さらには “認知のくせを自覚しておく”といった日常生活で活用できそうな処方箋が並んでいます。しかもなんとその中で著者ご自身がADHDだったとかでその体験談が紹介されているなど、なかなか味わい深い一冊となっています。

ともあれ“発達障害”として切り捨てられかねない自身の性癖に苦しみながらも、社会生活を営まざるをえない人が想像以上に多いとなると・・・状況、症状の重度にもよるのでしょうがその性癖は“発達障害”というよりは“発達のアンバランス”であり、特徴を生かした特異な才能を開花させていくことは可能だとの認識が必要ですよね。
そしてそのためには・・・まずは「発達アンバランス障害」なのだと自他ともに認識できるといい(実はこれが難しい)のでしょうが、その上で弱点を気にして萎縮しがちな自分自身を勇気付け、弱点をあげつらって排除しようとする社会と戦う、あるいは周りがそれを支援するといったことも重要な気がします。(2010.3.10)
by c_mann3 | 2012-02-16 00:00 | クオリアとか進化論など | Comments(0)
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