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◆中国経済の正体・・・

[2010/4/21載]いち早くリーマンショックからも抜け出し2010年には日本を抜いてGDPが世界第二位になることが確実な中国の強みと危うさを最新のデータでまとめた本が出ています。
題して「中国経済の正体」、講談社現代新書2047。著者はBRICs経済研究所代表の門倉貴史さん。

第一章の“中国経済の最前線”はページをめくってもめくっても躍進の止まらない中国の姿が浮き彫りにされているのですが、リーマンショックの直後いち早く54兆円の財政出動を宣言。規模も他国を圧倒していましたがその執行の早さも驚異的でした。

用地買収やアセスメントに手間取るどこかの国と違って計画も執行も一挙に進みこの二年間でほとんどを消化。しかも公共投資ではインフラが追いついていなかったこともあり、できた後は無用の長物といったものもない。

民間消費財についてもすでに物があふれてしまっている国とは異なり汽車(車)下郷、家電下郷、建材下郷といった各種の消費財購買促進策にも市場はすざましい吸収力で反応。車、大型パネルテレビ、携帯電話と普及率は急上昇し、車の販売台数に至ってはついに世界一に・・・

よく話題にされる人民元の切り上げについても、すでにドルとの関係は抜き差しならないものとなっており急激な変化は起こりにくいのが実情のよう。

課題があるとすれば一人っ子政策の後遺症で始まる少子高齢化、汚職、地下経済、民主化への対応といったところ。こうした問題がさらに顕在化し、しかも現政権が世代交代する2013~15年ごろがひとつの節目だとのことなのですが・・・
by c_mann3 | 2016-01-22 12:00 | Comments(0)
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