◆そしてふたたび遺伝子の突然変異・・・

ひとつ上の記事で紹介している本「人類進化の700万年」、その第6章は“遺伝子から探る”と題したもので、DNAに関する最新の知見が満載の分りやすくて感動的な一章となっています。

“環境の激変に遭遇した際に起こる形質の変化は突然変異なんかによるものではない。突然変異はそんなに都合のよいタイミングでしかも種全体に一斉に起こったりはしない”・・・それはその通りなのだとしても、その環境変化に対応して新たな形質が発現できるのはDNAにその準備があってのことであり、その準備となるのが遺伝子に作用する突然変異の蓄積ということ。

この本によると、突然変異は一定の確率で確実に起こる。人の場合でいうと一世代でひとつの塩基に起きる突然変異の確率は五千万分の一、それでも60個の塩基に変異が起こる。その変異がその時点での生存に必要な部位であった場合はたいていの場合は生存不適となり、淘汰されて残らない。だが生存にかかわらない領域で起こった変異は交配により種の中に広がっていく。そしてその蓄積が次の環境変化の中で発現し、それが優位な場合は種を滅亡から救う。そんなことを繰り返しながら現生人類は今に至っているのだと・・・

人とチンパンジーの遺伝子の違いは1.23%・・・そのうちのどの遺伝子が人を人たらしめているのか・・・あごが弱り脳が大きくなったのは?言語を生み出すきっかけになったのは?・・・一つひとつの遺伝子の働きと変異が発生した時期が少しずつ明らかになりつつある話は感動的ですよね。

そしていくつか上の記事の中で、首をかしげながらも勝手な思いで書いていたDNAの変異と発現の図は、この本と照らし合わせてもとりたてて間違ってはいなかったようで・・・まずは一安心。

ただ厳密には有害変異は淘汰され、中立変異のみが広がる・・・といっただけではないようです。
遺伝子の変異と拡散については太田朋子著、「分子進化のほぼ中立説」と言った本もあり、母集団サイズによっては揺らぎの中で弱有害変異が保存されていくとも。この本、面白そうなのですが、難解です。(2010.7.20)
by c_mann3 | 2012-08-12 00:00 | クオリアとか進化論など | Comments(0)
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