◆ツーボスシステム・・・とある風景

この上(にスクロールしたところ)の一連の記事で、マトリックス組織とかツーボスシステムについていろいろと書き連ねて以降ずいぶんの年月が経ってしまいましたが、あちらこちらのブログを眺めていてツーボスシテムの真っただ中といった記事を発見しました。

この記事の著者はメーカーで社歴数年の研究開発職の方なのですが、数年かけて仕上げた仕事を引っ提げて次工程の(といってもかなり職能の異なる)職場に単身移動。この記事は一瞬にして身を置くことになったツーボスシステムのはざまでの叫びです。あまりにも臨場感があるのでご本人の了解を得て、以下に転載させていただきます。

◆まずは記事の本文を・・・

7月になったのにまだ長袖。
今年はいつも以上に時間が経つのが早く、今まで感じて続けてきた焦りは諦めに変りつつある。
時々穴でも掘って“王様の耳はロバの耳!!”とか叫びたい。

せっかくいい環境に移れたと喜んでいたけれど、なんとなくその意義が感じられない日々だ。二重管理もいい加減にして欲しい。
前の職場の上司からメールだけで受ける業務。あて先には前の職場の面々しか入っておらず現職場の上司などにはそのメールの存在は知らされていない。
現職場のミーティングで業務の報告をしても“何で君がそんなことやるんだ”と言われ、でも空気を察してくれる今の職場では僕に業務は与えられない。

前の職場から言われる“今君がやってる業務がよく見えないんだよ”という言葉。
そんなもん当たり前だろう?俺はもうあなたの部下ではないんだからと言いたいところだけれど、そんなことを言えばここぞとばかりに元の職場に戻されてしまう。
せっかく頑張って進めた仕事も全部前の上司の承認前で全て止まってしまっていてそこから先には進めない。

やれやれと言われてやったところで誰も判断はしてくれず、やった内容を把握すらしてくれない。代わりにメールで飛んでくる仕事。もうそこに自分自身の正義はない。

自分自身の成長を実感できる瞬間は多々ある。
でも、二つの世界の間が開けば開くほど、僕の心は引き裂かれていく。

恐れていたことは現実になり、悪夢そのものも現実味を帯びだした。
どんなに辛くても今まで目標だけは失わぬようにとやってきたけれど、今は少し真っ直ぐに生きることに疲れている気がする。

今年はしんどくなったらもう休もうと思っている。
例えそれが僕のキャリアに傷をつけることになろうとも、自分自身を傷つけるよりかはよっぽどマシだから。なによりも、そんな背伸びをして育むほどに立派なキャリアなど、こんな無能な組織が僕のために用意してくれている訳などないのだから…。

ただ、そんな割り切り自身が僕を確実に強くしてしまっている。
なかなか、よくできた構図で困ったものだ。

◆そしてこの記事にはどなたかのこんなコメントが・・・

すばらしい!
組織もルールも砕け散ったダイナミックで今風の職場の雰囲気が目に浮かぶようですね。
そんな中であえぎつつも泳ぎながらこんな文章が書けるキミはすばらしい。きっと素敵な組織人として成長する。

二重管理、二重組織・・・そこで泳ぐヒトは普通のヒトの倍の世界を生きている。そしてその二つの組織のカルチャーが異なれば異なるほど、そこに生きるヒトはバイリンガルで立体的な思考力が身につくのですよね。

しんどくなったらもう休もう・・・そう、それでいいから、せっかくの修羅場を楽しみながらがんばってくださいね。

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このコメントが彼の慰めになったのかどうかは不明ですが・・・熾烈な開発競争の中で仕事に合った組織設計などは間に合わず、気が付くとマトリックスにさえなっていないツーボスシステムのはざまで奮戦する人が・・・きっとあちらこちらに発生していそうですよね。(2010.1.10)
by c_mann3 | 2008-04-18 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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