◆電子出版の未来図・・・

この半年で日本でもiPhone、iPad、kindle、ガラパゴスと本を読める携帯端末が出揃ったこともあり「電子出版」の機運が急速に盛り上がっていますが、そうした中で一冊の本が出ています。

題して「電子出版の未来図」、立入勝義著 PHP新書708。
この本は電子出版の背景にある課題や近未来を端末ハードの側ではなく、出版やコンテンツの側から展望したもの。

▼電子出版の時代では出版社も取次ぎも書店も不要となり中抜きが始まる。
▼アマゾンなどのプラットホームを使うと誰でもが直接電子出版できるため、既存の業界に顔の利く著名人でなくとも作家やクリエイタの感性如何でデビューが可能。
▼しかもコストが激減し著者の印税が増えたため、ヒット一発で一攫千金を手にする可能性さえ出てきた。

無邪気に考えるとそうなるが、そこには落とし穴も困難も横たわっている。

中抜きとはいっても素人の文章にはプロの校正や編集は必須、海外まで販路を求めると出てくる言語や文化の壁、しかもWebに閉じ込められた世界では広告宣伝プロモーションの手法もおのずと違ってくる等々・・・そして逆に今業界が気にしている著作権やデータ規格の話はいずれ壁が崩れて無意味になるとも。

そして電子出版は今後とも大きく二つの方向に大別される。

▼従来の書籍を踏襲するもの・・・目に優しい白黒画面のアマゾンのkindleに馴染む世界であり、既存の書籍の広範囲な電子化を含めて真っ当な活字人間の欲求をどこまで満たせるかが勝負。
▼書籍に動画や音楽を連動させたアプリに近いもの・・・まさしくiPadやガラパゴスの世界であり、カラーの雑誌、アニメなどを基点に今後何が出てくるか予想もつかない世界。

著者が米国に在住し一歩先行する米国の電子出版業界で活躍されている方だということもあり、話はリアルで説得力がある一冊でした。(2011.2.15)
by c_mann3 | 2008-08-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(1)
Commented at 2011-02-22 01:48
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