◆COP15・・・エネルギーの未来

[2009.12.12掲載]コペンハーゲンのCOP15がいよいよ大詰めを迎えています。低炭素社会に向かってエネルギーシフトの枠組みは如何にということなのですが、そうした中で一冊の本が出ています。
題して「エネルギーの未来」。日本経済新聞出版社刊、米国のコンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニーのスタッフがまとめた本で、エネルギーの近未来が極めて冷静に過不足なく描かれた力作です。

この本によると・・・

◆原油は枯渇する、全ては中国のせい、輸送用はバイオでOK、発電も風力、太陽等のカーボンフリーでOK・・・といったもっともらしい話はいずれも事実とは異なり、あてにはできない。

◆技術の進歩とコストの変化と政治、制度の三角関係で低炭素社会を目指したエネルギーシフトの構図は大きく変わる。ただインフラを含めた変化には時間が必要で大きな枠組みが変わるためには数十年が必要。

◆発電セクターでは・・・風力、ソーラーが倍増しても再生可能エネルギーが全発電の10%を超えるのは至難の技。この20年間で2/3の発電設備が老朽化し更新が必要となるが、CO2にとって最悪の石炭はその更新を含め新規設備としてもまだまだ増える。となると二酸化炭素回収隔離(CCS)技術が頼みの綱だがコストがネック。当面はガス化に期待がかかるが需給バランスや安定供給に地政学的な不安がある。

◆輸送セクターでは・・・石油の53%は輸送用であり、当面ハイブリッド、続いてプラグインハイブリッドが有力だが実はバッテリーの性能向上がポイント。また電気ステーションや水素ステーションの整備が必要だが、新技術と既存インフラの葛藤は続く。

しかもエネルギー需要自体はアジアを中心に今後も大きく伸びる。そうした中で開かれるコペンハーゲンのCOP15の行方に注目と書かれているのですが・・・

会議目前の段階で米国、中国、インドが曲がりなりにも数値目標を表明し始めたことは多少の光明だったはずなのですが・・・いざ始まってみるとやはり難航。
目標値の設定でも排出権取引のあり方でも、先進国と途上国の溝は簡単には埋まりそうにありません。

そんな中でやはり中国のしたたかさが目立ちますよね。先進国の数値目標をこきおろし、自身の数値目標はあげたが約束はしない。ですがそうした顔を見せる一方で国内では砂漠に太陽光発電を敷き詰め、内蒙古の草原には林立する風力発電・・・しかもその規模拡大の勢いが半端じゃない。

エネルギーシフトといった事業では結局のところ国家を挙げての動員力、推進力が鍵だとすると・・・これからの中国は最大のCO2排出国である一方・・・ぐだぐた言いながら進展のない国を尻目に意外にも最強のCO2低減化推進国となり、まずは内需で固めた上でさらには他国に向かってもソーラーパネルや風力発電設備、はてはリチューム電池や電気自動車に至るまで最強の供給国になったりするんじゃないかなどと思ったりもするのですが・・・
by c_mann3 | 2014-02-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)
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