◆新型うつ・・・雑感

最近気になったニュースなのですが・・・

日本うつ病学会が気分障害の治療ガイドラインを発表。その中で私生活では元気だが職場でのみ症状が出る、いわゆる“新型うつ病”については医学的知見の裏打ちが不十分(マスコミ用語に近い)として対象から除外したとのこと。

苦しんでおられる方が多いことは確かですが、それは学会が言及を避ける程に微妙な話なのかもしれません。なのに、そんな微妙な病名に会社も症状を訴える人もお医者さんもがなんとなく寄りかかって納得し、手打ちしている、そんな構図を感じなくもない。

こんなニュースに接すると、(もちろん素人の妄想ですが)いろんなことが脳裏をよぎります。

《その①》 かつて“モラトリアム人間の時代”と言われた現象がありましたが、それは病気とか治療の対象とかいったものではなかったですよね。
モラトリアム人間が仕事につく手前でのうずくまりだったとすると、新型うつは会社に入った後の仕事を前にしてのうずくまりといった感じもする。現実の仕事を目の前に控えての新型うつは、キャンパスの中という安全地帯で感じるモラトリアムよりは切羽詰まったものではあるが通底するものもありそうな気はする。モラトリアムが病気でないのなら、新型うつももしかしたら・・・とは思います。

《その②》 もうひとつは・・・ずいぶん昔の話ですが、河合隼雄さんが何かの本で“永遠の少年”の一番確実な治療法は“仕事につくこと”とゲーテも言っているなんてことを書いていたのを見たような気がします。
昔は仕事は四の五の言わず、無理やり対峙せざるを得ないものと相場が決まっていたからこそ、永遠の少年を脱皮させる薬にもなった。ところが最近では仕事は絶対的なものではなく、対峙する以外にもその前でうずくまってしまうこともありなんだよといった公認のオプションが出来てしまった・・・それが新型うつの一つの背景といった感じがしないでもないんですよね。

でも公認の病名をもらって何か月かのモラトリアム期間を確保はできてもやがてそれが終焉し、復帰するとそこには何も変わらない仕事の壁が突っ立ったままなんですよね。こころの苦痛を和らげる薬はあっても、仕事をかみ砕きやすくする薬はない・・・それをどうするかが問題なんじゃないかなどと・・・ふと。(2012.8.25)

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by C_MANN3 | 2009-02-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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