◆風力買い取り枠満杯の裏には原発再稼働の指定席・・・

[2012.7.5載]ついに大飯原発3号機が立ち上がってしまいました。フル稼働は9日だとか・・・
ところで7/1から始まった固定価格買い取り制度、その中で風力発電がいきなり買い取り枠限度寸前だと・・・

http://www.asahi.com/business/update/0701/TKY201206300596.html
この記事へのリンクは現在つながりません。
ですがこの記事のpdfをネット上にアップされている方を発見しましたので、そこにリンクさせていただきます。


http://image02w.seesaawiki.jp/w/t/wkmt/2a33fe747344bcd1.pdf

全量買い取り制度と言っていながら買取限度枠というのも変ですが、それがいきなり満杯になる理由も不明瞭。出力変動が大きいとか、送電線に余裕がないだとか言われますが・・・それが理由ならソーラーも似たようなものだと思うのに、なぜ風力だけに枠があるのか?

不思議に思って色々と見ているとだんだん判ってきました。限度枠の裏には原発が控えているようです。
ソーラーや風力は出力が不安定。よって電力会社は出力が無くなれば電力会社の火力で補う。そして気まぐれに出力が大きくなれは火力を下げて需給のバランスを取る。
風力の限度枠を決めているのは(送電線の話だけではなくて)どうやら深夜の電力需要が少ないときに突然風力が目一杯発電をした際に火力発電の“下げ代不足”が発生することにあるようです。(その点ソーラーは深夜には発電しない)

でも本当だろうかと思って各電力会社の深夜の需要と風力買い取り枠を比較していくと一見、タップリ余裕がある?
なのになぜ?と思ったのですが、実は原発が再稼働しベースロードで運転され始めると深夜はそれでほとんどが賄えてしまって火力発電の出番が小さくなる。そこに風力の大量発電がくると小さな火力発電では下げ代が足りなくなる。

つまり風力の受け入れ限度は“深夜の需要電力-(ベースロードの原発+水力)”の値で決まってしまう。それで北海道電力や東北電力は深夜の原発ベースロードを東京電力に買ってもらって(その分火力を増やし)風力枠を広げようといった計画もあるとか・・・

そんな事情が下記の記事の中の図をクリック拡大して見て頂けるとよく分かります。
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20120703_544375.html

風力の限度枠の計算にはバッチリ、原発が全量再稼働できる座席指定が確保されているんですよね。脱原発も、減原発もまったく計算には入っていないということです。

どうやらこれ以上に風力枠を増やすためにはまず減原発が必要!

原発を一基諦める決心をするごとに100万kWの風力枠が増える。風力が普及するとおのずと脱原発が進むというのはウソ。まず脱原発(そしてそれに見合った火力発電の確保)をしなければ風力は動けないという構図のようです。

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◆(2012.10.23追記) 風力買い取り枠について今朝の朝日新聞で・・・

今朝の朝日新聞一面トップの記事には仰天しました。大見出しで“風力購入枠過少見積り・・・電力6社、原発優先を変えず”と・・・

これってこのブログ記事とそっくりの論旨なんですよね。この記事を書いた7月の上旬、固定価格買い取りが始まっていきなり風力の買い取り枠が満杯との記事が流れていた当時の新聞やTVニュースのコメントでは風力は不安定だとか、送電網が不足とか・・・ちょっと考えるだけでも疑問の湧いてくるプレス発表鵜呑みとおぼしき理由がそのまま流れていました。

それがどうして今頃になって“裏に原発の再稼働枠”といったことが一面トップの記事になるのか・・・がっかりてす。ですがやっとそれに気が付いたのか、朝日新聞が各電力会社に問いただしたところ、原発がフルに再稼働することを前提にした買い取り枠であることは認めたが、今の時点で枠を広げるつもりはない(つまり50基フルに再稼働するつもりでいる)とのこと・・・

もうどう考えても、そしてたとえ一時的にせよ、再度50基の原発が一斉に再稼働することはない。なのに電力会社は安全性の確認さえ取れれば再び以前の世界に戻れると思っている節がある。やはり日本もスウェーデンと同じように2030年にゼロかどうかといった議論だけでなく、そこに至るまでの原発再稼働の過渡期最大枠を宣言した方がすっきりする気がします。
原発は“安全が確認されて且つ必要限度”の基数が再稼働する、 従って過渡期最大でも全国で20基(基数は10でも30でも良い)を超えることはないと決めてしまうと、各電力会社もIPPも火力や風力の建設に踏ん切りがつくというものです。

ところで肝心の今朝の朝日新聞の記事は以下のところにリンクを・・・ただし会員でないと全文は参照できません。無料会員でも登録可とはなっていますが、出来ればこうした記事は一般枠で掲載してほしい。そしてエネルギー問題では技術的な背景が日頃なじみのない世界でもあり、もっと突っ込んだ分析や解説をタイムリーに出していってほしいですよね。それがマスコミの使命と言うものです。

http://www.asahi.com/business/intro/TKY201210220578.html?id1=2&id2=cabcbacd&ref=twitter
この記事にも現在リンクがつながりません。



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by C_MANN3 | 2005-08-21 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)
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