◆企業の存在意義:日本の優秀企業研究

前掲の「日本型経営の源流」から30年、バブルがはじけ、延々と続く低迷と閉塞感の中で、なぜか超然と輝くいくつかの「日本の優秀企業」。その特徴を綿密なインタビューで抽出した味わい深い本がベストセラーになっています。

●日本の優秀企業研究

題して「日本の優秀企業研究」、新原浩朗著、2003年、日本経済新聞社刊。副題は“企業経営の原点 6つの条件”です。

収益性・安全性・成長性を尺度として選びぬいた「優秀企業」10社の特質を聞き取りやアンケートで抽出し、優秀企業の6条件としてまとめたものですが、結果はがっくり来るほど当たり前、それで居て奇妙に新鮮な響きを帯びています。

曰く、優秀企業の特徴は「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、まじめに自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる企業」であり、「ITやバイオなど先端業界」で「国際競争にさらされる分野」に偏在しているわけでも、米国式の経営手法を導入している企業に限られるわけでもない・・・というものです。

抽出された六つの条件は列記すると・・・
 ①分からないことは分けること
 ②自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
 ③客観的に眺め不合理な点を見つけられること
 ④危機を持って企業のチャンスに転化すること
 ⑤身の丈にあった成長を図り、事業リスクを直視すること
 ⑥世のため人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること

ということなんですが、企業目的が利潤追求か否かという点については、上記⑥の章できっぱりと、
「目的が継続的社会貢献、手段が(そのために必要な)利益」と書かれていて、こんなフレーズを読んでいると“なるほど!”と賛同したくなるとともに、30年前に書かれた「日本型経営の源流」にオーバーラップするものを感じてしまいます。

もうひとつ、著者は「米国式」経営の「形」を導入することは必須ではないし、わが国でいわゆる「米国式」といわれているものは実際の米国の優秀企業の像とは異っている。米国優秀企業の像も、むしろこの本で抽出した日本の優秀企業の像に近いのではないかとも述べておられます。

実は私もよく似た印象を持っているのですが・・・

(以下は蛇足で)私がひょっと思いついた台詞で、よく口にするのですが誰からも相手にしてもらえない冗談をひとつ・・・
“もしかしたら成果主義とか金銭的インセンティブといった米国流の経営手法というのは、日本の企業力をじりじりと弱らせるためにCIAかどこかが巧妙に仕組んでいろんなチャンネルで流している近代経営理論を装ったプロパガンダじゃないか???”などと思うことがあるんですが・・・(2005.2.16)
by C_MANN3 | 2010-10-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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