●そういえば、昔、2~30年も前のことになりますが・・・
ひょっと立ち寄った本屋で「なんとか心理学学会誌」のバックナンバーをおいているところがあって、ぱらぱらめくってみたのですが・・・唖然として本棚に返してしまったことがありました。 応用だったか、教育だったかそんな名前の付いた心理学会の会誌か機関誌だったようなのですが、どの論文も前書きと後書きの数行以外はぎっしりと統計検定の表が並び、なぜか決まったようにパーセンタイルのグラフがついていて・・・これのどこが心理学かとガックリした記憶があります。 掘り下げ、構造を浮かび上がらせ、新たな知見を立体的につかむことが研究の目的だとすると・・・数理的であることは手段に過ぎない。手段がいくら緻密でも・・・などとは思いますが、昔と違って最近は良い方向に向かっているんでしょうか。 「質的研究法」って言葉に新鮮な魅力を感じるってのも変な話ですよね。 ●そういえば、ピアジェは・・・ 心理学の掲示板などで「アンケートに協力お願い」と言ったコメントがよく出てきますが、おそらく仮説もフレームも持たずにアンケートを集めて分析とは名ばかりの集計をして終わり。 心理学は統計学でも数学でもないですよね。必須のツールではあってもそのもの自体ではない。 統計処理するために無理やり数を集める。それに一番手っ取り早いのがメールで集めるアンケートって事なんでしょうが・・・数ではなく、たとえ一個の観察対象でも徹底的に掘り起こすって訓練も必要ですよね。 ピアジェが自分の子供たった一人を観察しただけで発達心理学の体系を作ってしまったという話を聞いたことがありますが、私はありえる話、おもしろい逸話だと思っています。 もっとも、ならば私もとわが子を見つめてはみたのですが・・・わかったことは“やっぱりピアジェにはなれない”ということだけでした。 もしかして「質的研究法」とかの素養があればもう少し何かが得られたのかも・・・ ----------------- (以下、2005.3.21追記) ピアジェについて上記のような思い出話を書いていたのですが・・・学術的にもピアジェと質的研究法の関連に言及しているものがあるようです。 以下は、岡山大学のサイトですが、ここの末尾に関連した記載が見られます。ただし引用でオリジナルは「現場心理学の発想」、やまだようこ著、新曜社1997のようです。 http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/education/2003/_3seminar/observasion4.html
by c_mann3
| 2011-10-18 00:00
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