◆追記コーナー:電力状況への雑感◆ 毎日流れてくるエネルギー関連のニュースを前にして思わずつぶやきたくなることもしばしば。そういう時はtwitterでとは思うのですが・・・中には140文字では呟ききれないものもあり、そうしたものを書き連ねて行ければと、この追記コーナーを設けてみました。【H28.5.20運用開始】 以下は折々のトピックス、雑感です 2023.3.25 ◆2023年度のFIT国民負担額、なんと今年は半減に・・・ 原因は賦課金単価の計算に使う回避可能費用(これが大きいと賦課金単価が低くなる)が2.5倍に増加したことによるもののようですが、ほかにも2021年度の余剰金を反映したとか調整機関事務経費が半減している等の調整が見られます。回避可能費用は市場価格に連動するルールとなっており、最近の燃料高騰によるものとはいうものの、あらゆる数値を調整して受け狙いの値を算出したとの印象はぬぐえません。 そのなりふり構わぬ印象操作の極めつけが併せて発表された標準需要モデルによる電力費削減額で、所帯あたり昨年対比820円の減とあります。実はこの算出に使うモデルの電力使用量が今までの260kWhから400kWhに突然変更されており、これによって5割ほどメリットが膨らんで見えるのですが、これがそのままマスコミで垂れ流されています。 ともあれ、この様子をここ数年の推移としてグラフ化してみると下図のようになります。(今年の決定通知はこちらのサイトに⇒経産省リリース) 2022.7.2 ◆この夏の電力ひっ迫状況を再度確認・・・ それにしてもHJKSの停止情報は記載基準があいまいで、これをもとに集計しようとすると、いくつかの突き合わせや加工が必要で結構大変です。 2022.6.12 ◆この夏の電力ひっ迫への備えは今・・・ 結果、7~8月の点検停止等の回避は、既に今年の1~2月の実績に近いレベルまで準備が整いつつあるようです。 今のところ4600万kW程度まで停止の回避が進んでいますが、その内ベースとして横たわる長期計画停止が1600万kWにのぼっています。ただ図中の赤ライン“長期計画停止等”にはベースとしての長期停止以外にも、最近発生した事象の復旧未定の項目を含んでおり、今後の数週間でさらに改善される可能性があります。 真夏の電力需要は例年16,600万kW程度となっています。従って目安として本図の“発電停止が160万kW増減するといわゆる余裕率が1%上下する”ものとして参照して頂ければと思います。 2022.3.25 ◆2022年度のFIT国民負担額、やはり今年も増額に・・・ 昨年は賦課金単価の計算に使う回避可能費用が、市場価格に連動するルールにより、“今冬の市場価格高騰に起因する送配電事業者の余剰金の活用”と言った理由で一時的に急減(これが小さいと賦課金単価が高くなる)していたはず。従ってそれが落ち着いた今年は下がるかと思っていたのですが、そうはなりませんでした。 賦課金単価を決定する数式はすこぶるシンプルなのですが、そのパラメータが市場連動だったり見込み値だったりで分かりにくい。例えば計算に使うFITの買取費用見込み額はここ数年、1年後に出る実績とは1割ほどの乖離があるままです。見込み違いは翌々年に調整とのことですが、どこでどう調整されたのかは不明。予定に基づく請求があって清算と再調整の報告がない。 遍く全国の家庭から有無を言わせず徴収するのであれば、もう少し親切な説明があってもしかるべきと思うのですが・・・ ともあれ、この様子をここ数年の推移としてグラフ化してみると下図のようになります。(今年の決定通知はこちらのサイトに⇒経産省リリース) 2021.12.2 ◆今冬の電力不足懸念、備えをHJKSで見ると・・・ 本グラフはHJKS情報によるため、あくまでも10万kW以上の発電所の集計ですが、何かと大変だった2021/1月と比べると今冬は設備の稼働計画としては配慮が窺えます。 本図はHJKSの計画停止情報をベースにユニット情報による新設、廃止も加味したものですが、未稼働の原発は集計から除外しています。おおむね150万kWが、いわゆる予備率の1%に相当するとして比較して頂ければと思います。 2021.4.25 ◆温室効果ガス 2013年度比46%削減を表明・・・ 現在の電源構成目標は26%削減とフィットしているとの前提で単純に(おそらく原発は温存し、火力のとりわけ石炭にしわ寄せするに違いないと)試算すると、46%に対応する新たな電源構成では上表のように石炭は半減となるのですが、さて結果は如何に! 2021.3.24 ◆2021年度のFIT国民負担額がなんと急増に・・・ どうやら単価急増の要因は回避可能費用が大きく下がったことにあり、その説明として“今冬の市場価格高騰に起因する送配電事業者の余剰金の活用”にあると。余剰金を活用するなら国民負担の賦課金単価は下がってもいいんじゃないかと思ったですが、どうもそういう計算にはならないらしい。 不思議に思ってよく調べてみると、回避可能費用は市場価格に連動するルールとのこと。つまりは今冬の価格急騰で発生した余剰金を発電会社に還元したので回避可能額が減額され、その結果賦課金単価が急増したということのようです。(経産省リリース) この様子をここ数年の推移としてグラフ化してみると下図のようになります。賦課金単価が不安定な市場価格の影響を受けて計算される限りは、この先もどんな推移をたどるものやら心配です。 2020.11.3 ◆原発稼働基数がついに1基に・・・ 現在テロ対策遅延による停止は4基、これに裁判による稼働差し止めや不具合発見により点検停止が長引くもの等が重なる一方で、新たに稼働を目論むサイトでは地元合意が進まない状況が続いています。そうした中でつかの間とは言え、稼働基数が1基にまで至ったことは特筆すべき事態です。 2020.7.28 ◆原発事故対策費を託送費に忍ばせて・・・ つまりは原発を嫌って新電力に乗り換えた人からも、再生由来だからと割高でも電力を調達しようとするRE100の企業からも、有無を言わせず原発のネガティブコストを取り立てるという恐ろしい仕組みの始まりです。 2020.3.30 ◆2020年度のFIT、国民負担額は減なのに賦課金は増に・・・ この様子をここ数年の推移としてグラフ化してみると下図のようになります。この後も住宅用ソーラーの卒FITが続くこともあり、懸念されてきた国民負担は当面は緩やかな減少傾向で推移するものと思われます。 2019.8.26 ◆東電、柏崎1~5号機の廃炉計画を表明・・・ 実は今日基数を明らかにすると基数次第では即、政府の2030年の原発目標の達成不能が確定しかねないところではありました。 現在稼働中は9基、これに加えて仮に安全審査は終了しているが未稼働の6基が全て地元の了解を得て稼働し、現在は申請中の12基も活断層懸念のものを含めてすべて結局は合格し、柏崎1~5号機を除く審査未申請の3基も申請、合格を経てすべてが稼働、さらには2030年までに新たに40年超となるものは全て延長申請し速やかに対策工事を経て再稼働するといった、信じられないような推移をたどったとしても(2030年が40年超の延長稼働の対策工事と重なる2基を除くと)28基が限度。従って今日3基以上の廃炉表明が成されると2030年の原発目標とされる30基は割り込んでしまうはず(しかも5基の内2基はこれも40年超の延長対策工事と重なり戦力外)でした・・・ ということは今日の基数明言無しの表明もつまりは政府方針への忖度の類かと勘ぐれないことも無いですよね。
by C_MANN3
| 2023-12-23 03:25
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