◆気になる“電力需要”カーブのギザギザ・・・

【2016.7.25記】 毎日眺めているエレクトリカル・ジャパンの各エリアの電力使用状況で、本来は滑らかなはずの電力需要カーブが一部のエリアでノコギリ歯状のギザギザが目立つようになっています。
原因は何かと想像をめぐらしてみるものの、ソーラーを使っている顧客がお天気次第で変動する不足分を電力会社から購入するぐらいしか思いつきません。ところが夜間でもギザギザが見られ、そうするとソーラーだけではなく風力発電も混じっているのだろうか・・・ですがこれらはいずれも固定価格買取で電力会社の供給側にまわっていて、需要カーブには影響を与えないはず?

b0050634_20535476.jpgそんなことを思いながら調べてみると、固定買取(FIT)だけではなく自家消費として登録されているソーラーや風力も結構な規模になっている。エネルギー庁の自家発電設備統計によるとソーラーは450万kW(対してFIT対象は2300万kW)、風力が280万kW(FIT対象は300万kW)にのぼり、しかもエリアによって偏在している。

で、エリアごとに昨年7月のエリアの最大電力需要に対する自家発電(ソーラー+風力)の定格出力との比率を求めてみると・・・関西(2.2%)、東京(2.3%)は低いですが、北海道(13%)や九州(11.2%)はなんと10%を越えています。そしてこの比率の高いエリアで電力需要カーブにギザギザが現れ始めているということのようです。となるとソーラーや風力は今後もさらに増えるので、“でんき予報”のギザギザはこれからもますます目立つことになりそうです。
なおこの集計では余剰買取の家庭用ソーラーは除外しているのですが、その自家消費分を加味すると比率はさらに高くなります。 

▼それでも増えるソーラーと風力・・・

b0050634_20552210.jpg上記のギザギザは自家発電、自家消費の“ソーラー+風力”の出力変動が原因と思しき電力網の需要末端での変動ですが、実は電力システム全体としてはこれに加えて固定価格買取“ソーラー+風力”も変動の要因。合計すると表に示すように既に4180万kW(こちらには余剰買取のソーラーも反映)となっていて、それを火力発電等で出力調整していることになります。そしてこの4180万kWという変動電源は、例えば消費電力の少ない5月や10月の総電力負荷(月間最大電力)に対しては既に38%にも及ぶ比率となっている。

この比率が今後さらに高くなれば系統の管理が難しくなることは確か。だからこそまずはソーラーが先行して一挙に増えた九州電力で接続保留の問題が発生し、それをきっかけに“無保証無制限の出力抑制ルール”というものが生まれたわけですが・・・一方において年間電力量(kWh)に占める“ソーラー+風力”はH27年で未だ2.7%に過ぎず、脱原発とCO2抑制のためには更なる接続の促進が必要。

よって投資意欲をそぎかねない“出力抑制ルール”が制定されはしたが、それを極力発動せずにいかに接続を増やしていくかが、今後の電力会社の腕の見せどころとなりますが、そうした中で下記リンクの九州電力へのインタビュー記事を発見しました。
   http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150601/420989/?rt=nocnt
ただ一点接続限度量見込みの算出に原発の復帰代を目いっぱい見ていることには賛同致しかねますが、それ以外は新しい運用で接続量の増加に立ち向かおうとする電力会社の取り組みの方策と姿勢がよく判る文面であり一読の価値有です。

▼2016.9.26追記・・・その九州電力では着々と実績が・・・

連休で電力需要が少なかった5月4日の午後1時には、太陽光と風力だけで66%(kWの発電出力ベース)の電力供給を達成し、地熱や水力などその他のエネルギーも入れた再エネによる供給は、一時的に78%(kW)にも達したとのこと。しかも達成手段には既に揚水発電の動力も動員しているようで、まさに太陽光と風力の先進地、九州電力が切り開く未来といった趣の頼もしいニュースです。
http://www.huffingtonpost.jp/wwf-japan/renewable-energy-50-percent_b_12020210.html

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by C_MANN3 | 2005-09-26 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)
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