◆ヨハネ・パウロ二世の時代

ローマ法王の交代に伴い、ヨハネ・パウロ二世の時代を振り返るドキュメンタリー番組がいろいろと放映されています。

30年近い在位期間とあって、なつかしい顔ぶれやシーンが続きあらためて激動の時代であったことを認識させられます。パウロ二世はポーランド出身だということもあったのか、就任直後から、ワレサの率いる自主管理労組「連帯」を積極的に支持。しかも法王庁と米国が綿密な連携をとっていたことがうかがえますが、こうしたことがきっかけとなりやがてソ連邦は崩壊に至ることになります。

ですが印象的だったのは、これに関連してインタビューに応じたゴルバチョフのコメントです。曰く、「無神論を唱えた共産主義はもう一つの宗教だった。キリスト教と共産主義、この二つの宗教はいずれどちらが生き残るか決着を付けざるを得ない宿命にあったのだ」と・・・ソ連邦は共産主義を唱えて資本主義国を敵に回しただけでなく、無神論を主張したためにキリスト教をも敵に回してしまった。やがてこの二つの勢力の連係包囲の前に崩壊を余儀なくされたということなのでしょうか。

前掲の記事で紹介させていただいた、なだいなださんの「精神医学はもう一つの宗教だった」との話にもびっくりしましたが、共産主義帝国ソ連邦の最後を飾ったゴルバチョフから出た言葉だけに、目からウロコと納得させられるものがあります。

そして今、時代は変わり、ネオコンとキリスト教福音派原理主義の支援を得ているらしいブッシュがイスラム原理主義を旗印にしたアルカイダを壊滅させるとアフガンに侵攻、続いてイラクに自由と民主主義をとフセインを攻撃。前回の共産主義攻略とは異なり今回の米国はヨハネ・パウロ法王庁のいうことには全く耳を貸しませんでした。それに代わる拠り所は聖書無謬説を信じ戦争を聖戦と捉える福音派原理主義だったということなのかもしれません。

共産主義も含めて政治思想や宗教が原理主義に走るとき、その先にはたいてい泥沼の聖戦が待ち受けているようです。法王も後ろ髪を引かれる思いを抱きつつ天寿を全うされたのかもしれません。(2005.5.3)
by c_mann3 | 2006-12-16 00:00 | ユングのすそ野の 風景 | Comments(0)
<< ◆三大宗教は精神医学?《続》・・・ ◆ネオコン、キリスト教原理主義 >>