◆全てのアイディアが否定されるあなたへ・・・

ちょっと奇妙なタイトルをつけてしまいましたが・・・意味するところは「創造性のテーマと路線の選択」といったことになるのかもしれません。

組織の中でのアイディアは回りに「賛同が得られて」、「実行できて」、「効果が期待されるもの」でなければならない。人はこのパスを通過し成功の実績を重ね、賛同を得られることや達成感の喜びのフィードバックで路線を固めていくはずのもの。この上昇スパイラルに乗ることでその人の創造性は成功する確率がどんどん高くなっていく。

ところが・・・出すアイディア、出すアイディアのすべてが周りからは否定され、下降スパイラルから抜けられない・・・といったことが現実の職場では起こりえます。

いつもいつも否定され続けるのは気の毒と時には「賛同」してみても・・・実行段階で早晩行き詰まるか、仕上がったとしても注目を得られず立ち枯れる。結局、喜びのフィードバックは働かずに終わってしまう。

こうした人を見ていると・・・とりたてて創造性の能力が低いわけではない、むしろ能力も意欲も高いはずの人・・・どうやら、受け入れられない要因にはテーマの選定(目の付け所)とか、人を巻き込めない推進プロセスといったものも絡んでいるようで、少なくともアイディア自体の良否だけではない。

なぜか次々と否定されるアイディアを思い浮かべてしまう自身の創出プロセスを見直さない限り、状況は変わらない。ジェネプロアモデルで言うと・・・プロセスに産出制約の学習効果が働いていない。

思いついては否定されるアイディアの一つ一つをカードに書き、机の上に並べて眺め、浮かびあがってくる共通項、窺い知れる自身の嗜好性、価値観、技術観・・・そういったものを抽出し、その妥当性をチェックする・・・こうしてどんどん自身の見つめなおしと再構築が始まる。

この見つめ直し・・・手っ取り早いのは周りの人との議論と意見の受け入れなのでしょうが・・・こうした人たちはなぜか議論を好まない。
あるいは“嗜好性や価値観といったものは個人的なもので人それぞれ・・・議論の対象にしてもまとまるはずもないし、議論もしたくない・・・とにかくイエスかノーだけを言ってくれればいい”ということなのかもしれません。

結論レベルのノーは単に意見の違いとして脳裏に収納される。対して嗜好性や価値観のレイヤーで議論して負けたとなると、より人格に近いところで傷を負う。そこは正しかったものとして温存しつづけたいということなのでしょうか。

茂木健一郎さんが著書「脳と仮想」で述べられていた「人は傷つけられなければ創造すらできない」・・・この言葉はこんな場面でも当てはまりそうな気がします。創造の有効性を高めるためには、より人格に近いレベルで議論し、自身の人格を傷つけ再構築するプロセスが必要なのかもしれません。

無論、ただ一人のみが注目し話しても通じないほど新しいテーマなのだとすると、周りの賛同を得られることは必須ではない。自身の胸中でことの妥当性をセルフチェックできるなら、人との議論を好まないことも致命傷ではない。
だが賛同も議論もない道はリスキーな茨の道。自身を信じてたった一人の革命の道に出発するのか、自身の内的な態度変容に着手しより確実な方向に軌道修正すべきなのか・・・今、あなたは岐路に立っているのかもしれません。(2005.10.15)
by c_mann3 | 2008-04-16 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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