◆若年性アルツハイマー / ビューティフル・マインド

前掲の記事で、心を鍛えて揺れる小船の姿勢制御・・・などと判った風なことを書きましたが、もっと恐ろしいのは心を心として扱える領域を超え脳に損傷が始まる世界。

例えばアルツハイマー、そして分裂症・・・心脳問題の境界がすっきりしないように、こうした症状も自身が心を鍛え、周りが心を支えることが予防や改善にまったく無関係ではないとのことではありますが・・・身近に経験する揺れる小船の世界とはかけ離れた重い世界であることも確か。軽いタッチで記事にするテーマではないのかもしれませんが・・・映画の話を二題。

★若年性アルツハイマー

韓国映画「私の頭の中の消しゴム 」が公開され、変な題名で何だって感じだったんですが・・・誘われるままに見に行ったところ、これが実によくできた、すばらしい映画でした。
テーマは「若年性アルツハイマー」、女優はソン・イェジン。
ただの物忘れのひどい女の子と思っていた彼女が結婚し、幸せの絶頂で若年性アルツハイマーだとわかり、急速に症状が悪化していくというストーリー。

若年性アルツハイマーは最近現実の世界でも実際に見られ始めているとか・・・若年性よりもっと確率の高い初老性の年代に差し掛かった私などは見ていてもう他人事ではない。

身体的な病気については医学が発達しどんどん寿命が延びている現在、それよりも手前で脳が寿命を迎える確率は確実に高くなっている。
いつの日か、私にもそういう日が来る。家族のことも、自分のこともわからなくなる日が来る。自分が何者で、何を考えて生きてきた者なのかがわからなくなる・・・

映画の中の1シーン・・・
脳裏からどんどん消されていく記憶を補おうと、部屋の壁や扉を埋め尽くして張り巡らされた思い出の写真、日常生活の手順メモ・・・その一つ一つを確認しながら蘇っては薄れ、薄れては蘇る記憶。

こんなシーンを見ていてふいに思ったことは、私も今思っていることをできるだけたくさん、せめて文章にしてでも残しておかなければ・・・このブログもふっと気が抜けると一ヶ月以上も新着記事がないなんてことがありますが、それはまずい。日々思うことは書くだけ書いて推敲、編集して・・・

そして迎える自身が痴呆となった日々。もはや自分で考えたり文章を書いたりは無理となったとき・・・まるで他人の文章を読むかのように、かつての自分が書いた文章を読んでこっくりこっくりうなずく日のために・・・ん、そんな事態になるともはや、文章を読んだりうなずいたりって事はもう無理なんだろうか???

それにしても・・・宮廷女官「チャングムの誓い」もそうですが・・・韓国の映画やドラマは本当によくできている。何が違うのでしょうか。俳優なのか、テーマの切り口なのか、それともシナリオの練りこみなんでしょうか。

★ビューティフル・マインド

こちらは2001年のアメリカ映画、そして実話。天才的数学者ジョン・フォーブス・ナッシュが数学の研究に没頭し、ついに「ゲーム理論」の基礎を固める。だがその才能に目を付けた国防省の依頼で秘密裏の暗号解読研究に没頭し始めるとともに少しずつ現実と非現実の区別がつかなくなっていく・・・
症状はだんだん悪化しついには入院や電気ショックの治療を繰り返すが改善は見られない・・・だがやがて何かを求め続ける意志の強さと回りの支援が支えとなり、ついにはすべてを克服しノーベル賞の受賞スピーチの壇上に立つ。
映画を見終わったとき、いったいどのシーンが現実でどの部分が幻想の世界だったのか区別に自信がもてなくなってしまうのですが・・・強い意志で分裂症(統合失調症と書くべきなんでしょうが・・・)の世界を脱却しノーベル賞に輝いたことは確かな事実。電気ショック療法があったこと、そしてそれが役に立たなかったこともどうやら確か・・・

「われ思うゆえにわれあり」とか、「心頭滅却すれば火もまた涼し」などと自負している“人間”。ならばせめて想うことができ、意思がある限りは頑張らなければ・・・などと思ったりもします。(2005.10.25)
by c_mann3 | 2009-02-08 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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