◆創造性:図形、図表で考える

私自身、長い生活体験の中で何かを考えるときは、書いたり消したり図形や図表で考えることか性癖のようになってしまっているのですが・・・最近になって図形、図表で考えることを推奨する本がいろいろと目に付くようになりました。

手元にある本もそのひとつです。
題して「できる人は地図思考」、吉田たかよし著。2003年、日経BP社刊。著者は元NHKのアナウンサー、後に医者の資格をとり、代議士公設秘書を務めるといった不思議なキャリアの方です。

図形化のプロセスでは、混沌とした知と情と意のカオスの中からキーを抽出し、関係性を見出し、意味のある構図にレイアウトしていく・・・そこには創造性のほとんどの工程が含まれている。

ですがこの工程は決してストレートには進まない。行きつ戻りつ堂々巡りが繰り返され・・・やがて解脱の瞬間を迎える。そうして仕上がった図表は対象を見る見方を変え、網膜に映る風景を一変させる。
前掲の周期律表や別掲のKJ法もその一例だと思います。

脳生理学的には・・・上記の本にもあるように、図形で考えると脳全体が活動する。ロジカルな思考と直感が同時に活動する。左脳が矛盾を排除し、右脳が越えられそうにない川をジャンプして渡る。渡った後を左脳がブリッジで連結する。

おそらく図形化には二つの役割がある。それを形造っていくプロセスと、結果として表現されたものの効用の世界。前者は創造性プロセスそのものですが、後者は人に新しい視点を与え発想を変えさせるインパクトを持つ。あるいは図表の中でいろいろなものが相対化されることで、これが絶対と譲り合わない不毛の議論を阻止することができる。また新しいものを発見する際の答えの居場所を示す地図として活用できる。

こんな話をすると、OA全盛の昨今、「そんな話ならパワーポイントであっという間に!」という反応になりかねないのですが・・・
この本には「パワーポイント症候群」といった面白い話が出てきます。きれいな図が並んでいるだけではだめ。結果として新しい構図、意外な視点が提示されていなければ意味が無いとのこと。

図形、図表で考える・・・それは新たな構造をつかむこと。このプロセスはいろんなものとつながっている。例えばフランス構造主義等の切り口ともイメージがダブるものを感じます。(2005.11.18)
by c_mann3 | 2009-09-16 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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