◆家庭の「うつ」・・・そのステージ

NHKのうつ番組が今も続いています。先日も“女性のうつ”と銘打った特集番組が放映されていました。

女性のうつは男性の二倍、しかも自分がうつだとは気がつかないままに症状を悪化させていくことが多いとか・・・
何組かのご夫婦が出演されての赤裸々なトーク番組でしたが、うつのきっかけはキャリアウーマンが家庭に入るとか、産後まもなくといったもの。

まず気力を失い、家事をしなくなるところから始まるようなのですが・・・最初は非難をあらわにし、叱咤激励していたに違いないご主人がある日、うつと判明するとそれを受け止め家事一切を肩代わりし支援に回る。

ですが出口の見えない生活の中でご主人もまたうつになり、家族全体がどんどん出口の見えない世界に沈みこんで行く。そこに至るご主人の努力は痛々しくて見ているだけでも胸が苦しくなりますが、その努力も報われずやがて家族分裂の危機が訪れる。

明日はわが身かもしれないし、最初にうつになるのも女性とは限らないなどと思うと目が離せなくなってしまう番組なのですが、見ていて感じる疑問もいくつか・・・

◆ひとつは最初の入り口・・・

うつではない普通の状態では人は落ち込み元気を失ったときは、叱咤激励したりされたりでハッとわれに返ってまた元気を取り戻すといったことを繰り返しつつ生きていることも確か。それは支えあって生きている普通の姿でもある。

ですがいったんうつとなると・・・うつの人は励ましてはいけない、すべてを認めて受け入れることが肝要なのだと・・・その知識自体はかなりの程度まで普及していて理解しているつもりでも、毎日接している家族や会社の同僚とは結構厳しい会話で日常が成り立っている。

この日常の中である日どうも様子が変だと思うことがあったとき、その人が今、一線を越えているのかどうかをどう判断すればよいのか・・・まるで異なる二つの世界をいったいいつ切り替えればよいのか・・・タイミングを失して状況を悪化させないようにと言われてもその判断は難しい・・・

◆そして出口はいずこに・・・

夫婦そろってうつとなり、まるで二匹のハリネズミがくっつきすぎて互いに傷つけあっている状態となったとき、そんな二人が相談して安全な出口を見出すことは難しい。

番組に出演されていた方はストレスの少ないところへの転居、離別の心積もりといろいろな選択をされているのですが、ここに何がしかの第三者のアドバイスやカウンセリングは必要なのではないか・・・この番組ではそのあたりがよく見えませんでした。

おそらくうつから脱出したとしても、もう以前のように社会通念としての決まりきった価値観や在るべき姿に縛られる世界に戻ることは難しいのだとすると・・・
一体どんな復帰メニューが考えられるのかの提示があれば、コース選択のリスクは多少なりとも少なくなり、出口にいたるタイミングも早くなるのではないかと思ったりもします。

うつのプロセスにはいくつかのステージがある。
  ・始まる前後の段階
  ・どうしようもなく沈み込んでいく段階
  ・闇の中の小康状態を過ごさざるを得ない段階
  ・そして訪れる、出口に向かう段階

このステージごとに、周りの人の接し方も、本人の心の姿勢制御のありようも異なったものがある・・・素人ながら、そんな気がします。(2006.7.31)
by c_mann3 | 2009-04-16 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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