◆他者蔑視と自己優越感・・・その愛国版

ここ数日、朝日新聞の一面で「愛国を歩く」と題したコラムが連載されていました。愛国心をテーマにした日中韓の若者たちのルポなのですが・・・

日本では今国論を二分、三分している靖国神社を訪れる若者が増えていて、「当然の参拝を他国からとやかく言われる筋合いはない。偉そうに言ったって中国はきっと後数年で経済破綻するに決まっている」と言った意見の若者が多くなっているとか。

他方中国では、日本人に接したことのない若者がインターネットで垣間見る断片的なニュースを肥大解釈し、軍国化する日本への憎悪をたぎらせているとか。こちらも同じく、「もうすぐ中国は日本を追い抜く。そうすればもう日本は二度と中国をキャッチアップできない」と・・・

コラムの一行一行を読んでいると、前掲(ひとつ上にスクロール)の記事で紹介していた本、「他人を見下す若者たち」を思い出してしまいました。


この本のモチーフは日本の若者に蔓延している“他者蔑視をバネにした自己優越感”だったのですが・・・それが今、愛国心の形で海を挟んだ両国の間でエスカレートし始めている。
他者が他国に置き換わり、自身が自国に同化して愛国心の形で表現され始めているのですが・・・構図はこの本に描かれたものとあまりにも相似。

インターネットで全てが分かっているつもりでも実は情報は断片的。もう少し幅広く立体的に情報を取り込み自己と他者を比較するならば、そうではないことが分かるはずの他者への蔑視と自己優越感・・・

あふれる情報の中で実は自分の都合で恐ろしく情報をトリミングし、つまみ食いしているのに・・・“ITを駆使して情報社会に生きている私”に情報の偏りなどあるはずがないと信じている・・・

こんな状態で出口を見出すことは難しい・・・ましてや自身で気づいて出口を見つけることはさらに難しいのかもしれません。(2006.8.25)
by c_mann3 | 2009-12-08 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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