◆「うつ」と付き合う心理学・・・

認知療法、行動療法、論理療法・・・いろいろな療法が言われていますが、それらはどう違うのか、認知療法は認知科学(心理学)と、行動療法は行動科学(心理学)と関係があるのかどうなのか・・・以前からこうしたことが気になっていたのですが、一冊の本に出会って多少霧が晴れる感じがし始めました。

題して“「うつ」と上手につきあう心理学”、高橋良斉さん著、ベスト新書38。

この本によるとどうやらうつはストレスに満ちた環境にあってそれに対する自分の受け止め方、つまりはその認知プロセスに誤りがあり、それが悪循環を起こすことで発症するもののよう。次々押し寄せるストレッサーが脳から副腎にいたる神経伝達物質やホルモンの分泌に影響し、それが脳の生理的なダメージにつながっていくプロセスや、よく使われる薬の解説にも言及はされているのですが、それ以上に主だった認知の誤りの種類や特徴が詳しく列記されていて、思い当たることが少なくない。

“自分でできる認知療法入門”との副題が示すように、この認知プロセスの誤りに気づき少しずつ脱出を図っていく手立てがわかり易く書かれています。しかも自力脱出を超えて医者の助けが必要な目安なども書かれていて、軽症のうちに一度読んで味わっておくと「うつ耐力」がたかまりそうな感じのする一冊でした。

実は妙に鬱々とした気分が続き、さらに潰瘍ができたりしていることもあり手にした本なのですが・・・巻末の「ペックうつ評価尺度」とかで自己採点してみると、期待に反して?まったく「うつ」じゃない。ということは単なるうつ気分ということなのでしょうか・・・じゃあ、この身体症状は何だ?

とは言うものの・・・単なるうつ気分、まっとうなうつ、医者や薬が必要な本格うつ、さらには気分は生きいきしているのに頭痛や吐き気の身体症状のみが現れる仮面うつ病・・・うつは症状も療法もいろいろ。症状の区分や治癒の傾向と対策は一筋縄ではないということなんでしょうか。(2007.1.28)
by c_mann3 | 2009-04-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
<< ◆職場の「うつ」・・・二種類の会話 ◆続、うつとの会話・・・あれこれ >>