◆その思い出は・・・苦い、甘い?

職を得て企業に入ると人は皆、おびただしい数のプロジェクトやジョブを積み重ねながら10年、20年とキャリアを積み上げていくことになるのですが、その過程ではスキルが磨かれるだけでなく、一つ一つのプロジェクトが独特な感情の色合いを持って記憶されていくことになるようです。

そして今、その一つ一つを振り返ったとき、その思い出は苦いでしょうか?甘いでしょうか? 
 

例えばシステム開発などの職場だったとして・・・あのプロジェクトは大変だったけど使う人からは喜んでもらえ、自分のキャリアアップにもなったと、自信と誇りとして記憶に残っているもの。あるいは作っているときから意にそぐわなかったし、結果としても今ひとつで苦い思い出として残っているもの。人により、ジョブにより心の中に残っているものはそれぞれなのかもしれません。

そんなことは終わってしまった話、どうでもいいことじゃないかと言われそうな気もしますが・・・実はそうでもなくて、今日の仕事にも何かと影響のある話って感じがし始めています。

早い話が“喜び記憶”の作品が今も動いていたとすると嬉しいし、ぼつぼつ今風にバージョンアップの提案をしてみたくなったりするかもしれません。“苦い記憶”の作品なら早くつぶれて消えて欲しいし、バージョンアップなんてタッチもしたくないってことになるのかも。

今日も次々と新しいジョブの話が舞い込んできますが、その都度何がしかの昔を思い出してしまい、のりがよくなったり悪くなったり・・・人はみな、過去を背負って生きているものなのかもしれません。


思い出とは何か・・・精神分析とか深層心理学の巨匠といえばフロイト、ユング、アドラーですが・・・このうちフロイトとアドラーでは思い出の解釈と扱いがまるで違う。
フロイトにとっては思い出は今日うまくいかないことの原因としての心の傷。たいしてアドラーは今日自信を持って生きてけるよりどころとなっている心の支え。ベクトルがまるで逆。

こうした中で気になること・・・
少し大きなプロジェクトなら何人かのチームとして開発することになりますが・・・一人が誇りに思っているプロジェクトが違う人には二度とやりたくないものとして記憶されているなんてことが、何かの会話の弾みに解ってくることがあります。

こうした食い違いは当時の役割や立場が違いからくるのか、心の持ちようも影響しているのか・・・理由は何であれ、記憶のベクトルが今日ののりや挑戦意欲に影響るものだとすると・・・
過去をホジくり返し蒸し返すといった意味ではなく、時々は話し合って過去を再解釈するってことはいいことなのかもしれません。

トラウマに近い記憶を一つでも二つでも今日につながる価値あるものとして再解釈できるなら・・・人はもっと自由に前向きに明日を考えることができる・・・そんな感じもするのですが・・・(2007.4.14)
by c_mann3 | 2008-04-14 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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