◆まぶしく輝いていた国・・・日本、アメリカ

〔2007.4.22載〕本日付の朝日新聞コラム欄によると・・・
先住民で初めて大統領となったボリビアのモラレス氏が来日。天皇陛下と謁見し感動、安倍総理とも会見。
総理との会見では欧米とは異なる伝統を大事にし平和尊重や環境の面で世界の模範となる価値観を持った国と日本をたたえ、これから制定する新憲法には日本と同様の「戦争放棄」を盛り込むとの考えを示したとか。

ボリビアに限らずいろいろな国で多くの人たちが、かつてのアメリカや日本を尊敬し、兄と慕っていたという話はよく耳にします。

ずいぶん昔の話ですが、東西冷戦の時代に時折紹介されていた「ソ連映画祭」で見た映画の中で、なんとも意外で印象的なシーンがありました。帝政ロシアが崩壊し夜明けは迎えたがまだ次の世界がよく見えなかったころのソ連邦で、素朴な農村の人たちが新しい時代に向かって勉強をと、なぜか英語にとりくんでいる。そこでテキストに描かれているワシントンを英国から独立を勝ち取った英雄として、まるで天を仰ぎ見るようなまなざしで感心しているシーンがありました。
似たような話はベトナムにも・・・ホーチミンが尊敬していた人はなんとワシントン。

日本でも・・・清国末期のころ列強に支配されない新しい国づくりを目指してたくさんの中国の若者たちが日本に留学していた時代がありました。

英国から独立を勝ち取ったアメリカ、維新を成功させついに列強に支配されることのなかった日本・・・16世紀から19世紀にかけて植民地支配に苦しんでいた各国の人たちにとって日本やアメリカは“話せばきっと分ってもらえて、助けてももらえるに違いない兄貴分”だった時代があったようです。

それは左とか右といった次元の問題ではなく、しっかりした価値観や伝統に基づき民族や人民の尊厳を貫く姿に明日の自分をオーバーラップさせたものだったのかもしれません。
ですがやがて思いは打ち砕かれる。・・・慕うアメリカに相手にしてもらえなかったベトナムはソ連と手を結ばざるを得ず、日本に来ていた留学生たちはすべて国外退去に追い込まれ、気がつくと追い討ちをかけるかのように自国に踏み入ってくる日本の軍隊。

まぶしく輝いていたころがあった国・・・日本、そしてアメリカ。
だが熱いまなざしで見つめられていたころはその自覚がなく、そうした人たちの希望を打ち砕いてしまった国・・・日本、そしてアメリカ。

そしてなぜか今頃になってかつての美しい国、清く正しかった時代への回帰に目覚めた国・・・日本、そしてアメリカ。
ですがその回帰先がどうも怪しく、回帰の手法もちょっと強引。

すでに川を越えてしまったアメリカはともかく・・・何によって輝くべきかを考え始めた日本が道を誤らないように・・・そして失望と敵意の輪をこれ以上広げないように・・・今ならまだ間に合うのかもしれません。

-----------------

(2009/2/8追記)・・・憲法改正、チェ・ゲバラ
モラレス大統領の新憲法案がついに国民投票で承認されたようです(1/27)。先住民の権利拡大、先住民の言語も公用語化、下院議席に先住民枠と画期的な内容とのことですが、白人層との対立は続いたままだとか・・・
おりしも今、日本ではチェ・ゲバラの映画「チェ、28才の革命」、「チェ、39才 別れ」の2部作が公開され好評を博しています。ゲバラは1966年、ボリビアに潜入しゲリラ活動を開始はしたもの機は熟さず、共産党の協力も住民の支持も得られぬままあえなく玉砕・・・

処刑される前の尋問で受けた「この革命は失敗だったとは思わないか」との問に、「ボリビアの人民はこの失敗をきっと教訓にしてくれる」とつぶやいていたのが印象的でしたが・・・それから40年余りを経てついにその日を迎えたということなのでしょうか。

(2010/10/11追記)・・・どうやらイランも
最近読んだ感動的な本、春日孝之さんの「イランはこれからどうなるのか」新潮新書384・・・この中でもホメイニやイラン国民が実はアメリカが好きだったといった話が出てきます。アメリカは本当に好意を持っていてくれていたいろんな国を敵に回していそうです。
by c_mann3 | 2016-06-06 00:00 |  ・・・風にまかせて・・・ | Comments(0)
<< ◆国家戦略・・・ ◆謝らなくなった日本人・・・ >>