◆ギャラップQ12・・・これが答えだ!《続》

会社人間が多く、組織への帰属意識が高いことが日本の特徴と思われていたはずなのに、ギャラップの調査Q12では評価が高くない。

もしかしたら、ギャラップがQ12で測定しようとしている帰属意識は日本のそれとは異なっているのかもしれない・・・この調査項目を眺めていて、ふとそんな感じがし始めました。
ギャラップ社が想定している会社への帰属意識は日本のそれより、もう少しジョブ・オリエンティッドな感じがします。対して日本人の帰属意識は和気あいあいと集う、もう少し村社会的なものだったのかもしれません。

ですがそうした違いがあったとしても以前の日本なら、かなりの項目、特に⑤~⑧などは日本的な理解でも高い得点が得られていたのかも知れません。
例えば⑤の“誰かが気にかけてくれている”とか⑥の“誰かが成長を促してくれる”といったものは・・・年功序列や古い付き合いだからといった配慮に温かく包まれいても高得点になる可能性はあった。
ですが、現在の日本ではそうした幻想が成り立たちにくくなり、帰属意識はよりどころを失っている。

◆才能を開花させる仕事・・・
もうひとつ、この本が繰り返し語っていることは好きな仕事をしている人が成果も大きいということ。成果はスキルだけでは達成されない。メンタルなものやその人固有の才能が肝要。

ギャラップ社の言う才能とは15才ぐらいまでの間に脳内ニューロンに組み込まれた性向といったもので・・・“かかわり合う、影響を与える、努力する、考える”・・・の四つに大別され、その詳細が全34項目(下端追記をご参照ください)としてまとめられている。
訓練で高められるスキルとは違って、才能は簡単には変えられない。才能を掴み、仕事をそれに合うように持ち込んでいくことでのみ人の性能は極限まで高められる。

適性も無く興味もわかない仕事に就かせるために費用をかけてスキルを研修させたり、その人の個性(才能パターン)に合わないマインド研修をするなどは無駄。
したがってマネジメントの基本は才能と職能をマッチングさせ、いかに仕事で才能を開花させられるかだとか・・・

それを前提とした上でQ12は質問シートであるだけでなく、人と仕事を新しい関係に持ち込んでいく手順を示したパスでもあり、なんとギャラップ・パスと名前までついている。

実態はエクセレントな企業といえども才能と仕事がマッチし高い性能を発揮している人は20%(これってGEのクラスA人材とよく似たイメージと数字なんですよね)、これをギャラップ・パスで倍にすることができるなら・・・業績はとんでもなく上昇する。

だが問題はパスを使ったとして生まれ変わる人がどれだけ確保できるか・・・
意欲や帰属意識は長くいればいるほど低下し、ついには会社に反感を覚えるようになる・・・といった表現も見られ、職場や職位によってはどうしてもマッチングが取れない場合もありそう。

この本ではだから採用時の見極めが大事といった表現になり、GEのウェルチの流儀なら下10%には退職を勧告といった話になるのでしょうが・・・
一斉募集の均等リストラはあっても指名解雇までは無理な日本では意欲の無くなった人を活性化させることには限度がある。

もっとも20%の上位集団を30%にするだけでも効果は絶大と思えばいいのかも。そしてそれで良しとするならばギャラップ・パスはトライしてみる価値があるのかもしれません。(2007.5.18)


◆(2010/10/01追記)仕事の才能、全34項目・・・

面白いリストなのですが、本の表をコピー掲載するわけにもいかず困っていたところ、Web上でもリストを発見しました。
題して「ビジネスインテリジェンス講義におけるStrengths Finder 実施結果」
http://ir.acc.senshu-u.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1786&file_id=15&file_no=1

専修大学の方の論文ですが、その中の表1。翻訳の違いなのか項目区分の表現等で若干の違いはありますが34の詳細項目はほぼ同じ内容です。じっくり見ていくと私などはかなりの項目が欠落していそうなのに今日までクビにもならず、有難いことです。
by c_mann3 | 2009-06-14 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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