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◆能動夢、能動的想像、覚睡夢・・・

【2007.8.15】 ユング好きなどと言っていながらいわゆる「夢分析」といったものには興味が無い。ところが同じ夢でも「能動夢」となると俄然興味が湧いてくるから不思議です。

「能動夢」・・・意味するところは能動的想像、アクティブ・イマジネーション、覚睡夢、Lucid Dreaming、明晰夢・・・いろんな呼ばれ方をしているものと類似なのでしょうが・・・通常の夢との違いは意識の関わり方。

夢の源である無意識の表層部(意識との境界層)には大別して二つのものが渦巻いている。
ひとつは人の立ち振る舞いの中で、それへの補償として無意識の下層部から湧き上がり意識層に迫ってくる心的なもの。
もうひとつは断片的な知識や思考のカケラであり、毎日おびただしく取り込まれる情報やちょっとした思考のうち、意識の層では保持しきれないものが無意識層に沈み込み流動的な知識として渦巻いている。

もしこの渦巻くものを意識で再び取り込み、その枠組みの中に融合させることができるなら・・・
心的なものは人格統合や個性化の促進につながり、断片的な知識は理系文系の領域を問わずいろいろな創造物が生成される素となるに違いない。

ところでこの無意識の表層部にある種々のものは意識の希薄になったところをめがけて顔を出す。これは例えるなら地殻の薄いところや亀裂をめがけて浮き上がってくる地底のマグマといったところでしょうか。

希薄な意識、そのひとつは睡眠中・・・そこで人は夢を見る。ただこの場合は意識全体が希薄なため、意識はうまく無意識のメッセージをキャッチできず、せっかくのイメージもうたかたのごとく消えていくしかない。

ですがもし幾ばくかの意識を残した状態で夢を見ることができるなら・・・意識と無意識を遭遇させることができる。
ここに覚睡とまではいかなくても半覚睡で夢を見ることの意義がある。

さらに論を進めると・・・意識が無意識をくみ上げる手段は夢に限らない。意識を何かに集中させることで、手薄になったその背後に意識の希薄なスポットを作ることができるなら、そこに無意識が顔を出す可能性がある。そのスポットを積極的に作り出すのが瞑想、錬金術、そして何かに夢中になることや音楽療法などの種々の精神療法といったものなのかもしれません。
   (こうした意味での錬金術についてはこのコーナーにも別掲記事が・・・)
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さらに能動夢やアクティブイマジネーションについてはサイト上でもいくつかの記事が・・・

◆まずは大阪大学、老松克博さんの著作「無意識と出会う」。“ユング派のイメージ療法 アクティヴ・イマジネーションの理論と実践1”と副題のついた本の抜粋がネット上に・・・
  http://www.transview.co.jp/21/text.htm#00
  ・・・このサイトは現在つながりません・・・

◆もうひとつは富山医科薬科大、斎藤さんの「実体験される夢 -意識と無意識の交流形態-」
  http://www.nuis.ac.jp/pda-j/doc/00005/euc.txt 
  ・・・このサイトも現在つながりません・・・

この記事ではいわゆる《夢》と《能動的想像》の中間概念として《実体験される夢 Lucid Dream》が取り上げられています。能動的想像が覚睡中の作業であるのに対してLucid Dreamは、目覚める直前の中間覚醒で作用するものだとか・・・

この二つはいずれも無意識から湧き上がってくる心的なものを扱ったものなのですが、さらに夢全般を包括的に扱った本を発見しました。詳しくは次の記事で・・・
by c_mann3 | 2007-07-16 00:00 | Comments(0)
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