◆中国の「こども民主主義」・・・

[2007.10.31載] 先ごろテレビで「アメリカ流民主主義が世界の民主主義なのか」という切り口のドキュメンタリーシリーズが放映されていましたが、その中の「中国のこども民主主義」は圧巻でしたね。

小学校低学年のクラスの学級委員長を選挙で選ぶ一部始終のドキュメンタリーなのですが・・・
まず子供に選挙なんてものを教えてしまって一党体制は大丈夫なのか?などと思ったのですが、さすがよくできている。
まず先生が三人の候補を指名してその中での選挙。これだったら現在の「全人代」の定員プラスアルファを指名し、その中で選挙する方式と同じになる。

で、いざ選挙の準備が始まるとすごかった。一人っ子政策もあってか親の子供に対するまなざしは熱く、候補になった子供の親はかかりっきりでコーチを始めるが、そこで交わされるやり取りがすごい。
「敵にどんな非難を受けても絶対に感情的になってはだめ。冷静に論理的に反論するのよ」
「相手を攻撃するときは鋭く短い言葉で一挙に突くのよ」
そしてついには「これは国家主席への第一歩なんだから!」なんて言葉も・・・

そんなコーチを受けた子供たちがディベートを始めると激しすぎて泣き出す女の子とそれを叱咤激励する親。助手を使って相手の演説をやじりつぶさせる子、親が職場の職権を利用してクラス全員を見学ツアーに招待したり、演説の後でグッズを配ったり・・・

そんな中で、かまいすぎる親に反発は示しながらも自身でも次々と危なっかしい作戦を立て、友達を巻き込み戦いを進めていく子供たちのきらきらした表情が妙に印象的。

とはいうもののやっていることは日本の感覚で言うと選挙違反のオンパレード。これを非難するのは簡単ですが・・・小学校の低学年からあらゆる手段を使って相手を倒すテクニックを叩き込む中国。そういえばアメリカなんかでもディベートは学校の必須科目だとか・・・

対して日本。塾通いで知識は詰め込むがむき出しの闘争心や感情をコントロールする訓練の場はない。塾の世界と学校は奇妙に価値観分離。競争心や闘争心といったものは塾に閉じ込め、学校ではクラス全員が仲良く、できるだけ争わず、競争状態になることを避け、極端な場合は一時期運動会の徒競走を手をつないで走る学校があったりした日本。

「感情的になってはだめ。冷静に論理的に反論するのよ」には程遠く、甘えが通らないと一挙に切れるか、黙りこくって閉じこもってしまう。感情と冷静な論理を縦横無尽に出したり引っ込めたりして粘り強く我を通す訓練の場があるようには見えない。

こんな子供たちがやがて大きくなって、政治でも仕事でも国際舞台で対峙したとき・・・勝負になるんだろうか?なんてことがひょっと気になったドキュメンタリーでした。

これってもしかしたら・・・「アメリカ流民主主義が世界の民主主義なのか」以前の問題として、意外に大事で基本的なことなのかもしれませんよね・・・
by c_mann3 | 2016-01-09 00:00 |  ・・・風にまかせて・・・ | Comments(0)
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