◆CIAの「仕事に役立つインテリジェンス」・・・

前掲の記事(ひとつ上にスクロール)で紹介している「意思決定の技術」によく似た新しい本が出ています。

題して「仕事に役立つインテリジェンス」、副題が“問題解決のための情報分析入門”。北岡元著、PHP新書511。たった700円の新書版なのですが、実によくまとまっています。

インテリジェンスとはおびただしい情報から生産され、私たちの行動や判断を左右する知見のこと。

この本は米情報機関CIAの分析や判断事例を基に情報分析の特質と確度を高める方策をまとめたものなのですが・・・
情報分析はアートと称して直感に頼るベテラン分析官、対してそこに統計や確率論をベースにサイエンスを導入する立場。その双方の落とし穴や限界を豊富な認知科学の実験を積み上げて検証し、より確度の高いインテリジェンス生産のあり方を提言していて、会社の中の情報分析でも参考になる事項が満載です。

サイエンスでは超えられない壁をアートは乗り越えるが、アートには認知科学で実証された数々のバイアス(思い込みなどの人固有の思考のブレ)がまとわりついている。結論としては情報分析にはアートとサイエンスの融合が必要ということのようです。

誤判断のリスクに満ちたCIAの情報を元に戦争を始めてしまう米国はとんでもない国ですが・・・一方においてやがて誤謬とわかるとそれを徹底的に糾弾しそのプロセスを分析する。それを認知科学者が実験で裏付けし、こうした領域をも科学としてまとめていくのが米国のすごさなのかもしれませんね。(2008.4.28)
by c_mann3 | 2010-01-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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