◆「うちのシステムはなぜ使えない」・・・

ひとつ上(にスクロールしたところ)の記事「SEはアートな世界」を切り口にSEについて思うところをいろいろと書こうとしていたのですが、なせぬままに時間がたってしまっています。
書くことを諦めたわけではないのですが、現実のSEの世界はアートとはちょっと距離のある失敗と揉め事の山なのかもしれませんね。

そんな雰囲気を見事に描いた本「うちのシステムはなぜ使えない」が出ています。副題が“SEとユーザーの失敗学”、岡嶋裕史著、光文社新書341。

簡単な仕事なら市販のOAソフトで間に合うがそれ以上のものとなるとシステムハウスなりシステム構築部門に仕様を提示して作ってもらうしかない。ところが実際に使うユーザーとシステムを作る人では日頃使っている言語も思考方式にも想像以上の距離がある。

その間をつなぐのがSEのはずなのですが、その職能が必ずしもうまく機能しない・・・で、いろんな悲喜劇が生まれることとなる。話は別にOA系に限らない。基幹商品の制御システムでも事情は同じ。

この悲喜劇の実態をSEという人種、その職能、それを取り巻く種々の都合といったことを切り口に解明した力作でであり、あまりに鋭い表現にひと事のように笑いながら読んでいるうちに、やがて身につまされて目に涙が浮かんでくる感動的な本です。

OA系、制御系を問わず、仕様を立案し発注する人、ソフトを作る人、出来上がったものを使う羽目になる運用系の人といった立場を問わず、何がしかソフトと関わりのある人には一読の価値がある一冊でした。(2008.7.20)
by c_mann3 | 2008-11-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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