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◆電力会社がなぜソーラーを・・・

[2012/1/16記]全量買い取り制度の追い風もありソーラー発電が普及しつつあり、メガソーラーについても建設のニュースが相次いでいます。
こうして自然エネルギーの比率が少しずつ増えるのは素晴らしいことですが、それが電力会社によるものとなると素直に拍手をできない違和感を覚えてしまいます。

メガソーラー・・・それはつまり1000kWの発電所ということ。そしてそれは街中の工場の片隅で回っている常用発電機のほんの1機分でしかない。
メガソーラーは1万平米の土地と7億円の投資をかけ天気の良い昼間しかメガを確保できない。対して常用発電機なら数十平米の面積と1~2億円の投資で必要なら24時間365日メガ発電できる。

毎週のように百万kW単位の原発が停止していく状況の中で、電力会社には目の前の巨大な穴を埋める供給責任があるはずですよね。

メガソーラーにかける資金と土地があるならば、それをストレートに最大限の電力を安定確保できるシステムに投じてほしい。
ソーラーは孫さんや各家庭がなげなしの資金と志をつぎ込み長期のスパンで挑戦している。小規模な分散電源や四苦八苦の節電は電力のユーザー企業や家庭が自衛を兼て頑張っている。

それぞれがそれぞれの立場で頑張っているのだから、電力会社は電力会社でなれれば背負えない、そして電力会社だから背負うべき規模の電力確保に特化してほしい。ここ当面は電力会社は資金効率が悪く、規模確保の即効性に乏しい自然エネルギーに手を出すことはあえて自粛し、持てる資源の全てをかけて原発停止に見合った規模の供給力確保に邁進してほしい・・・そしてそれは百万kWクラスのLNGコンバインドサイクル火力発電所建設なんじゃないか。

業を煮やした東京都が100万kWのLNG火力発電に名乗りを上げている。拍手喝采すべき朗報ですが、肝心の電力会社からはそうしたニュースが流れてこない。

ちょっと矛盾する言い回しですが、電力会社が大規模LNG火力の建設に一斉に着手するならば、それを担保に“まずはここ当面に限った(今年の夏に間に合う)原発再稼働”への賛意も得られやすいのかもしれないなどと思ったりも・・・


◆それにしてもソーラーは今・・・

ソーラー自体には何の異論もないのですが、どう考えてもソーラーは原発の代替エネルギーにはなりえない。なのにどうしてこうまでソーラーがもてはやされるのでしょうか。

思うにこれは菅総理が“脱原発、その穴埋めは一千万の家庭にソーラーを設置することで可能”と叫んでしまったためにソーラーが原発の代わりになるかの幻想を持ってしまったことに原因があるのかもしれません。
一千万の家庭にソーラーを設置すれば確かに原発30基分の出力になる。だがそれは晴れた日の昼間に限ったことなんですよね。日が沈むとエアコン、電車、工場の操業・・・すべてを止めるのなら別ですが、ソーラーは止まった原発の置き換えにはならない。

だったら蓄電との組み合わせといった話が出てくるのでしょうが晴れた日に蓄電の分まで発電しておこうとするとさらに数倍(1÷稼働率12%⇒8.3倍)のソーラーと、とんでもない容量の蓄電設備がいる。

結局脱原発を言うならそれに見合った容量の火力発電を用意するしかなく、ソーラーは晴れた日にその発電設備を稼働させずに済むぶん、燃料とCO2の削減に貢献するという位置づけなんですよね。ですからソーラーをいくら積み上げても置き換え火力の設備容量を減らすことはできない。


そんなソーラーが今手厚く優遇されています。

設備導入に補助、運用が始まると全量買い取りでさらに補助。これでは儲からないはずのものもペイするものになってしまいますよね。で、期待通りどんどん普及する。設置者がペイしている一方で税金(補助金)はどんどん消耗していく。
でもそれが意図した目的の達成につながっていればいいのですが、ソーラーの場合はCO2削減にはなってももっと緊急の課題であるエネルギーの確保には役に立っていない。むしろエネルギーの確保にも役立っているような雰囲気が漂っているため、目の前の危機への対応がかすんでしまっている・・・それが問題なんですよね。

もし今ソーラーに出しいてる補助金をそのまま(比較的CO2の少ない)ガス発電に振り向けで今のソーラーのように普及に弾みをつけることができるなら、それは今夏、来夏の電力危機の緩和に確実に繋がる。そしてソーラーへの補助はその後なんですよね。

電力会社には“100万kW単位のLNG発電を”と書きましたが、補助金を出すなら小口の自家発電でも小規模IPPでも何でもいい。設備補助をし、全量買い上げなどしなくても燃料費補助をする。それで導入する人はペイするようになり、その補助金(税金)はダイレクトに夏の電力危機緩和につながっていく・・・と思うのですが。

      ⇒⇒▼新着記事渡り歩き⇒⇒
by C_MANN3 | 2005-05-15 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆原発事故、CO2・・・二つの脅威

[2012.1.5載]朝日新聞で連載中のインタビュー2012、一昨日の1/3は「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」の著者ジャレド・ダイアモンドさんでしたね。12項目にわたる人口、環境問題の一つでも対応に誤れば文明は崩壊の危機に陥るとさすがに含蓄のあるお言葉が満載なのですが、その中でなんと“原発事故のリスクよりもCO2のほうが文明へのダメージがより大きく深刻”だと・・・

実は私などは出口の見えない原発事故の後始末を目の当たりにする一方で、止まるだけ止まって不足する電力、でもそれをいきなり自然エネルギーでカバーは量的にも時間的にも無理だとすると・・・

①まずは100万kWクラスのLNGコンバインドサイクル発電を
  あちらこちらで早期に立ち上げる
②立ち上がるまでの数年間は必要限度に原発再稼働と節電
③そしてその向こうの10年先が再生エネルギーの本格出番

CO2は排出義務国ではなくなることもあり、当面トーンダウンやむなし等と思っているのですが、数千年のスパンでの文明の興亡をみているジャレドさんのような方に原発リスクよりもCO2と言われると・・・?!?!改めて悩んでしまいますよね。(2012.1.5)


なお、ジャレド・ダイアモンドさんの「銃・病原菌・鉄」については別掲記事があります。


 “⇒⇒新着記事渡り歩き⇒⇒”はここまでとします。
あまり古い記事に新着というのも変ですよね。

by C_MANN3 | 2005-05-14 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆この冬の節電状況推移

[2012.2.15更新終了]原発が順次止まったまま動かない中で寒さはまだまだ続きます。そうした中で各電力会社管内の節電状況はいかほどなのかが気になるところであり、昨年の夏に続いてこの冬も電力会社のホームページで公開されているデータをもとに節電状況を集計しています。このページは三月の半ばまで定期的に更新しますので折に触れてご参照頂ければ幸いです。[2012.1.8開始]

◆東京電力管内
下図は毎日の最大電力の前年相当日との対比と、毎日の平均気温の前年相当日との差、そしてさらに電力の余裕率(=1-使用率)を推移グラフにしたものです。
b0050634_2323245.png
最大電力の増減と気温の差が見事に相関を持っていることがわかりますが・・・

上記グラフの内、直近4週間を見ますと最大電力は前年相当日対比で平均96%(4%の節電)となっていますが、この区間の平均気温が前年相当日に対して0.8℃低下しています。別途相関を見ますと気温1℃当たり2.0ポイント(%)の変化がありますのでそれを考慮すると結果は現在、
前年対比4%の節電状態で推移しており、
余裕率(1-使用率)は現在平均で12%、最緊迫日で8%となっています。

なお、東京電力ホームページの電力グラフはこちらに。

◆関西電力管内
関西電力管内についても同じ分析をしたいのですが、昨年度の時間データが公表されていないため毎日の“でんき予報グラフ”にメジャーを当てて測るしかありません。そのためやや不正確な分析となりますが、グラフ化すると下図のような推移となっています。
b0050634_2323365.png
上記グラフの内、直近4週間を見ますと最大電力は前年相当日対比で平均97%(3%の節電)となっています。この区間の平均気温は前年相当日に対して差がありません。したがって今回は気温修正がなく結果は現在、
前年対比3%の節電状態で推移しており、
余裕率(1-使用率)は現在平均で16%、再緊迫日で7%となっています。

なお、関西電力ホームページの電力グラフはこちらに。

▼2月に入った1~3日は列島を超寒波が覆い、それにあちらこちらの発電所事故が重なり緊迫した場面もありましたが、今のところ何とか無事に乗り切ったという感じです。
もうしばらくは寒気が続くようですがそんな中で余裕率は東電、関電ともに無理な節電がなかったとしても乗り切れていた結果となっていますが、今回のように事故が重なると余裕が欲しいことは確かです。

--------◆各電力会社のでんき予報◆----------
九州  中国  四国  中部  北陸  東北  北海道

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by C_MANN3 | 2005-05-13 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆今冬は関西圏が電力需給タイトに・・・

[2011.12.18載]急な冷え込みと緩みの波を繰り返しながらも列島は容赦なく本格的な寒さに向かっています。
そんな中で一昨日、また一台原発が定期検査に入りました。列島としては54基稼働していたものが残りあと7基。
原発比率の高い関西電力圏に至っては11基あったものが残り1基に・・・そして明日から10%の節電要請期間に突入します。
にもかかわらず、議論されているのは事故原発の後始末の話ばかりで、再稼働の基準めいた話も、脱原発の代替電力確保の(10年先ではなく、ここ数年の)現実的な議論もないまま今夏に続いて今冬も景気の低迷による需要低下と市民や産業界の節電をあてにした無策放任のまま、再度節電を強いられることに・・・(2011.12.18)
by C_MANN3 | 2005-05-12 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆東京電力管内、H23夏の電力状況◆

[2011.9.10更新終了] 計画停電廃止の直後より東京電力管内の電力状況を推移グラフにし更新してきましたが、一段落ということで9/10で更新を終了しました。
b0050634_13622100.jpg
グラフは上から順に・・・
▼日電力量・・・昨年の日電力量(一か月平均)と今年の毎日の日電力量を対比
  しています。
▼そして肝心の最大電力・・・昨年の各月の一か月間の最大電力と今年の毎日の
  最大電力の対比です。
▼都内最高気温・・・気象庁データによる毎日の最高気温です。
▼最大点の時間帯・・・毎日の最大電力が記録された時間帯を■で示しています。
  
なお、東京電力ホームページの電力グラフはこちらに。

--------節電中の経緯----------

◆8/16◆原発再稼働の援軍がない中で明日からいよいよお盆明けの最後の山場を迎えます。ただ、東電よりも関電や東北電力の管内が危なくなってきました。

◆7/22◆それにしても台風の威力って凄いですね。気温が一挙に10度近く下がり、信じられないようなグラフになってしまいました。しかも2日連続です。
◆7/20◆台風6号の接近で気温が急低下し、状況が一変しています。一方原発1基の故障停止で今度は関西電力が需給ひっ迫、政府は関電管内にも10%の節減要望を出す事態に・・・

◆7/10◆7月に入り輪番操業を含めた節電が本格化して1週間が経過しました。上のグラフでは気温の影響が大きくて分かりにくいですが、別途分析すると効果は顕著。前年の7月に対して最大電力は15%前後の減。しかも平日と土日の平滑化が著しく進展していますが、詳細は稿を改めて一つ下の記事に…

◆7/03◆しばらく留守にしていたため、久しぶりの更新です。その間、7/29に最大値を記録、7/1以降は工場の輪番操業が始まり、東京電力のホームページの表現も一変し供給力見込みも更新されています。
◆6/24◆都内の最高気温は32.7℃でしたが管内では今日も猛暑日が続発し、最大電力は4389万kWに。
◆6/22◆この日、ついに最高気温が30℃を超え31.9℃となり、最大電力も4000万kWを超えて16時台に4129万kWとなりました。ですが、最大電力は昨年同月の最大電力に対して20%減の状況です。

--------◆各社のでんき予報◆----------

7/1以降東京電力以外でも毎日の電力状況がホームページに掲載されていましたが今後順次終了するものと思われます。
九州電力  関西電力  中部電力  東北電力

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by c_mann3 | 2005-05-10 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆電力節減、知恵と我慢の成果・・・

[2011.7.12掲載] 7月に入り輪番操業を含めた節電が本格化して1週間が経過しました。ひとつ上の記事で紹介しているグラフでは最高気温の影響が大きくて成果の詳細が分かりにくいため、東京電力の管内で下図のような分析をしてみるとその効果は顕著。

この図ではまず、毎日の最大電力を回帰式を使って最高気温が30℃の場合の値に換算してみました。その上でH22/7月とH23/6月の曜日別4週間平均をグラフ化し、その上に今回の7/4から始まる1週間の値(これも30℃で換算)を重ねたものです。

結果は、前年の7月に対して最大電力が先月で17%、この1週間でも14%の減。しかも平日と土日の平滑化が著しく進展しており、昨年の土日は平日に対して16%落差がありますが、この落差が先月は7%に、そしていろいろな業界が本格的に休業を土日から平日に移した先週はなんと2%の落差まで平滑化されています。

b0050634_055717.jpgこれは産業、民生、家庭、すべてのセクターが一体となった知恵と我慢の成果です。しかも外国人も不思議がるように極端な強制力が働いているわけでもない中での自律的な成果であることがすばらしい。

ところがここまで知恵を絞り我慢を重ねている国民へのご褒美が、なんと原発へのストレス・テストだと・・・
この夏さえ乗り切ればやがて原発も立ち上がり、この冬や来夏はもう少し落ち着いて暮らすことができ、新たなエネルギーシフトを考える余裕も出てくるのかも・・・そんな淡い期待をまたしても封じかねないストレス・テスト。
これってもしかしたら、ないがしろにしてもどこまで我慢し耐えるかといった国民へのストレス・テスト?!・・・だとしたらこんな国民に対して失礼ですよね。(2011.7.12)
by c_mann3 | 2005-05-08 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆あっという間の浜岡原発停止

[2011.5.16掲載] 政府は今夏の電力削減を15%と決定しました。

当初は25%が必要とされていた削減量に対して、危機感を持ったいろいろな業界やセクターの総力を挙げての削減計画の練り上げや前倒し施行で目途が見えたればこその15%決定だったはずなのですが・・・

そんな矢先に唐突に出てきた浜岡原発の即刻停止の話。

停止理由は“東海地区では30年以内にM8クラスの地震の可能性が87%で極めて切迫”しているためだと・・・その可能性確率にも、原発をいったん停止して地震や津波の対策を強化することにも全く異論はないのですが、やっと目途が立ち始めたとはいえ不安のあるこの夏の直前の今、なぜリスクを増やす停止をするのか、合理的な政策判断としてはあまりにも不自然で唐突で、もしかしたら何か他の意図があるのではなどと思ってしまいますよね。

そもそも“30年以内にM8クラスの可能性は87%で極めて切迫”という言い回しが不自然。30年確率といったロングタームの数字の後に《切迫》と続ける言い回しはレトリックを越えてトリック。

30年確率はこんな場面で使うべき数値ではない。《87%の数字》と《切迫》の文字がリンクしてしまっているが、30年以内に87%との数値は4か月以内の確率に換算したらその可能性は?
もし“4か月以内にM8クラス発生の可能性は1%ですが(極めて切迫?していて)、秋まで待てないので即止める”と言ったら国民や業界はこれ程あっさりと諦めたでしょうか? 1%に“極めて切迫”の修飾は似合わないですよね。

このブログの一つ下の記事でも取り上げているのですが、中野剛志さんがその著「TPP亡国論」の中で日本ではある種のキーワードに出くわすとまるで電気回路のブレーカーが落ちるように一瞬にして合理的な思考回路が停止し、乱暴な意見がまかり通ってしまうと述べておられますが・・・この時点での浜岡原発停止にも似たものを感じてしまいます。  

今回の事態を目の当たりにして“原発は廃炉、補強、代替切り替えを含めて見直しが必要”であることは間違いない。だとしても今夏の電力不足のリスクを高め、しかもそれを全国に広げてしまってでも、この秋が待てないほどの話ではない・・・とは思うのですが。(2011.5.15)


◆案の定・・・(2011/06/23追記)

いよいよ緊迫の夏が間近になり、経済産業大臣が停止中の原発再開を要請し始めましたが権限を持つ各知事が反発。 こうなることが解っていてなぜ浜岡を止めたのかとあらためて思わざるを得ません。間際の要請が通らず右往左往する大臣や政府は自業自得。ですがそのしわ寄せは結局苦慮する知事や、節電我慢の国民、綱渡りの産業界にのしかかるんですよね・・・

そんな中でますます高まる脱原発の声・・・ですがその置き換えがソーラーを1000万所帯にといった自然エネルギーでは、どう考えても規模や猶予時間が釣り合わない。本気で、しかも猶予が5~6年での脱原発なら、まずは100万kW単位のLNG火力発電所を全国で10ヶ所を超える規模で即着工。その上でじっくりソーラーというなら現実的で理解も信用もできるのですが・・・なのにLNG火力の建設に政府が資金を投入するとかいった話はなぜか聞こえてこない。
by c_mann3 | 2005-05-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆今夏の計画強制停電阻止・・・

[2011.4.3掲載] 東京電力の計画停電は気温の上昇や節減効果でこの一週間は無停電と小康状態を迎えています。ですがそんな中で政府やマスコミから危機をあおる悲観論ばかりが流れているせいなのでしょうか、今年の夏は再び計画停電が避けられないとまるで自然災害のように諦めている風潮が気掛かりです。

危機感を持った自動車工業会や経団連は自主低減計画の調整を本格化させつつありますが、対して政府は電気事業法27条による強制割り当てを検討と。
ですが今回はエネルギー危機ではなく発電所の最大出力が不足することでの危機。ピーク電力(kW)の低減と電力量(kWh)の削減では意味合いも方策も異なりますよね。

石油ショックの際以来使われたことのない古びた法の執行が業界が自主的なピーク電力低減の知恵を出す邪魔にならないように祈りますが、企業や家庭の叡智を信頼し正確な情報に基づく協力依頼をするならば必ずこの夏は乗り切れる。そんな勝手な思いを整理してみました。


▼操業を低下させない輪番操業・・・
例えば土日を定休日としていて平日と休日のピーク電力が3~4倍違う業界の場合、業界で自主的に輪番休日をとると操業度は全く落とさずに、単純計算でもピーク電力は20%下がる。対して個々の企業に毎日一律に低減させる命令を出すなら操業度を下げざるを得ない。

そしてこの輪番運用は業種によって一律ではない。
例えば連続操業が必要なプロセス工場は大形夏季休業を7~8月の間で輪番実施すればよいし、ショッピングセンターは必ずしも輪番休業しなくとも午後1~4時を休業にし、それを輪番にするのも手。開店、閉店をずらしても意味が無い。

とにかくポイントは極力操業度を落とさずに、個々の企業ではなく業界トータルでのピーク電力を下げる方法をひたすら生み出すこと。そのためにも電気事業法執行の際は業界の輪番操業効果を認めて頂けることが必須です。


▼もし料金制度を変えるなら・・・
与謝野経済財政担当相が家庭用電気料金の値上げに言及していますが、それを言うなら業務用、産業用は一瞬のピーク電力(契約電力kW)に比例させて通年取り込んでいる基本料金を、今夏の業界平均の削減量に応じて割り戻す“値下げ”を検討しては如何?


▼常用発電機の活用・・・
工場や病院では大出力の常用発電機を持っているところが少なくない。これを輪番休業の日も稼動してもらって買電するのも手。また燃料が重油で燃料高騰により休眠させている発電機は燃料費を補助してフル稼働させるのも一法。

合わせて出力は小さくても今夏に間に合う短納期で設置可能なガスエンジン発電、ガスエンジン空調の新規導入促進も必要。逆にオール電化住宅は当面販売自粛すべきなのかも。


▼家庭用電力でも期待は持てる・・・
また家庭用については産業用とは異なり統制が効かないにもかかわらず消費が3割を超えているのがネックといわれるが・・・だったら家庭にスマートメータとまではいわなくても簡易な電力モニターを配って“見える化”するのも手。そこに天気予報ならぬ電気予報で、現在東京電力がホームページで公開している電力消費グラフと“今夜は2割節減を”といったお願いを流せば主婦や子供はきっと協力してくれそう。


▼そして発電所はとにかく再稼動を・・・
一方でメンテ停止しているが再稼動に足踏みをしていそうな原子力発電所は安全点検を加速させ、政府が率先して再稼動のコンセンサスを得ることも必須。


今夏の電力不足はたぶん10数%から多くても20%未満。あれやこれやの知恵を持ち寄り国や業界を挙げて取組めば届かない数字ではない。そうしてこの夏、乱暴な無差別輪番停電を阻止できるなら、それは日本の歴史の輝かしい1ページとなる。そしてこの新たな仕組みが定着し、新しい国家のライフスタイルとなるならさらに良い。(2011.4.3)

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◆(2011/4/9追記)そして今夏の計画強制停電、原則不実施に・・・

春に入り気温も上昇し発電所も復旧し始め無停電の日が続いている。なのに相変わらず「今夏の計画停電は不可避、明日は実施を見送るがあさっては解らない」といったにべもない発表が繰り返えされる状況を目の当たりにし、募る思いを書き連ねていたのですが・・・

やっと昨日、東京電力と経済産業省が今夏の計画強制停電を「原則不実施」と表明しました。合わせて政府はそのための施策も発表。そしてその文面を見ると勝手に書き連ねていた上述の思いにほぼ近い。生活や経済への影響を最小に抑える意味でも、やっぱりこれしかないですよね。

その政府の対策骨格(案)はこちらに・・・http://www.meti.go.jp/earthquake/electricity_supply/0408_electricity_supply_01_00.pdf

肝心の業界輪番操業についても「同業・異業の複数事業者が共同して需要抑制を行うことも可能とするスキームの導入を検討」といった表現で取り上げられている。これでやっと国家のベクトルがそろい、強制停電回避を前提とした叡智結集の思考回路にスイッチが入りますよね。朗報です。
by c_mann3 | 2005-05-04 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆余震、汚染、電力不足・・・

[2011.3.25掲載]  大地震から2週間たってなお、先ほどもM6を超える余震のニュースが流れていましたが、被災地の皆様の大変な状況に追い打ちをかけるかのように繰り返す寒波、広がる放射能汚染・・・せめて天候だけでも早く穏やかになればとお祈りするばかりです。


▼出口の見えない福島第一発電所・・・

今回の大地震では原発のダメージが困難をさらに深刻なものにしていますが、原子炉の冷却停止は一進一退。やっと峠を越えたかに見えていたのですが復旧作業での被ばく、野菜汚染、飲料水汚染、そして土壌汚染と益々思わしくない状況となりつつあります。

それにしても福島第一発電所では、効き目のない対策が1個ずつ小出しにされている感じでどんどん状況が悪くなっていく感じも。

いろんな展開を想定して第2弾、3弾の策が並行手配されているといった“司令塔存在”の気配がない。
海外を含めて心配する周りからの技術支援や機材の提供を断ったという話は論外ですが、刻々とあらわになる事態を前にして明日あさっての状態を推し量り、必要な機材や投入のタイミングを想起する人、それに合意する人、執行する人・・・そうした人たちの連携の歯車が回っている感じがしない。

ことの発端は自然災害だったとしても、どうやらこの不可思議な展開の顛末は人災の様相が濃くなりつつある・・・
天災のようでいて人災、高度な技術マターのようでいて組織心理の問題が潜んでいそう。これでは危険を冒して奮戦している現場の人にも、広がる放射能汚染の中で逃げ場のない市民にも展望が開けない。

こうした背後に隠れていそうなものは、いずれ腕利きのルポライターやドキュメンタリー作家によってその経緯が露わになる日が来る。奥の院の当事者の方達にはそうしたドキュメントで名前が出されても恥じることの無い判断や采配をお願いしたいですよね。

市民の側は二転三転する記者会見と表に出る現象だけをただひたすら見守り、一日も早く事態が好転することを祈るしかないのですから・・・


▼加えて繰り返される東京電力の計画停電・・・

「明日の朝から実施します」と通告されて突然始まった計画輪番停電・・・交通信号、IP電話、自宅救命医療器・・・すべてを強制停止させる今回の方式は数日間はやもう得ないとしてもまずいですよね。こんなことは続けられないし方法は他にもあるはず。

とは言うものの繰り返して襲う寒波、立ち上がらない発電所を背景に計画輪番停電はスタートし、日一日と回を重ねるごとに予想通りの弊害が浮き彫りに・・・

だったらせめて東京電力は需給のひっ迫具合をリアルタイムでWeb公開してほしい・・・などとTwitterで咆えていたらなんとそれが始まりました。

30分刻みで刻々の需要と発電余力、そして前週同曜日の推移のグラフを期待していたのですが、結果は一時間刻みで対比のグラフは昨日分と前年相当日。
気温も何曜日かも判らない前年相当日では参考にはなりにくいのですが、それでも眺めていると本当に節電が必要なタイミングなどが掴める。 (そのグラフはこちらに

そして案の定、朝6時から始める不必要性も顕になり開始時間は9時から、そしてやがて昼からへと変更に。やはり「見える化」は見るほう、見せるほう双方に合理性を促すといった効果があるようです。(2011.3.25)
by c_mann3 | 2005-05-02 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

・・・“エナジー&カーボン”はさらに続きます・・・

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エナジーの話はさらに続きます。
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by C_MANN3 | 2005-05-01 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)