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◆ソーラーの効用限界・・・

[2012.8.8記] 猛暑が続いています。残暑も考えるとあと一か月は電力の心配が続きますが、どうやらこの夏はたった二基の原発で乗り切れてしまえそうです。

毎日ホームページで公開されている日内の電力グラフを見ると、どの電力会社管内でも昼間の節電効果が顕著に出ています。
かつてのように午後2~4時に大きく膨れ上がっていたパターンから山がなだらかな丘状になり、曇っている日に至ってはピークが午前11だったり、夕刻の19時台だったりしています。  (添付のグラフや表をご参照ください)
b0050634_13122896.png

▼そこで今日はソーラーの効用と限界について・・・

《まずは有効なソーラー》
 
ピークが穏やかになったとはいえ晴れた日の午後に電力消費が大きくなることは確か。ですがソーラーがあろうとなかろうと日没後の19時の電力負荷は(足らなければ原発を含めて)火力で担うことになる。

ですからソーラーで火力(や原発)の設備を低減できるのは、晴れた日の昼間のピークと夕刻19時の差の分であり、これがもし潤沢にソーラーがあればソーラーで補えるはずのゾーンとです。この範囲では(曇っているときは電力需要も盛り上がらないから)バックアップ不要の有効設備となります。

添付の表に示す通り、これを実際のデータで集計すると9電力管内の合計で概ね1000万kW、つまり今の日本では(脱原発とかの代替発電としての)有効なソーラーの容量は1000万、多く見ても1500万kW程度が限度ということになります。

《あとは余計で過剰・・・》

ところが今回の政府の原発比率の選択肢ではどの案でも2030年のソーラーを設備容量で6000万kW(年間666億kWh)としています。ですが有効ソーラーを超える分は余計、少なくとも42円で買い上げるといった過剰な費用をかけてまで設置する必要はない。 (追記⇒ドイツではこの4月からソーラーの買取価格を順次下げていき、5200万kWに達した時点で買取を打ち切るとのこと・・・)

いや、その分高い化石燃料の輸入とCO2の削減がなされるということなのでしょうが・・・
例えば既存の100万kWのLNG火力をコンバインドサイクルに改造すると効率アップで実質的に50万kWの燃料代ゼロ、CO2発生ゼロの電力を確保するのと同じ効果がある。
もしこの50万kWに見合った年間kWhをソーラーで賄うなら(設備の有効利用率12%で)定格420万kWのソーラー設備が必要となり設置費は1.4兆円となる。どう考えても得策ではないですよね。

しかも国民負担から見てもkWh当り42円もの費用を負担するぐらいなら、たとえ高くてもLNGを輸入してもらってその燃料代サーチャージを払った方が安くなりますよね。

《結局の結論として・・・》

ソーラーの買取価格は早急に適正化し普及も有効ソーラーの範囲内とした方が良い。そしてその費用で既存火力の高効率化や増強を図るべきなんですよね。それが一番確実な脱原発の出口戦略です。

8/12締め切りのパブリックコメントにはそんなことも書いてみようかな・・・などと。


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by C_MANN3 | 2005-08-22 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆風力買い取り枠満杯の裏には原発再稼働の指定席・・・

[2012.7.5載]ついに大飯原発3号機が立ち上がってしまいました。フル稼働は9日だとか・・・
ところで7/1から始まった固定価格買い取り制度、その中で風力発電がいきなり買い取り枠限度寸前だと・・・

http://www.asahi.com/business/update/0701/TKY201206300596.html
この記事へのリンクは現在つながりません。
ですがこの記事のpdfをネット上にアップされている方を発見しましたので、そこにリンクさせていただきます。


http://image02w.seesaawiki.jp/w/t/wkmt/2a33fe747344bcd1.pdf

全量買い取り制度と言っていながら買取限度枠というのも変ですが、それがいきなり満杯になる理由も不明瞭。出力変動が大きいとか、送電線に余裕がないだとか言われますが・・・それが理由ならソーラーも似たようなものだと思うのに、なぜ風力だけに枠があるのか?

不思議に思って色々と見ているとだんだん判ってきました。限度枠の裏には原発が控えているようです。
ソーラーや風力は出力が不安定。よって電力会社は出力が無くなれば電力会社の火力で補う。そして気まぐれに出力が大きくなれは火力を下げて需給のバランスを取る。
風力の限度枠を決めているのは(送電線の話だけではなくて)どうやら深夜の電力需要が少ないときに突然風力が目一杯発電をした際に火力発電の“下げ代不足”が発生することにあるようです。(その点ソーラーは深夜には発電しない)

でも本当だろうかと思って各電力会社の深夜の需要と風力買い取り枠を比較していくと一見、タップリ余裕がある?
なのになぜ?と思ったのですが、実は原発が再稼働しベースロードで運転され始めると深夜はそれでほとんどが賄えてしまって火力発電の出番が小さくなる。そこに風力の大量発電がくると小さな火力発電では下げ代が足りなくなる。

つまり風力の受け入れ限度は“深夜の需要電力-(ベースロードの原発+水力)”の値で決まってしまう。それで北海道電力や東北電力は深夜の原発ベースロードを東京電力に買ってもらって(その分火力を増やし)風力枠を広げようといった計画もあるとか・・・

そんな事情が下記の記事の中の図をクリック拡大して見て頂けるとよく分かります。
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20120703_544375.html

風力の限度枠の計算にはバッチリ、原発が全量再稼働できる座席指定が確保されているんですよね。脱原発も、減原発もまったく計算には入っていないということです。

どうやらこれ以上に風力枠を増やすためにはまず減原発が必要!

原発を一基諦める決心をするごとに100万kWの風力枠が増える。風力が普及するとおのずと脱原発が進むというのはウソ。まず脱原発(そしてそれに見合った火力発電の確保)をしなければ風力は動けないという構図のようです。

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◆(2012.10.23追記) 風力買い取り枠について今朝の朝日新聞で・・・

今朝の朝日新聞一面トップの記事には仰天しました。大見出しで“風力購入枠過少見積り・・・電力6社、原発優先を変えず”と・・・

これってこのブログ記事とそっくりの論旨なんですよね。この記事を書いた7月の上旬、固定価格買い取りが始まっていきなり風力の買い取り枠が満杯との記事が流れていた当時の新聞やTVニュースのコメントでは風力は不安定だとか、送電網が不足とか・・・ちょっと考えるだけでも疑問の湧いてくるプレス発表鵜呑みとおぼしき理由がそのまま流れていました。

それがどうして今頃になって“裏に原発の再稼働枠”といったことが一面トップの記事になるのか・・・がっかりてす。ですがやっとそれに気が付いたのか、朝日新聞が各電力会社に問いただしたところ、原発がフルに再稼働することを前提にした買い取り枠であることは認めたが、今の時点で枠を広げるつもりはない(つまり50基フルに再稼働するつもりでいる)とのこと・・・

もうどう考えても、そしてたとえ一時的にせよ、再度50基の原発が一斉に再稼働することはない。なのに電力会社は安全性の確認さえ取れれば再び以前の世界に戻れると思っている節がある。やはり日本もスウェーデンと同じように2030年にゼロかどうかといった議論だけでなく、そこに至るまでの原発再稼働の過渡期最大枠を宣言した方がすっきりする気がします。
原発は“安全が確認されて且つ必要限度”の基数が再稼働する、 従って過渡期最大でも全国で20基(基数は10でも30でも良い)を超えることはないと決めてしまうと、各電力会社もIPPも火力や風力の建設に踏ん切りがつくというものです。

ところで肝心の今朝の朝日新聞の記事は以下のところにリンクを・・・ただし会員でないと全文は参照できません。無料会員でも登録可とはなっていますが、出来ればこうした記事は一般枠で掲載してほしい。そしてエネルギー問題では技術的な背景が日頃なじみのない世界でもあり、もっと突っ込んだ分析や解説をタイムリーに出していってほしいですよね。それがマスコミの使命と言うものです。

http://www.asahi.com/business/intro/TKY201210220578.html?id1=2&id2=cabcbacd&ref=twitter
この記事にも現在リンクがつながりません。



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by C_MANN3 | 2005-08-21 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆ついに原発再稼働の首相記者会見・・・

[2012.6.8記] ついに今日、大飯原発再稼働の総理宣言が出てしまいました。

私はもともと今夏の電力危機を思うと基数、期間限定の再稼働はやむなしと思っているのですが、今日の記者会見を聞いていても安堵の念はなく、ますます出口が見えなくなる手詰まり感を感じてしまいました。

今なお出口が見えない福島原発が横たわっている以上、私の暫定再稼働論はあくまでも脱原発がベース。かくなる上はは官民挙げてLNG火力発電の立ち上げを急ぎ、それが動き始めるまでの数年間の基数を最小に限絞っての再稼働容認だったのですが…

粘り強く繰り広げられた周辺地域の首長と関電のやり取りの中ではついに火力発電建設の話も、原発40年厳守の確約もとれず、脱原発はおろか減原発の意思すら感じられないままです。

今日の総理の会見でも安全の確保は確認できたというがなぜ安全なのかの根拠は不明。脱原発の方針は変わらないというがその方策は相変わらず再生エネルギー任せです。

脱原発が本心でかつ少しでも急ぐなら一旦LNG火力へのシフトは避けられないはずのもの。会見の弁舌はさわやかでしたが、結局は脱原発への工程表も、それを加速する手立ての表明もないままの後味の悪い、空しさだけが残る会見となってしまいました。
 

ただ・・・橋下市長のいう3ヵ月の暫定稼働は叶わなくとも13ヵ月後には再度止まる。国も電力会社も大型LNG火力には言及さえしたくないようですが大手ガス、石油会社や有力自治体の建設計画は動く。そして遅かれ早かれシェールガスも日本に届く。

何回再稼働しても13ヵ月ごとに訪れる仕切り直しの中で、1年を経るごとに電力不足や燃料高の料金値上げの口実は通りにくくなり、原発温存と脱原発のパワーバランスは変わっていく。その日まで、気持ちを風化させないことが肝要・・・そんなことを改めて思った今日の総理会見でした。


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by C_MANN3 | 2005-08-20 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆ついに原発ゼロ!・・・でもこれって束の間?恒久?

[2012.5.12記] ゴールデンだったはずの連休は水害、竜巻ととんでもない傷跡を残して終わってしまい、気が付くと日本は原発ゼロの国になってしまいました。ですが、このゼロは世界に先駆けた本格的なゼロの始まりなのか、束の間のゼロなのか・・・様相は益々混迷しているかのようです。

再稼働強行突破を目指して着々と事態が進行しつつあるかの情報と、遂に諦めて再稼働が無い場合の準備を始めたかのような情報が入り乱れていて、ここしばらくはニュースから目が離せません。

そうした中で唐突に家庭用電気料金の時間帯別制の話が急浮上しています。もともと家庭にスマートメータを普及させ、見える化によって各家庭での節電を促す構想であり、必要が叫ばれていながら肝心のスマートメータの導入が進展していなかったものなのですが、なぜかここにきて急浮上。

どうやら節電というよりは値上げの話を通りやすくする便法のような気がしないでもない。

そしてよく見てみると中身も分かりにくい。昼間の時間帯の料金を大きく上げるのは予想通りだとしても、なぜか深夜を値下げしてその分をさらに昼間に積み上げている。結果として昼間の値上げがトンでもない値上がり率になっている。結果として一日に三段階の料金があり複雑で結局損得がよく分からない不思議な料金体系です。

昼間のピーク電力を下げることが目的なら、なぜ深夜の料金をわざわざ下げる?

もともと深夜が安かったのは夜間の減速ができない原発電力の投げ売りのためであったはず。ところが今では原発を停止するなら夜間の揚水発電準備はできないなどと言っている矢先に、深夜に電力使用を誘導する制度は不自然。

どうやら電力会社の頭にはこの期に及んでなお、原発が前提、そして(販売自粛しているはずの)深夜に湯を貯めるオール電化を更に推進といった発想が抜けていないことが丸見えの家庭用電気料金制度といった感じを持ってしまいます。

この制度、ピークシフト料金というようですが、時代の空気にはなじまないですよね。ピークカット料金とすべき。そして何より、余計な料金変更などと組み合さなくてもスマートメータの普及で見える化さえ推進すれば家庭では料金インセンティブなどなくてもピークカット節電には協力しますよね。

《そこで私の提案?》
スマートメータを付けた家庭には今回の値上げを朝8時から夜の8時までにのみ実施する。見える化でその時間帯の節電に努めた家庭ではその分値上げが相殺できる。
昨年の夏の東京の実績では、もうピークは昼過ぎとは限らず、夜の7時頃にずれ込む日も多いんですよね。


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by C_MANN3 | 2005-08-18 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆発送配電分離の危険・・・

[2012.3.12記]昨日は3.11から丸一年ということで日本だけでなく世界各地で反原発、脱原発のデモのニュースが流れていました。そんななかで、日本ではこの夏に向けての原発再稼働と発送配電分離や東電の経営権をめぐってバトルが続いていますが…今、味わい深い一冊の本が出ています。

題して「電力改革」~エネルギー政策の大転換~、橘川武郎著、講談社現代新書2145

明治以来の日本の電力事業の経緯を踏まえて“リアルでポジティブな原発のたたみ方”を説いた本なのですが、その中に気になる記述が出てきます。
IPP、自然エネルギー等々、発電の自由化は進めるべきだが、日本では発送電分離は急いで決めるべきではないと・・・
日本の電力の特徴は高い系統運用能力にある。そしてそれを支えているのは発電と系統設備のバランスの取れた投資、そして何より電力会社の“決して停電を起こさせない”という現場力。
今電力会社のあり方がきつく問われてはいるが経営陣の姿勢や経営のまずさと現場を支える人たちの現場力は分けて考えるべきであり、発送配電の分離はその現場力をそいでしまう懸念があると・・・

確かに貯蓄が効かない電力にとって送配電は単なる通路ではない。系統隅々までの電力の過不足をモニターし、一瞬たりとも過不足が無いように発電量や系統の電位を調整することが必要。そのためにはいつでも自由に増減できる一定量の自前の発電は必須。自前の発電力を全く持たずに需給調整するというのは酷な気もします。

言ってみれば今はやりのスマートグリッドで、発電機はなくても電線とコンピュータさえあれば需給はバランスさせられると言っているようなものですよね。
明治以来の抜本的な電力改革につながる発送配電分離は、少なくとも原発事故のエネルギー不足のどさくさに紛れて決めてしまうようなものではないのかもしれませんね。

ところでこの本、てっとりばやく最近のエネルギー危機の傾向と対策を窺えればと読み始めたのですが、第二章でいきなり明治以来の日本電力産業史に入ってしまい、最初はちょっと戸惑いました。

ですが読み進めるうちにやはり今回議論されているような大転換は単に外国がそうだからというのではなく、自国の歴史的な観点も踏まえて判断すべきとの著者の思いも理解できるような感じがし始めました。
また産業史自体も面白く、当初は高い志で日本の近代化をけん引してきた電力業界が、いつしか官僚的な事業者に変質していった経緯といったことも窺えるお勧めの好著です。

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by C_MANN3 | 2005-08-16 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆LNGをとりまく風景・・・環日本海ガスパイプライン網

[2012.2.23記] 世界中がエネルギーのガスシフトをしている中で日本は後れを取っています。
以下の話はガス価高止まりを突き崩す話とも関係するのですが、石井彰さんの本「エネルギー論争の盲点」などによると、日本は実はサハリンから東京までのパイプライン構想を葬りさった経緯があるんですよね。そしてその陰に何が何でも原子力発電の優位性を守ろうとする人たちの画策があったという話も・・・

で、結局サハリンガスは日本にはLNG船のピストン輸送で関東に来ている。

でもそんな日本を尻目にサハリンガスの主力は海底パイプラインで大陸に渡り日本海を取り巻くように北西岸を南下し今ウラジオストックまで届いていて、朝鮮半島の先端まで延伸する計画もある。
極東に限らず今ユーラシア大陸では巨大なパイプライン網が出来つつある。堀江則雄さんの本「ユーラシア胎動」にはそんな様子が詳しく描かれています。

やはりサハリンから北海道への海底パイプラインは今からでも再挑戦すべきではないか。そして日本側でサハリンから福岡に至るパイプラインを設置するならば壮大な環日本海パイプライン網が形成される。

そして要所要所で都市近郊の地域ネットワークや今後も続くLNG陸揚げ基地とも接続することで列島を覆う一大パイプライン網ができる。そこでは電力の“発電と送電の分離”に類似していろんな由来のガスの託送が始まり、買い手が売り手を選ぶ自由市場が形成される。

これからの日本はもはや道路や新幹線といった交通インフラばかりに金を使わずに、都市近郊のシティガスパイプラインの延伸拡大、そして環日本海ガスパイプラインの一環としての列島ガス動脈といったガスインフラの建設に資金をシフトすべきです。我慢と自然エネルギーへの神頼みだけでは日本列島はよみがえらないですよね。

◆(2012.11.5追記)サハリンから茨城へ直通の天然ガスパイプライン

ここの記事で“環日本海天然ガスパイプライン構想”などと勝手な事を書いていたのですが・・・
昨日の朝日新聞によりますと、サハリン1の天然ガスを海底埋設のパイプラインで三陸沖を通って茨城県まで引く計画が再浮上しているようです。前回は電力会社の妨害というか不熱心でとん挫したとのことですが、今回はもしかしたら実現するかもしれませんね。

工事には5~7年を要するとのことですが、本当に2017~20年頃にはウラジオストックからのLNG、米国からのシェールガスと相まって今よりは低コストの天然ガスが日本にあふれ始めるのかもしれません。そしてそのころまでには百万kW単位の高効率ガス火力発電所が原発換算で10基を大きく上回る規模で稼働し始めているはずです。

http://www.asahi.com/business/intro/TKY201211030641.html?id1=2&id2=cabcbbae   この記事には現在リンクがつながりません。

◆(2012.11.22追記)・・・かと思うと電気で輸入という話も

先日の新聞記事によると、サハリンからはLNGだけではなく、サハリンに大規模な天然ガス火力発電所を建設し、その電力を海底ケーブルで日本に送るという構想もあるようです。
意外と手っ取り速いのかもしれません。そしてこれが実現しますと日本もヨーロッパ並みに電力国際融通の時代を迎えることになります。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1607H_Z11C12A1MM0000/

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by C_MANN3 | 2005-08-14 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆スマートグリッドの不思議・・・

[2012.2.3記] 最近よく言われるスマートグリッド・・・輪郭のつかみにくい概念で未だ明確な定義もないとのことすが、勝手な整理をさせて頂くと多分以下のような成分を持ったものなのでしょうか。

▼まず(出力が不安定なことが特徴の)風力やソーラーといった自然エネルギーを含んでいること。
▼この不安定な出力を、個々のグリッド(エリア)の中での負荷とバランスさせること。
▼そのために出力可変なローカル発電機や蓄電池、UPS等を配置すること。
▼そして発電、消費の各機器にスマートメータを装着し、その情報を使ってグリッドの中で一瞬の乱れも過不足もないように自己完結的なバランスをとるべく制御すること。

基本は出力が不安定な自然エネルギーが大量に採用されることを前提に個々のエリアでも需給バランスをとり送電網の品質を安定させることにあるようですが、これって不思議なコンセプトですよね。

本質的に出力が不安定な自然エネルギーを小さなグリッドの中に閉じ込めれば過不足が不安定になるのは当たり前。ですが大きな大海の中ではその不安定さはさざ波みたいなもののはず。
そして小さなグリッドに限れば不安定なのは発電だけではなく、負荷側でももっと急激に変化する電力負荷はいろいろと考えられる。そうした負荷を抱えながらも日本の電力は広域でバランスを取りながら高品質を保ってきたはず。

小さなグリッドを前提にした研究をしても出番は離島か砂漠の中の孤立集落か、はたまた月面基地の類しかなく日本の大勢には無縁。
そんなことを考えると、あるいは自然エネルギーは各グリッドでプラスマイナスゼロにした状態でないと送電系統の仲間には入れないとの意地悪な要求が発端の研究じゃないかと勘ぐりたくなったりもします。

それにしてもスマートグリッドの構想図に決まって出てくる庭先のEV車・・・その蓄電池がエネルギーのバランスを担うとのことですが、いざ走ろうとすると電力を吸い上げられ空っぽになっているかもしれない車というのも変ですよね。

構想のための構想、研究のための研究に終わらないことを祈りますが、そんな中でスマートメータだけは目の前ですぐにも役に立ちそうです。幸いスマートグリッドでは必要とされていたHEMSとか遠隔負荷制御といった機能は一旦そぎ落とした実用的なスペックで仕様が標準化されるようで普及が待たれます。

インターネットにつながったスマートメータと送電網の独立開放、小口電力売買の自由化が組み合わされば、時間帯別料金の設定やそれにより誘導されるもっと積極的なピークカット、余剰電力の放出といったことができるようになるのではと期待が膨らむのですが・・・

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by C_MANN3 | 2005-08-10 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆LNG発電はどこまで確保できたか・・・

[2012.1.31記] 先日の1/27、枝野経産相は“原発の再稼働が無くても電力使用制限令を発動せず乗り切りたい。それは強い意志であり、可能性はある”と表明しました。

原発もなく、輪番操業をはじめとする極端な節電もなくてもこの夏が乗り切れるとすると、それに越したことはないのですが…そのためには相当量の火力発電の休眠設備の掘り起こしや新規稼働、あるいは市中での常用発電機の普及が進展していることが必須のはず。

そんな様子がわかればと昨年夏の東京電力の最大電力(kWhではなくkW)とそれを支えた火力発電の度合いをグラフにしてみました。

b0050634_203786.png原発事故から3~ヵ4月経過した昨年の夏、最大電力がとんでもない節電の努力で対前年比16%も低減される中で火力がどこまで支えたかというと、実はほぼ前年並み。
既に原発が相当台数停まり始めた中での火力発電なのでこの時点での目一杯の設備が稼働していたはずなのですが、それが前年並みということは少なくともこの時点では新たな設備の稼働も旧設備の復活もほとんどなかったということです。


そしてその後は・・・先日貿易統計が発表され、重油やLNGの輸入が急増したとのニュースがありましたが、この急増分はどうやらそれまでピーク負荷にのみ対応していた火力が原発肩代わりでベースロードにも対応し始めた(従ってkWhが増加、特に下期で急増)ものであり、新規に設備が稼働し始めたものではなさそう・・・
ですが、今夏に必要なのはkWhではなく、最大負荷を支える設備の容量(kW)なんですよね。

確かに動きはある。東京都はLNG火力発電所設立を計画中、大阪府は株主として関西電力にLNG発電の建設を迫る、そして東京電力や東京ガスは新たな中期計画でLNGコンバインドサイクル発電に注力すると・・・
ですが東京都は調査予算を計上したばかりの段階で調査や認可に4年かかると言うし、東京電力は資金不足で資金調達にはまず分社是非の論議から始まるようでどう考えても今夏に間に合うといったものではない。

こうした新しい動きの加速支援策を含めて、昨年の夏以降からこの夏までの間に電力需給に関わる大きな進展や計画があるのなら、そしてどこかに隠れた埋蔵電力があるのなら、ぜひ、早く、それを公開してほしいですよね。

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by C_MANN3 | 2005-08-08 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆今夏の電力不足、勝手な試算・・・

[2012.1.25記]未だ冬の真っ盛りですが、ちょっと気の早いこの夏の心配です。

昨年の7月、政府は今夏の電力不足を▲9.2%と発表していたのですが、実は+6%の別シナリオもあったにもかかわらず隠していたなどと、愚にもつかないニュースが流れています。で、本当のところはどうなのかと、素人ながら勝手な試算をしてみました。

⇒まずは試算条件として

▼今夏の供給量は今冬の最大供給量(①)から現在の原発発電分(②)を引いたもの。つまりこの冬を乗り切るために電力会社は既に全力を出している。ただし今残っている原発は夏までにはすべて止まるものとします。
▼今夏の需要は目一杯の節減が行われた昨年の最大値(③)としました。つまり昨夏と同じ節電をするが気温は昨年並みとします。

⇒すると今夏の需給余裕(=①-②-③)の試算結果は・・・

   東京電力 5500-136-4922= +442万kW (+9.0%)で余裕
   関西電力 2841- 87-2784=   -30万kW (-1.1%)で不足
   中部電力 2507-  0-2520=   -13万kW (-0.5%)で不足
   四国電力  534-   0- 544=   -10万kW (-1.8%)で不足
   九州電力 1574-  0-1535=  +39万kW (+2.5%)で余裕

なんともう一度昨年並みの節電の苦しみに耐えるなら、原発が無くなっても需給はほぼ均衡との意外な結果となりました。

ですが気温の変化や景気の違いを考えるとほぼ均衡では余裕がなさすぎる、また昨年並みの異常な節電を再度実施では産業にも市民生活にもダメージが大きすぎる、・・そういったことを考慮すると、やはり今夏は一定規模の原発再稼働は避けられない感じがします。

かといって今回の事故の後遺症の深刻さを考えると、今夏のリスク回避を口実になし崩しに原発依存の世界に戻ってしまうわけにはいかない。しかも無策が続けばこの話は来夏やその次にも続く・・・

となると今夏の落としどころは100万kWクラスのLNGコンバインドサイクル発電建設の計画が明確に保証されることを条件にしての、基数を絞った原発暫定再稼働ということでしょうか。
なし崩しの懸念は残りますが、なにしろ原発再稼働阻止(地元知事非承認)のチャンスは13ヶ月ごとに来るんですから・・・

そして何よりもkWベースでの電力ポートフォリオの改善を加速すべきですよね。そしてその際、ソーラーや風力は(kWhベースでは役に立ちCO2やLNG輸入の節減に貢献しますが)夏のピークのkW確保の役には立たないことを共通認識として再確認すべきじゃないか、それによって補助金の配分も変わる・・・などと勝手な試算をしながら改めて思った次第です。

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◆ところが何と・・・(1/27追記)

・・・と、上記のような記事を書いていたのですが、今朝の朝日新聞等で“枝野経産相は今夏は原発に頼らず、輪番操業のような過度な節電もせずとも乗り切る方向で検討。その道を探りうる可能性はある”と発言との記事が・・・えっ?と耳を疑うようなご意見なのですが、いったいどんな打ち出の小槌をお持ちなのでしょうか。
いずれにせよ今夏の原発再稼働の是非と節電指令の規模についてはここ数ヶ月でいろんな動きが出そうです。

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by C_MANN3 | 2005-08-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

  ・・・“エナジー&カーボン”はさらに続きます・・・

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エナジーの話はさらに続きます。
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by C_MANN3 | 2005-08-01 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)