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◆情報スキル:情報システムの夢と現実

情報システムへの数々の夢・・・かなえられたものもあれば現実はそうはならなかったものも・・・

まず、OA化が進展するとペーパーレスの時代が来るといわれつつ・・・結果はそうはなりませんでした。これは、紙に印刷しマーカーペンを握らないと脳の思考回路にスイッチが入らない“人”の習性のなせる業だったのかもしれません。

またイントラネットなんかで公式、非公式に流れるおびただしい情報、とんでもなく蓄積されてしまっているデータベース、しかも確度や新鮮度は玉石混合、オリジナルなのか加工品なのかもはっきりしない・・・こうした情報ジャングルから何をどうトリミングして取り込むのか・・・これが大問題となってきました。

こんな時代か来る手前では楽観的でした。とにかく情報は蓄積さえすれば、共有できる。蓄積したものは検索ソフトで取り出せる。リアルタイムの共有はメーリングリストで・・・

ところがどっこい、いざ始まってみると情報システムの発達は爆発的でした。データベースはあっという間に途方もないごみの山、検索ソフトを自然言語検索とか、検索ロボットとかに格上げしたくらいでは追っつかない。

★情報検索はまるで迷路
あっちこっちのYAHOO掲示板に書きこみをする下調べなんかで、毎日のようにキーワード検索を使っていますが、いつもながらその能力の高さにはびっくりさせられます。
ですが使っていてふと変な感じになることがあります。いつも似たようなジャンルの単語を調べていてもう出つくしたと思っていても、ある日何気なくちょっと切り口を変えた単語で検索するとまったく見たことも無かった情報がどっと出てくることがあります。

昨日まで調べていたものは何だったのかとがっくりしますが、まるで壁一枚隣に正解のルートがあるとは知る由も無く走り回っている巨大な迷路の中といった感じです。検索ソフトはまだまだ発達するし、使うにはコツがあると言ってしまえばそれまでですが・・・おそらくこの問題は情報の本質にかかわる困難さであり、そうそう近々に解決するとも思えません。

★メーリングリストは情報の墓場
メーリングリストも意図を持って集まった最初の少人数のうちは効果があっても、メンバーが増え最初の意図がぼけ始めたころには等比級数的に着信数が増え、それに反比例して見る気は失せていく。
掲示板もそうです。中身を示唆しようという配慮のないタイトル行が延々と続いて、開いてみないと中身がわからない。これを眺めていると、一つひとつには他とは違う万感の思いを込めた方が眠っているはずなのに延々と同じ形の十字架が続くアーリントンなどの軍人墓地を思い出してしまう。そう、そこに広がる風景はまさしく情報の墓場。


こんなことを考えながらいろいろ見ていて面白いものを見つけました。
Webを使ったeコマースの世界で使う、ホームページ上のテキストについて論じたものですが、画面上に羅列されたタイトルのクリックされる率とか、売り上げへの影響といった具体的な反応をベースにした論評なだけに説得力があります。

http://dragon.jp/report/archives/cat_writing.html
このサイトには現在リンクがつながりません。 

これはドラゴンフィールド株式会社が運営するWebマーケティング情報のサイトですが、この中の「WEBマーケティングレポート」のコーナーに

  ・簡単明瞭!効果絶大?実践的見出し学
  ・コンテンツ制作は「レスポンス・ライティング」で

・・・と言った切り口の記事がいろいろと掲載されています。

★情報はタイトルが勝負
レスポンス・ライティングというのも聴きなれない言葉ですが・・・読む人にレスポンスを誘う力を持った文章ということのようです。この中で、目次のようにタイトルだけが羅列された中でクリック率が高いタイトルでは、 「ツァイガルニック効果」が働いているといったことが紹介されています。

 「ツァイガルニック効果」とは、人は完成されたものよりも未完成のものに興味を引かれるというもの。問題が解決されてしまうと、それについては忘れてしまう。一方、中断されたり、答えがなかなか与えられないと、かえって深く記憶に残るということのようです。(2005.8.18)
by c_mann3 | 2008-11-20 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆情報スキル:人とコンピュータ、役割の境界線

確かにコンピュータに向いた得意な仕事というものがあります。途方もない計算を繰り返す統計処理もその一例でしょう。ですが、卑近な例ですが・・・たとえばWord、文字がきれいになり乱筆もなく修正も容易。ところが文章自体は人間の仕事・・・意味不明の文章のままで終わらせるか、さらに推敲を重ねるかはその人次第です。Excelもそうです。計算もグラフもあっという間・・・ですがグラフは座標軸に何をとるかで風景が一変しますが、試行錯誤の末、それを選ぶのは人間の感性です。
いや、時代は進んだ、感性を補うソフトができつつある時代だ・・・でもソフトが出した感性もどきで良しとするなら、その人はすでに人であることを放棄したコンピュータの下部。

あたりまえのことですが、コンピュータやITは作り手も使い手も人間。強力なコンピュータやネットワークもその入り口と出口にはコンピュータほどには進歩のない人間の感性が立ちはだかっている・・・最近そんなイメージを持つことが多くなりました。

Web上に載せる文章などもその一例です。伝えたいことを解りやすく、興味を持って読んでもらえる文章を・・・といったことに昔から興味を持ち、自分なりに気をつけてはいるつもりなんですが・・・これって難しいですよね。

同じ書き言葉でも新聞のコラム欄とか、Webに載せるテキストとか、論文とか・・・場面や文章サイズで文体も構成も変わってくる感じがします。コピーライターの神様、糸井重里が何かの番組で、“ホームページ上の文章はまた違う、独特の世界”と言っていたのが印象的でした。(2005.8.18)
by c_mann3 | 2008-11-18 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆情報スキル:信じて探す情報検索

世はインターネットの時代。情報なんて検索であっという間と言われていますが、その割には新しい話を持ち出すと・・・
「聞いたことが無い」「調べてみないと」「まずは勉強してから」・・・そしてやがて「調べはしましたが見つかりませんでした」などという言葉で終りといった風景がよく見られます。

このギャップはいったい何なのか・・・などと思っていたところ、このあたりのことを整然と解説した本に遭遇しました。
題して『情報検索のスキル』 、副題は“未知の問題をどう解くか”。三輪眞木子著、中央公論新社の中公新書1714です。

この本は情報を獲得し活用する過程を、その主体である人間の認識や心理の側面から解明したもので、

・情報検索は事前に計画したプロセスどおりには進まない。調べ始めると新しい知見で状況が変化し、新たなプロセスを想起させる・・・これを繰り返して時には当初の思いとは異なったゴールに到達することさえもありうる。

・「欲しくて欲しくて、あると信じて探す人」と、「あるかないかに思い入れも無く淡々と探す人」では発見確率がまったく異なる。

・私は絶対探せる、その力があると信じる「自己効力感」、探索ゴールへの強い意志・・・こうしたファクターが発見確率を高める。

等々思い当たる話が満載です。最後にはこんな話も・・・

米国では初等教育の段階から「情報リテラシー」のスキルを叩き込む。日本でもゆとり教育とかで類似の取組みを始めているが、なぜか「情報リテラシー」を「コンピュータ・リテラシー」と捉えているふしがあり、これでは真の情報活用力は育ちにくい。

そんな風に言われてみるとこの話、初等教育だけじゃなく企業の中の情報リテラシーにも当てはまりそうです。
今日もあちらこちらの職場で、山のように情報検索をかけてはいるが、知識は増えても核心には迫れない、Excelなどで膨大な数字のかたまりをひっくり返してはいるが、集計はできても役に立つ結論や方向性は浮かび上がってこない・・・それが現実なのかも。(2005.8.18)
by C_MANN3 | 2008-11-16 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆情報スキル:SEはアートな世界

SEがひとつ仕事を終えるとこの世にまたひとつ情報システムが誕生する。次の日からそこでは人とシステムが共生する新しい状況が始まる。それが人とシステムの新しい関係を切り開くことになるのか、使い勝手の悪い不満の日々の始まりとなるのか・・・すべてはそのSEにかかっている。

SE、システムエンジニア・・・この職業は交渉力、調整力、表現力、創造性、危機への嗅覚、危機突破力・・・組織心理学などでも議論されるあらゆるスキルがほぼ個人の肩にのしかかってくる不思議な世界です。望んで挑戦する人にとっては全人格が発揮できるアートな世界ともいえます。

一方において毎年おびただしい新人がSEとして企業に採用され、将来のスーパーSE、カリスマSEを目指してがんばりますが、3年、5年、10年と経過するうちに・・・自分が同じSEでもセールスエンジニアやサービスエンジニアであったり・・・あるいはプログラマのままであること等に気づかされる厳しい職種でもあるようです。

一時、数千人のSEを抱える企業が役員待遇をしても不都合のないスーパーSEをセレクトすると数十人しかいなかったといったことがよく話題になりましたが、本当にそうなのかも知れません。

不思議な職業、SEを語れば何かが見えてくる・・・そんな気持ちもあり、主として創造性に関わりそうな以下の項目でいくつかの雑感を書いてみたいと思っているのですが・・・

   ★SEはお客様の代理人

   ★SEは言葉の魔術師

   ★SEはナレッジマネージャ

   ★SEはリスクマネージャ

   ★シームレスにSEに成長するために

・・・ですが、詳細は日をあらためてということで。(2005.10.30)
by c_mann3 | 2008-11-14 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆「うちのシステムはなぜ使えない」・・・

ひとつ上(にスクロールしたところ)の記事「SEはアートな世界」を切り口にSEについて思うところをいろいろと書こうとしていたのですが、なせぬままに時間がたってしまっています。
書くことを諦めたわけではないのですが、現実のSEの世界はアートとはちょっと距離のある失敗と揉め事の山なのかもしれませんね。

そんな雰囲気を見事に描いた本「うちのシステムはなぜ使えない」が出ています。副題が“SEとユーザーの失敗学”、岡嶋裕史著、光文社新書341。

簡単な仕事なら市販のOAソフトで間に合うがそれ以上のものとなるとシステムハウスなりシステム構築部門に仕様を提示して作ってもらうしかない。ところが実際に使うユーザーとシステムを作る人では日頃使っている言語も思考方式にも想像以上の距離がある。

その間をつなぐのがSEのはずなのですが、その職能が必ずしもうまく機能しない・・・で、いろんな悲喜劇が生まれることとなる。話は別にOA系に限らない。基幹商品の制御システムでも事情は同じ。

この悲喜劇の実態をSEという人種、その職能、それを取り巻く種々の都合といったことを切り口に解明した力作でであり、あまりに鋭い表現にひと事のように笑いながら読んでいるうちに、やがて身につまされて目に涙が浮かんでくる感動的な本です。

OA系、制御系を問わず、仕様を立案し発注する人、ソフトを作る人、出来上がったものを使う羽目になる運用系の人といった立場を問わず、何がしかソフトと関わりのある人には一読の価値がある一冊でした。(2008.7.20)
by c_mann3 | 2008-11-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆人と情報:ビタミンA欠乏症

ビタミンA欠乏症・・・ほうれん草の摂取が少ないとビタミンA欠乏症となり、視力が低下して周りがよく見えなくなり、皮膚にも潤いがなくなりかさかさしてくる。
職場でも同じように、“ホウレンソウ”が少ないと組織の中での風景が見通せなくなり、人間関係にも潤いがなくなってくる。

ホウレンソウ・・・この言葉、私は最初に接したとき耳から入ったためどこかの外来のビジネス用語だと勝手に思い込み、長い間漢字の“報告連絡相談”をつめたものだということに気が付きませんでした。お恥ずかしい限りです。

“報連相”、意味するところはちょっとした報告や連絡、挨拶がてらの相談・・・立ち話程度の軽いコミュニケーションの総称といったニュアンスなんでしょうか。

メールやネットワーク上の掲示板といったITが発達した現在、改まった報告といったコミュニケーションはIT化していくのかもしれませんが、ハイカロリーなメインディシュとともにビタミンやミネラルの健康補助食品が欠かせないように、ホウレンソウの役割は今後も減ることは無いのかもしれません。

改まった規定の様式での報告書や会議案内、承認手続き・・・それとは別にちょっと廊下ですれ違ったとき「来週会議をしますのでよろしく」、「先週出張に行ってきましたが・・・」、ほんの15秒程度のワンポイントコミュニケーションを重ねるだけで雰囲気はずいぶん変わってくる。

あらゆるコミュニケーションがネット上で行われるようになり、顔を突き合わせての肉声のコミュニケーションが極端に少なくなりつつある現在、こうしたワンポイントコミュニケーションはますます大事になっているのかも知れません。

なのにそれが苦手な人が増えつつあるような気がします。もしかするとITがそれを助長し悪循環を起こしつつあるのかもしれません。(2005.12.21)
by c_mann3 | 2008-11-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

  ・・・次は・・・

      ◆次は「ウェブ、そしてメディア」等について・・・⇒⇒


by C_MANN3 | 2008-11-01 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)