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◆◆組織のかたち◆◆

しばらくの間、サブテーマを決めての書き込みをします。とりあえずのテーマは“組織のかたち”。
by C_MANN3 | 2010-04-20 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:雑感あれこれ

組織のかたちというと、権限や役割のヒエラルキーがはっきりしたピラミッド型組織が基本で、今でも主流なんでしょうが・・・
組織が硬直化し官僚的になりやすいとか、創造性を抑圧するとか、いずれにしてもあまりイメージは良くない。
その欠点を補う形としてマトリックス組織とか、ホロニック組織とか・・・最近では昆虫モデルの組織とか、いろんなことが言われているようです。

さらにはIT革命が組織の形を変えていく・・・情報システムが発達すると中間管理職が消滅するといった話もあります。
そういえば、万を超える従業員を抱える大組織で社員一人一人がたった一人の社長に社内メール攻勢をかけ、社長もそれをアピールといった不思議な風景が紹介されていたりもして・・・話題には事欠かない感じです。

ということでしばらくは、組織のかたちあれこれ、雑感を書き連ねてみたいと思います。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-18 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:ニューラルネット

企業組織の一員として組織を内部から眺めているといろんな情感がわいてきます。
ですがその情感は、その人が信じている組織モデルによって種々の色合いを帯びるものなのかもしれません。

企業組織のほとんどは少なくとも形式的には職務権限や役割と責任が明確に設計されたヒエラルキーモデルのピラミッド構造をしている。しかし実態は必ずしもそのとおりの作動原理では動いていない。こんな中で職務権限の明確なヒエラルキーモデルを信じている人にとっては、“指揮系統が不明確”、“職務権限がはっきりしていない”、“なんでスジを通さない”・・・と毎日がいらいらと不満の連続なのかもしれません。

ところが・・・見方を変えて、たとえば組織を時間とともに自動チューニングされていくニューラルネットに見立てて眺めてみると、まったく異なる風景が見えてきます。

たとえば日常のジョブは管理職を中心に動いているわけではない。情報も指示も上司からは降りてくるとは限らない。ほとんどの情報がひとつ上の階層を経由してくるのではなく、水平バイパスのラインで入ってくる。それに基づく行動は上司の指揮というよりは自身の自立的な判断に基づいてなされることが多い。
しかもよく見ているとその情報は、情報ソースやテーマによってそれぞれ異なるにはしても特定の人に集中する傾向がある。

こんな風景を見ていると脳神経網、ニューラルネットのモデルがイメージとしてオーバーラップしてくるから不思議です。
組織を構成する一人一人が神経細胞のセル。情報はセルの入出力として長く伸びて絡まりあった軸策、シナプスというわけです。毎日の情報流の中で情報が通れば通るほど発達しシナプスを広げていくセル、一方で使われずに立ち枯れていくセル。

ヒエラルキーモデルで見ているととんでもない風景なのでしょうが、ニューラルネットだと思ってみると、ごく自然な現象が起こるべくして起こっているだけ・・・情報はもっとも有効で伝わりやすいところをめがけて集中する。

そうした現象に「けしからん!スジを通せ」と圧力をかける強権を持った人が現れると・・・一挙に情報流は停滞し、あちらこちらで貴重なセルが壊死を始めることになります。

もし脳細胞の活性部位が着色されて見えるfMRIのような医療機械で企業の組織を見ることができたとすると・・・情報が集中して集散するポイントとして、はっきりと赤く染まって輝く点、また点が見える・・・しかしそれはヒエラルキーの重要ポイントであるはずの管理職ポイントとは限らない。

もしこの二つを極力オーバーラップさせ、ヒエラルキーの体面を保ちたければ、ひとつの方法は、fMRIで赤く輝く人を管理職に登用するのも便法かも・・・(2005.2.3)

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(2007.8.30追記) この記事で、“fMRIのような医療機械で企業の組織を見る・・・”などと勝手なことを書いていたのですが、なんと日立さんがこれに近いイメージのシステムを開発したとのことです。「ビジネス顕微鏡」と称するシステムですが、詳しくは別掲のこちらの記事に・・・
by C_MANN3 | 2010-04-16 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:マトリックス〈1〉

マトリックス・・・と言っても映画の話ではない。マトリックス組織についての雑感です。

典型的な例としては商品や市場別に設定された事業部制組織を縦糸とした上で、おのおのの事業部に共通する業務機能を統括本部を設けて横糸としてコントロールするといった形で構成され、図に描くとマトリックスとなる組織。触れ込みは“業務推進の内部効率”の確保と“環境適応の柔軟性”を併せ持つもの。

この組織、最初に出会ったとき、伝統的なピラミッド組織で左右を壁に阻まれた独特の閉塞感を味わっていた私なんかは、目の前に一挙に水平線が広がったような輝きを感じました。
ですが実際にこの組織の中でマトリックス組織本来の効果を発揮しようとすると結構厄介。この数十年間、特殊な機能部門に身をおいて、5~10年毎に縦糸にされたり横糸にされたり、いつもその交点で複雑にもつれた糸に絡まれた生活をしていると、思うところもまた格別です。

この組織が成功するためにはいろんな前提条件があり風土的なもの、情報インフラ的なものの整備が必要などと・・・いろんなことが言われていますが、意外に重要なのが交点を担う人のメンタリティー。
この組織ではいわゆるツーボスシステムとなり、カルチャーの異なる二系統の筋との調整が必須ですが、これを二重に縛られた不自由な立場と考えるか、どちらにも100%は従う必要のない、より自由な立場と考えるか・・・これは多分にメンタリティーの問題なのかもしれません。

人格を疑われそうなたとえ話で気が引けますが・・・
一個会議が入ると万難を排して出席をと考える。ところがもう一個会議があり何かのはずみでダブルブッキングが発生してしまうと・・・さあ困ったと悩む人、にこっと笑ってダブっていることを口実に双方に欠席するなり代理人を立てるなり、自身は胸を痛めず本来の仕事ができる時間が取れたと思う人・・・この後者の人のあつかましさも必要なのかも。

この組織の交点に立つひとには果てしなくコンフリクトが発生する。だからこの組織はよくないと言う人もいるようですが、この組織はもともと、あえてコンフリクトを内包することで、環境変化への組織としての自己調整機能を確保することを狙ったもの。
コンフリクトのないマトリックス組織なんて、ちょっと古いフレーズですが、クリープのないコーヒーのようなものなのかもしれません。ただし、このコンフリクト、背負うのは結局は個人、交点に立つその人だということも確か。

マトリックス組織について力作の論文を発見しました。名古屋商科大学のホームページから、「マトリックス組織の復活とその管理の仕組みについての考察」。

http://www.nucba.ac.jp/themes/s_cic@cic@nucba/pdf/njeis482/23WANG.pdf

そう、マトリックス組織は理論上の仮想的な理想形などと言わずにもっと真剣に見つめなおすべきものなのかも。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-14 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:マトリックス〈2〉

マトリックス組織についてはつのる思いがあり、書き始めると長くなりそうなのですが・・・

実はこのマトリックス組織と称するもの、数十年前、まだ駆け出しのサラリーマンで会社組織に釈然としない感じもあったころ下記の本で初めて接し、いたく感動し脳裏にビルトインされたのだと思っていたのですが・・・

「組織の行動科学」。R.リッカート著、三隅二不二訳。1968年、ダイヤモンド社刊

今回この文章を書く前に念のためにと読み返してみると、何とマトリックスという表現がまったく出てこない。この本は組織を専制的な組織(システム1)から集団参画型の組織(システム4)まで、4つのカテゴリーに分け、行動科学的アプローチで綿密実証的に比較分析した名著なのですが、どうやらこの「システム4」の章で交差機能的業務集団の実施例として描かれているものがほぼ現在のマトリックス組織に類似しているようです。

この本が出て4~5年後にマトリックス組織を紹介する本が出始めたようなのですが・・・私の脳裏ではこの二つがシームレスにつながってしまっていたようです。お恥ずかしい次第ですが、思い入れの強い記憶が正確な記憶とは限らない典型かも。


本題に戻ってマトリックス組織のポイントについて・・・

コンフリクトの内包と並ぶポイントのひとつは、縦糸と横糸の張り具合ということかもしれません。縦糸が強すぎると横糸がピンとは張りにくくなる。横糸が強すぎると縦糸の邪魔になる。“バランスよく”と言ってしまえばそれで終わりなんでしょうがそう簡単にはいかない。

それに加えて、商品事業部のようなものを縦糸にしたとき、横糸に何を期待して何を選ぶか・・・
ひとつには各事業部の中で存在はしているが事業部個々の中では必要規模が小さく、放置すると埋もれてしまって十分機能できないものを横糸の連帯で補強する。
もうひとつは埋もれるという意味では規模の問題がないが、全事業部を束ねるとその職能でさらに規模の効果が期待できるもの、あるいは資源配分等で全社最適の操作が必要なものなどがあげられます。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-12 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:マトリックスの事例

少し古い話になってしまいましたが、松下が再生をかけた組織変革で事業部制の再編成とあわせて、横糸の機能本部制をとったとのニュースがありました。

当時の古いテレビねたで恐縮ですが、2002/8/18(日)のNHKスペシャル「“苦悩する“家電の巨人” ~松下電器 再生への模索~」で21世紀への再生をかけた松下の変革が紹介されていました。

キーワードは「破壊(構造改革)」と「創造(成長戦略)」ということで、中身はぎっしりといった感じでしたが、そのなかで長年松下を特徴付けてきた事業部制の見直しということで、各事業部からマーケティング機能を切り取り「マーケティング本部」に集約したことが目玉の一つとして挙げられていました。

で、この紹介の中で、マーケティング本部に移って活躍している方へのインタビューのシーンで、「事業部の中で仕事をしていたときより話の通りが良くなりました」という話があり「おっ!」とびっくり、これは意外な感じでした。

事業部制というのはマーケティングを含め事業に必要な職能を全て内包することで、あらゆる決定が事業の特質を理解しあえている人どうし、思いを同じくしているものどうしの身内の話し合いで完結し、本社機構との調整も不要というのが利点と思っていたのですが、この身内の話し合いがスムーズにはいかず、外部に出て“なんとか本部”といった立場で話をしないと通らないものがあったということなんでしょうか。

これを組織心理学から見るとどういうことになるのか・・・考えさせられるシーンでした。
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この話、マーケティングのメンバー全員が本部に移ってしまうとマトリックスではなくなってしまいますが・・・事業部にもメンバーを残し、いろんな事業部から集まったメンバーが、残したメンバーを支援統括する本部を構成するとマトリックス組織となります。

松下の実態はどうだったのでしょうか。製品固有の市場への対応力には優れているはずの製品事業部で、あえてマーケティングの横糸を通す・・・不思議な感じがしたのですが、それまでの松下の事業部制は製造の効率化を優先したものであり、事業部の中でマーケティングの専門家の意見は通りにくかったということなのでしょうか。
そういえばソニーのフラットテレビが爆発的に売れ始めたころ、松下の中では、「フラットに一体何の意味があるんだ」との意見が支配的で出遅れたといった紹介もされていたような気がします。

結局ひとつの組織が市場適応力を確保するためには、小規模な事業部制をとって意思決定のスピードを速めただけでは不十分。
組織の中で製造とマーケティングといった相対立する機能がパワーバランスの取れたコンフリクトを持てないと変化は起こせない・・・そのためには両者を引き離すか、横糸で補強することが効果的ということだったのでしょうか。

その後、松下はV字型の業績回復を達成していくことになるんですよね。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:サプリメント

マトリックスの話からは少しぶれるかもしれませんが、横糸で補強でもしないと消えてしまいそうなレア集団の話をついでに・・・

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前回の松下改革の続編です。もちろん松下さんの組織を他意があって論評したり、推量したりのコメントではありませんので悪しからず。

スパイスやサプリメント、なくてはならないが量的には微量。企業組織の中にもこれによく似た特殊な職能があります。
たいていはその組織の中では特殊な専門性が必要な職能であることが多く、前回のマーケティングもこの類だったのかもしれません。

もしスタッフの人員規模が事業部総人員の1パーセント程度は必要な職能があったとした場合・・・

規模一万人の事業部では百人。これなら部門を構成でき、体を張って発言してくれる部長もいます。

ところが、千人規模の事業部ならこれが十人。部を設けるのはちょっと無理、近い職能の部門の中で課を構成するのがやっと。課長はともかく、部長は専門性や、思い入れを同じくする人とは限らなくなります。

もう少し規模の小さい事業部になると担当者は数人。どこかの企画部か管理部の中に数人の担当者が配置される程度で、周りを事業部の本来業務に浸りきり信念に溢れる自信家ばかりに包囲され、何を話しても恐らく話がかみ合わない。

こうなるとこの事業部としてスパイスが利くかどうか、サプリメント欠乏症で徐々に体調を崩したりはしないか、これらはすべて担当者が孤軍奮闘にどの程度耐え得るか、周りの人がどの程度のお人柄で、どの程度の見識をお持ちで、どの程度協力してもらえるかに依存してしまうことになってしまいます。


★ところであなたは志を同じくして語り合える人もいない中、役割としての使命ばかりが重くのしかかる状況でどれだけアイデンティティやロイヤリティーを持続できますか・・・・

この状況を救済する心理学的アプローチは二つ。

【①まずは会社が取る「組織心理学」的措置】
そのひとつはあちらこちらの事業部にいるサプリメント担当者を本部機構に集め、専門スタッフ集団とする。
メンバーは水を得た魚のように生き生きとし始め、以前より動きやすく、元の事業部に対してさえも話がしやすくなった・・・という前回のレスで取り上げた松下のコースです。
あるいは本部機構には統括機能だけを作り、各事業部の担当者はそこに在籍するままでの本部兼務者とする、いわゆるマトリックス組織。

この場合は一人一人が複数のボスを持ち調整に行き詰ったときはとうするか等、うまくいかない要因をはらんでいますが、当人も上司も従来の縄張り意識や、権力意識、組織観を変えることで成果は期待できる、とひとつの方向には違いありません。

【②もうひとつは孤立する担当者サイドの心理学】
こんな浮かばれない立場は真っ平ごめんと転属、転社を考えるなら話は別ですが、その専門性に意気を感じそれをベースに人生を切り開いていこうと思うなら、逆境の中でアイデンティティーを確立していくための、そしてそのモチベーションを支えていくための何がしかの「自己実現系の心理学」はおそらく支えになる・・・

逆境を生きることによって、会社のスパイスやサプリメントであったはずのものが自分自身へのスパイスやサプリメントに発酵していく・・・これはこれですばらしいと思ったりもします。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-08 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:進化のゆくえ

魚は数億年にわたり大海を泳ぎ続けることで進化を重ねて、現在の流線形のボディーを手に入れた・・・
流線形は英語でstreamline。ところがこの単語、「合理化」といった意味もあり、最近では企業の合理化やリストラといった場面でもよく使われます。

企業の組織は合理化と称する進化を重ねて一体どういう形に行き着くのでしょうか。合理化を重ねることでやがてはエネルギーミニマムな流線形に行き着くのでしょうか。


組織とは・・・何がしかの目的を共有し、その達成に役立つ情報を交換し合える仕組みを持った集合体、と言ってもいいのだと思いますが・・・

いろんな組織モデルが言われる中で、情報交換の仕組みを座標軸にとって配列すると・・・
最右翼にヒエラルキー組織、最左翼に協調関係を持った超並列分散組織といった構図が浮かび上がってきます。この座標軸の特徴は、片や秩序を重視し全体最適を踏まえたつもりの司令塔から情報が一方的に発信されるもの。
もう一方は全体最適なんてものには頓着せず、せいぜい隣の人との関係性である種のルールをもって行動すれば結果として秩序が形成され、おのずと全体最適にもなる・・・
要するに全体性(効率)とか秩序といったものに対する信念の在りようがまったく異なることがポイントとなりそうです。

後者の組織モデルとしては、ニューラルネット、ホロニック、生物モデルの共生組織といったものが浮かび上がり・・・そこでは秩序や全体性形成のよりどころが自己組織化とかオートチューニングといったものに求められることになります。


ところで、両者を進化の方向性として見るとどうなるのでしょうか。

人類は数万年の進化の歴史の中で、当初は蟻や昆虫のように単に群れをなして寄り添っていただけのものが言葉や表情といったコミュニケーション手段を持つにつれて高度な情報交換があってこそ成り立つ秩序を持ったコミュニティーを形成し、やがて目的志向の強い、いわゆる近代組織を形成するに至った・・・こう考えるとヒエラルキー組織は進化の頂点ということになるのですが・・・

最近の組織形態はむしろ逆方向の生物モデルとかいった方向に回帰しようとしている。企業組織のデザインと同じく人間がイマジネーションして生み出したコンピュータネットワークもまた紛れもなく組織なのですが・・・
この分野でもメインフレームを頂点に無数の端末機を従えたヒエラルキーシステムの時代から、マイクロコンピュータによる超並列分散ネットワークに至る道が進化ないし発達の方向とされてきました。頭を切っても尻尾を切ってもまだ生きていて機能し続ける爬虫類、トカゲの生き様はまさしく理想系というわけです。


専制的ヒエラルキーで中央計画主義を貫徹したソ連邦も崩壊して久しく、企業組織、コンピュータネットワーク、地方分権の政治システム・・・どれをとっても今、人の英知は超分散の方向に向かっている・・・この時代潮流は進化なのか、それともマネジメント放棄の退行なのか・・・(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-06 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

◆組織のかたち:とどめの感動本、一冊

「組織のかたち」と称して、官僚的ヒエラルキー組織には懐疑的でやや反抗的であることを基調低音として、ニューラルネットモデルとかマトリックス組織といったことへの思いを書き連ねてきましたが・・・
実は、最近、こうした思いに頭を冷やせとばかりに思いっきり水をぶっかけられた感のある衝撃の本、一冊に出合いました。

題して「組織戦略の考え方」。一橋大教授、沼上幹著、2003年刊、ちくま新書396

この本はカタカナ組織論とは一線を画し、企業等で実際に組織をデザイン、運用する人が思いをめぐらすよりどころになればと書かれた本とのことですが、内容は・・・

★今もなお、組織の基本は官僚制組織。創造性も戦略性もよって立つ官僚制組織がしっかりしていてこそ、その上で成り立つもの。
官僚制組織の特徴はヒエラルキーとルーチンワークのプログラム。情報の洪水の中で階層的情報処理がなければ思考は停滞せざるを得ない。業務の大半を構成するのはルーチンワーク、その一つ一つはプログラムにのっとり確実、機械的に処理しなければミスが多発、時間も消耗・・・そんな状況下で創造性発揮なんて根底から無理。

★さらに、マトリックス組織が何かを解決するなんて幻想。なぜなら腹を割って話し合い、全社的観点に立ってコンフリクト解消を図ろうという気がない人に限ってマトリックス組織にしましょうなんていうケースが多い。

★マズローの欲求五段階説を信じるのは勝手だが、むやみに五段階目の「自己実現」を組織に持ち込むのは無責任。

★組織は仕事の邪魔をすることはあっても、それ自体が仕事をすることは絶対にない。

★他にも組織を疲弊させる元凶は、フリーライダー(組織へのぶら下がり、紛れ込み人間)、キツネの権力(トラの威を借りる)発生しやすく、これが組織を腐らせ始める・・・等々満載。

読み進めるとなるほどと思うことが多く、しかもまるで企業の中でのた打ち回っている人が書いたのではないかと思うほどの臨場感がある。途中で思わず著者の経歴を確認してしまいましたがどうもキャリアとしては企業に勤めた感じはなさそうなのが不思議というか流石です。

とにかく一読に値します。ということで、衝撃、感動の一冊を紹介し、“◆組織のかたち”からは、いったん抜けることといたします。(2005.2.3)
by C_MANN3 | 2010-04-04 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)

  ・・・次は・・・

      ◆次は「意思決定のもつれとひずみ」について・・・⇒⇒


by C_MANN3 | 2010-04-01 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)