◆原発事故から丸五年の節目を迎えて

【2016.3.11】 今日で原発事故から丸五年が経過しました。日本のエネルギー事情はこの五年間で年を追うごとに大きく変化してきましたが、それは原発がほぼ動かない中でも社会は回っていけるということを実証し続けた、日本の誇るべき適応力の姿でもあります。
必要とする発電設備の容量は年間のピークを迎える7~8月の最大電力によって決まりますが、下の図表に示すようにその値を7月の最大電力の年次推移で見ると、震災前のH22年を基準にして既に15%(東京電力に至っては20%強)も低減されていることが解ります。

b0050634_21453745.jpg最大電力の低減は日内のピークを直接下げる手段と、ベースを下げる間接的な手段によって達成されますが、自家消費分のソーラー、ピークカット自家発電、ガスヒーポン空調等の普及が日内のピークを下げることに貢献しているようであり、昼下がりのピークは以前に比べると格段になめらかになっています。また大口需要を中心とした新電力への乗り換えの加速もベースを下げる形で旧電力会社の必要最大電力を下げることに寄与してるはずです。
そうしたことの結果として震災前を基準にすると比率で15%、絶対値としては10電力合計で2600万kWの最大電力減となるに至っているのですが、これは既に原発26基(点検停止の稼働率を考慮すると30基)分に相当する発電設備が削減可能な(というか余力になっている)ところまで来ていることを示すものです。

b0050634_1441750.jpgなおFITで全量買い取りとなる大規模ソーラーがついに2000万kWを越えましたが、これは電力需要の削減には寄与せずFITを介して電力会社の供給力となり、日中の最大電力への対応力を増大させています。

このソーラーの2000万kWという値は前述の夏の最大電力の13%に相当するものです。上の図はとある電力会社の7月の電力の日内負荷パターンにその13%相当のソーラー発電の効果を組み合わせた概念図ですが、青線の見かけ上の日内電力負荷に対して、ソーラー分を減じた赤鎖線のラインが実際に電力会社が火力、水力等で確保しなければならない電力であることを示したものです。結果として、日内の最大値はかつてのように青マルの午後の2~4時ではなく、赤マルの夕刻の19~20時に一段低い値となって移動しており、この青マルと赤マルの落差分が電力会社が確保すべき最大設備を削減できるソーラー効果となりますが、これを全電力会社で合計すると800~1000万kW、すなわち原発8~10基分程度になっていることが窺えます。

いずれにせよ大手(旧)電力の実質的な日負荷パターンは絶対値もプロポーションも様変わりし、もはや原発が無いとピークか乗り切れないといった状況ではなくなりました。また火力代替では燃料コスト増で経営が成り立たないといった話も降って湧いた燃料価格の暴落で大きく軽減され、各電力会社がそろって黒字になる有様です。

にもかかわらずここにきて、安全審査の終わった原発が川内、高浜と動き始めています。このまま20基を超える審査待ちの原発が次々と動き始めれば日本の原発依存はもとの黙阿弥ではないか・・・そんな暗澹たる気分になりかけていたところにこのタイミングで出てきた高浜原発の稼働停止の仮処分決定で、なんと一旦動き始めていたものを含めて2基が停止に。こんなこともあり得るんだ、諦めるのはまだ早い・・・そんなことを思いつつ迎えた5年目の節目となりました。

確かに安全審査には20基を超える原発がその合格を待っている。しかし一方でそれを上回る稼働差し止めの訴訟も判決を待っていて、たとえ一時だとしても都度ブレーキはかかる。審査が進むにつれ、その安全対策費も巨額な物として立ちはだかっている・・・やはりこの数年でバタバタと10基を大きく上回って再稼働し始めるといったことには多分ならない。
そしてそのタイムラグの1年1年で日本のエネルギー事情はさらに変わる。4月からはついに小口電力の自由化が始まり、その先には2020年の発送電分離が迫っている。この5年間で地道に仕込まれてきたLNGや石炭の大規模高効率火力発電所が発電を開始し、シェールガスを始めとする低価格の燃料調達も動き始め、その多くが新電力の戦力となっていくことで、旧電力への依存は大きく減じ始める・・・一部の原発再稼働ありきの電力会社を除けば、もはや原発はコストカットの切り札というよりは足手まといになりつつあるのかもしれない。

ともあれ急速に変化するエネルギー事情を背景に原発再稼働の圧力と阻止のせめぎ合いの中で、いずれは脱原発に向かうのだとしても、その途中の過渡期最大稼働数が10基を大きくは超えないことを願うばかりです。そしてそれが、後始末もままならない未曽有の大惨事を引き起こし、幾多の先進国を脱原発に舵を切らせてしまった日本の自省を込めた節度、矜持というものです。 (6/1 ソーラーに関して一部訂正)

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# by C_MANN3 | 2014-09-04 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆原発事故から丸四年の節目を迎えて

【2015.3.11記】 今日で原発事故から丸四年が経過しました。おりしも政府では将来の電源構成(エネルギーミックス)の議論がぶり返しており、福島第一では相も変らぬ汚染水漏れやその公表遅れがニュースになっています。
タイミングを合わせたかのようにせっかくご来訪のメルケル首相と安倍首相の会話では、「福島の事故をきっかけに脱原発を政治決断した」と「安全が確認されれば速やかに再稼働」でかみ合わないままでした。

ところがおもしろいことに、脱原発を政治決断し自然エネルギーによる発電が50%を超える日も出始めているドイツでは、実は今も原発がしたたかに稼働している。対して再稼働を声高に叫んでいるはずの日本ではこの一年半原発はゼロのまま。安全が確認されればというが確認されたかに見えるサイトの原発も再稼働は結局この冬には間に合わず、この夏さえも不透明というのは皮肉な話ではあります。
ともあれ、そんな中で目についた最近のエネルギー関連の動きへの感想を以下に幾つか・・・

▼突然降って湧いたソーラー接続中断の話・・・
九州電力から突然出てきた接続停止の話には経産省が間髪おかず反応し、あっという間に無補償無制限の抑制ルールと受け入れ限度枠が決まってしまいました。
なにやら固定価格買取制度が始まった途端に飛びだした風力発電抑制の話を思い起こさせますが、今回も算出された限度枠は原発再稼働をまるごと前提とした値のようであり、なぜ出力抑制なのかといった説明や今後の緩和策も、取りあえず見繕ったようなあいまいなもののままでした。従って今後の接続量拡大策も蓄電池の話にすり替わったりして、事の本質とは異質なものになりそうです。

なおこれについてはドイツの識者のお見立てをこちらに・・・http://www.energy-democracy.jp/650
また以前の風力買取枠の制限の話はこちらに・・・http://cmann3.exblog.jp/19328546/

ですが今回のこのハプニングは必ずしも悪い話ではない。原発事故の直後に始まった自然エネルギーの固定買取価格制度は、電源確保が困難な中で昼間のピークを押さえられるならとして始まったもの。国民上げての節電と一挙に群がったソーラーの建設で、例えば九州などは既に真夏でさえも昼間のピークは無くなりフラットになっている。このブログでも以前に書いている『有効ソーラー』の量は既に超えてしまっていて、これ以上のソーラーについては固定買取価格が十分に下がるまで一旦ブレーキがかかるのもいいのかもしれません。

▼種々の自由化が近づくなかで・・・
東京電力は電力料金の再値上げを見送りましたが、関西電力は再値上げの申請に。ですがこれで管内の顧客の関電離れはさらに加速し、悪循環に入りそうな気配です。あくまでも原発再稼働を前提にし、それまでは総原価方式による値上げで乗り切る算段なのかもしれませんが、自由化に備えて新規参入する企業が急増している中では通用しにくい経営戦略という外ありません。

▼原発の稼働台数・・・
この1年半、もはや原発はなくとも電力も経済も何とか回っていくとの実績が更に積みあがる中、この夏に間に合うかどうかは別にしてやがて再稼働は始まりそうです。
ですが一方で40年廃炉ルールも動き始め、既に5基は40年での廃止を決めたとのこと。このルールには一回限りの延長条項もあるのですが、延長の条件として規制委員会が繰り出す高いハードルがあり、一方で廃炉に伴う減損会計処理の緩和や政府の支援策が固まっていくなら、一部には延長申請をするところがあったとしても、大勢は40年で打ち切りの廃炉路線が定着しそうです。しかしそれは企業の安全理念などというものではなく損得勘定によるものであり、それはすでに米国でも始まっている趨勢でもあります。

その上で、再稼働する原発と廃炉が競合しつつ、いったい今後の原発の稼働台数はどこに落ち着くのでしょうか。
それを決めるエネルギーミックスの議論が今まさに進行していて、そこからは構成比で15%とか20%といった数字が聞こえてきます。40年廃炉を厳格に守るなら自然に15%に落ち着きますが、延長、設備の更新、さらには新設をも視野に入れて20%以上を狙う主張もあるとのこと。

▼そうした先でこれから起こりそうなこと・・・
2030年で原発比率は15%か20%超か・・・えっ、ゼロの話はもう出ないの?といった感じですが・・・悲観するには及ばない。ちょうど二年前このブログ(この下の記事)にも書いているように・・・政府の諮問機関の論議や要人の発言とは別にこの話は人智を超えて動く、そして日本のエネルギーポートフォリオは落ち着くところに落ち着く。そのカギはいよいよ始まる電力の自由化、発送配電の分離ということでしょうか。
実は反原発や脱原発の人たちにとっては自由化が本格化すると、街頭デモを越えて、もっと直接的な効果のある『不買運動』といった手段が手に入る。

安全基準の達成等で実は原発は安価な電力ではないことが露わになってきましたが、それを総原価方式で転化するならば自由化で生まれる身軽な新電力会社とのコスト差は明らか。そこで早くも割高な原発は原発専用の固定価格買取制度を作って守るといった話が出始めていますが・・・『原発由来の電力は不買』の運動が起こればどうなるか・・・原発ありきの電力会社は、総原価方式に変わって固定価格買取で利益確保と思っても需要が無くて稼働できない原発では固定価格での買い取りも成り立たない。発送配電分離が始まって気が付くと回らない原発を抱え何処からの給付金で再びわが世が来ることを待ちわびる、まるで今の日本原電のような会社があちらこちらに生まれる・・・そんな気がしないでもないのですが、まずは要経過観察ということでしょうか。

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# by C_MANN3 | 2014-09-02 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

・・・“エナジー & カーボン”はさらに続きます・・・

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エナジーの話はさらに続きます。
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# by C_MANN3 | 2014-09-01 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆原発事故から丸二年の節目を迎えて・・・

[2013.3.11記] あの日から丸二年・・・TVでは連日のように事故関連の特集番組が流れています。再放送を含めて見ればみる程、あらためて惨事の大きさがうかがえますが、事故の発端は地震と津波であったとしてもその後の安全装置や対策となるはずの壁がことごとく機能せずに破られていった様子にはあらためて愕然とします。

そんな中で惨事を最悪の大参事の一歩手前でかろうじて食い止めた第一線の方たちの現場力、そしてその後ろ(というか上)にいた人たちの従前からの備えの軽さが益々際立って浮かび上がってくる感じがします。

二年たった今も現場は崩れたがれきのままの様相であり、廃炉に40年、除染は進まず、使用済みの燃料や廃炉廃棄物の最終処分に至ってはめどさえついていない・・・そんな状況の中で政権が変わり“脱原発は見直し”、“安全を確認すれば即再稼働”といわれても、もう一度“後ろ(というか上)にいる人たち”の安全の言を信じて未来を託す気にはなれないですよね。

▼ただ、先は見えなくもない・・・

多分、今もこの先をどうするかという政策論争をすれば極論と極論の愚にもつかない論争になる。だがそんな議論にはお構いなしに、現実の目の前では少しずつ、そして黙々と新たな均衡点に向かっての答えが出始めているような気がするのが救いです。

“安全を確認すれば即再稼働が方針”というが現実は(あえて反対するまでもなく)規制委員会の繰り出すハードルが再稼働を少しずつ向こうに押しやっています。

その結果“いつまでも稼働が無ければ需給は破たん”というがこの冬も原発は2基のみで乗り切れてしまいました。

そして“たとえ乗り越えられても燃料費負担で電力費は高騰”というが、人件費抑制や資産売却の条件の付く料金改定はそう簡単には進まない。そうこうしている内にシェールガスも入り始め、新たな高効率発電所も稼働をしはじめて・・・多分耐えられないほど極端な事にはならない。

今年は束の間のソーラーブームに明け暮れました。そんな中で“不安定なソーラーでは量を確保できず固定買取制度はドイツのように破綻”と言われていますが多少なりとも買取価格の調整が始まればやがてブームは去り、これもそれほど極端な事には多分ならない・・・

歴史は人智を超えて動く・・・あれやこれやの不毛の議論やその場しのぎの政策をよそに淡々と滲み出てくる新たな均衡点・・・3~5年後に結果として姿をみせる新たなエネルギーのポートフォリオを是と信じ、それが新しい日本の姿なのだと期待したい・・・ふとそんなことを思った事故から二年経過の今日一日でした。

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# by C_MANN3 | 2014-08-18 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆日本の脱原発への思い・・・整理すると

[2012.11.20載] 世界的に見れば一部の先進国が脱原発を目指してはいるものの、国情により新たに原発を望む国が多いことも確か。そんな中で日本が脱原発を望むのはなぜか、そうしたことを素人ながらも整理してみました。

▼中国、そして輸出産業としての原発・・・

現状ではこれからも国情により新たに原発を望む国が多いことも確かであり、その入札では日、仏、米、露、韓、そして中国がしのぎを削る風景が続いています。

とりわけ中国では、どんどん集結する天然ガスパイプライン、世界一の規模の風力やソーラーと多様な選択肢がありながら(いわゆる)国産化された原発の建設に熱心な背景には輸出への戦略があるとのこと。

そんな中で英国の原発入札では、中国は避けられ、本国が脱原発となったため手を引いたドイツの企業、対して一歩前に出る日本の企業といった構図となっているのが印象的です。

▼脱原発で言われることの一つに・・・

脱原発のディメリットの一つとして言われることに“国内が脱原発では海外には売り込めない、人材の維持や確保もできない”というものがあります。
技術立国日本としては、“建設、運用、廃炉廃却”の全工程を安全確実に達成し世界に信用して頂けるなら素晴らしいことであり、脱原発には(こと、この点についてのみは)後ろ髪をひかれる思いがないわけではありません。

▼そして確かに安全確実な原発はありうる・・・

今、日本では事故の包括的な検証もないままになし崩しに対策が進められようとしています。 例えば津波のせいにして堤防を高くする・・・それは言い訳にオオム返しのような策であり、それで良しとする風潮は事の本質を覆い隠すものです。

ですが本来原発の事故は人や組織と一体となったソーシャル・マンマシンシステムとして多重防護の理念によって安全が確保されるもののはずです。ところがそうした包括的な報告は国会や政府の事故調からはすっきりしたものが出ないまま、むしろ海外の報告書に迫力を感じるものが目に付きます。
そしてそうした報告に従った対応をするならば、安全な原発はありうるのかもしれない・・・そんな印象はあります。

①まずは米国の発電運用協会のレポート・・・

このレポートでは、運用面での示唆に富んだ分析がなされています。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO46247170Y2A910C1000000/

②そして海外の調査チームによるオナガワレポート・・・

これは福島ではなく、同じ状況下で事なきを得た女川を調査分析することで福島の問題を浮かび上がらせようとしたもので感動的な切り口です。

文中からエキスを拾うと・・・
  無事だった女川と、事故を起こした福島第1。命運を分けたポイントは何だった
  のか。調査チームの代表者は、いくつかの要素について語った。
  原発の設計、施工方法の違い、過去地震にあった際の補修方法、点検と品質
  保証の違い……。そして最後に挙げたのが「(原発を運転する電力会社の)経
  営体制と企業文化の違い」だった。
  そしてさらには、東北電力について「きわめて協力的でオープンだった」と高く
  評価する・・・とのこと。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK3103C_R30C12A8000000/
この日経のリンクで全文が読めるのは会員のみですが、下記のリンクなら全文が見えます。
http://www.nihonkai.com/sindbad4/20120904b.htm

この種のレポートは日本人が書くとどうしても「私は悪くない」、「不可抗力だった」、「いや、あいつらが悪い」といったことを論証することに明け暮れてしまい、方策につながりにくいのが困ったところです。


▼だがそれでも脱原発となる理由は・・・

ただ、せっかくのレポートがあったとしても日本では脱原発となる理由はいくつか・・・

①同じ地震の中で疾走する新幹線を無事に停止させたほどの先進技術国で起こった原発事故であること、そしてその結果があまりにも甚大であることを目の当たりにしてしまった。

②その原因を人知を超える地震や津波のせいと言いくるめてしまったことで、人知で制御できないシステムなどもってのほかとの風潮を固めてしまった。

③事故の直後に浜岡を止めてしまったことでほぼ原発ゼロの状態が発生し、そのことが原発が無くても何とかなるとの実績に基ずく実感を作り出してしまった。

こうした①~③を踏まえると、ドイツの倫理委員会が言うように“代替技術があり、それが可能ならもはや原発を使い続けるわけにはいかない”ということになるのは止もうえない帰結なのかもしれません。

▼それでも、もし仮に原発復活の可能性があるとすればそのシナリオは・・・

①まずは東京電力の下記のような謝罪が必要です。
今回の事故は天災ではなく(組織としての)人災であり、東電としてはそれを深く認識反省し向こう49年間原発を運用することを慎むが、今回の事故をもとに安全強化された原発自体を、慎みのある他の電力会社が運用するならば安全は確保される。ぜひもう一度原発を信頼して頂きたいと・・・

多分これは他の電力会社や海外の原子力関係者の思いでもあるはずです。特に海外の見方は“日本ほどの国でも避けられなかった事故への深い同情”から経緯が判明するにつれ“失望”に変わっているとの話も・・・

東電は慢心によりチェルノブイリ級の事故を招き、原発の歴史を捻じ曲げてしまったことを深く自省すべきです。でなければ海外の目が“失望”を超えて“軽蔑”に変わる可能性さえありそうです。

②そして使用済み燃料、廃炉廃材の最終処理法と行き先の確保
③太平洋火山帯に位置する日本としての場所の再選択と規模の見直し
④さらには国民の信頼性を取り戻すこと

それは単に技術システムとしての原発の信頼性だけではなく、それをとりまく“省庁や専門家集団の関わり方”そして“運用会社の組織としての体質や運用姿勢”についての信頼性であり、それ無くしては物理的な手段や言をいくら積み上げても信頼性の納得にはつながらない・・・
今日本はそうした根深い不信の淵にあり、それを解消するには“放射能の半減期を待つに等しい”時間を要しそうです。

ですが以上の①~④の条件が整わないかぎり、エネルギー供給の空白を作るわけにはいかない日本としては“より迅速で確実な脱原発への道筋”を模索せざるを得ない・・・
そしてそれは(つなぎとしての当面の間の原発は必要だとしても)LNG火力経由の再生エネルギーということになりそうです。

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# by C_MANN3 | 2014-08-16 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆日本の脱原発、欧州のエネルギー事情・・・

[2012.11.7載] 東京電力の火力発電所建設がついに動き始めるとのニュースが流れていますね。入札方式で事業体を募集するとのことです。
このブログでは、ここ数年を何とかしのげば後は順次LNG火力発電が立ち上がってくるなどと書いていますが、この一年余りの間にニュースになったものを拾い集めてみますと・・・

中部電力(2014年に上越で238万kW)、東北電力(2016年に新仙台で200万kW)、中部電力(2017年に西名古屋で220万kW)、北海道(2021年に石狩で50万kW)、そして今回の東電入札(2020年に260万kW)、さらにこれに関電が決心すれば(2020年ごろ和歌山で370万kW)、そして東京ガスなどのIPPの計画と続き、これだけでも原発15基分を超えることになります。

このすべてが原発の置き換えになるわけではなく、喘ぎながら今を支えている老朽火力の更新にも回るのでしょうが相当な規模になることは間違いありません。


▼ところで今日は欧州のエネルギー事情について・・・

欧州の事情について一冊の本が目に留まりました。題して「欧州のエネルギーシフト」、脇坂紀行さん著、岩波新書1370、今年5月に出た本です。

欧州のエネルギー事情がきわめて分かりやすく包括的にまとめられているのですが、この本によるとEUとしてのまとまりを追及しているはずのヨーロッパもエネルギー問題となると国情により様子はさまざまのようです。それを大きくタイプ分けしてみると・・・

  ・ドイツを筆頭に脱原発を宣言するイタリア、スイス、ベルギー等
  ・反対にこれから新たな原発の導入をしようという国は
     ・EU加盟の条件として旧ソ連式の原発廃棄を余儀なくされ、できれば最新たな
      原発が欲しい旧ソ連圏諸国。
     ・北海油田の枯渇懸念と老朽化した原発の更新で新たな原発が欲しい英国。
     ・国情から水力も風力も期待できず、ロシア依存からの脱却には原発が欲しい
      フィンランド。
  ・そうした国を相手に、原発技術への絶対的な自信から自国はおろか世界の原発
   化を指すフランス。
  ・一方、風力とバイオコージェネで脱原発はおろか脱化石燃料をも目指すデンマー
   クやスウェーデン・・・といったところでしょうか。

▼こうしたなかで例えばドイツについては・・・

2002年に一旦脱原発を決めソーラーや風力の導入を進めてはいたのですが、政権が変わり目標を緩めた矢先に起こった福島の事故で、再度方針を転換し新たに2022年までに脱原発と決めました。

そんなドイツに対して日本では“自然エネルギーの買取制度は破たんしかかっている”とか、“脱原発と言っても隣の原発電力を輸入するなら同じ”といったことが言われていますが、そのドイツでは首相の諮問を受けた「倫理委員会」が脱原発に至る際の6ヶ条の条件を策定しており、その中にはこんな条項も・・・
   ・隣国の原発で作られた電力を安易に輸入しない
   ・再生可能エネルギーの加速的拡大に安易に頼らない

そんなルールを守りながらどうやって脱原発を達成するのかというと“徹底した省電力の推進”と“過渡的には高効率ガス発電(大規模集中)とガス・コージェネ(小規模分散)”ということのようです。

ドイツはもともと電力の輸出国であり脱原発をしても輸出余力が減るだけのこと、また再生エネルギーの買取価格もどんどん訂正され、ここ数年でほぼゼロになってしまうようです。

ですがここ当面はガス火力の助けを借りながら徐々に再生可能エネルギーを増やし、2022年には脱原発、そして2050年ごろには脱化石燃料をも狙うとのこと。

ところでそんな方針を策定するほどに大きな影響力を持つ「倫理委員会」については下記のサイトに概要が紹介されていますが、まさに必見ものです。
  http://webronza.asahi.com/synodos/2012072700002.html
    このリンクもつながらなくなっていますので、以下のリンクに張り替えます。
  http://synodos.jp/international/1553

  http://www.nikkeibp.co.jp/article/reb/20111108/289865/

また委員会の報告書自体も60ページの大作ですが、読み応えがありますのでこちらに・・・
  http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/dai3/iidasiryou2.pdf

この本や「倫理委員会」の記事を見ていると、どうやら欧州の脱原発を目指す国々は本気のようです。そして脱原発の向こうに脱化石燃料をも視野に入れています。

もちろん全欧州をつなぐ電力融通網があればこそ成り立つ面はありますが、単に電力エネルギーだけでなく熱エネルギー全般の節減を目指しており、産業革命という革命が欧州で起こったように、この50年で再び起こりそうな気配の“グリーンエネルギー革命”もまた、欧州発となるのかもしれない、そんな感じがしはじめました。・・・ん、考えすぎ?


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# by C_MANN3 | 2014-08-14 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆脱原発に向かう・・・思いの軌跡

[2012.11.1載] 3/11以降、少しずつ脱原発に傾いていった自分自身の気持ちの流れを多少なりとも整理し、振り返ってみたいと思って纏めてみました。
 
▼まずは原発事故後の数週間・・・
 
毎日流れるテレビや新聞のニュースを眺めながら思ったことは以下の二つでした。
   ・これはきっかけは未曽有の天災だったかもしれないがその結末は人災。
   ・そして天災であれ人災であれ、いったん起こると被害はとんでもなく深く、
    そして広範囲に及ぶ。

原発はもともと幾重もの多重防護で固められているもの。最初の防護が想定を超える津波で突破されたとしてもその後には何重にも防御のチャンスはあった。それがこと如くが破られ、最後の頼みの綱として設計されていたガードは日頃訓練したこともなく活されるすべもなかった。
 
なのに政府や東電からは想定外の津波、そして想定外の震度による設備の損傷といった見解が繰り返される。そしてその当然の帰結として、そんなに危険な原発ならばと浜岡の強制停止につながっていきます。

ですが人災を認めず想定外の天災やそれに耐えられなかった設備のせいにすることは責任回避、話のすり替えではないか。(もちろん今回の事故でいくつもの改善点は露わになったとしても)原発システムのそれ自体がそれほどとんでもないものだとは思えない。少なくとも電力不足が目の前で確実視される時点で浜岡を生贄にして止めるのは原因と責任の全てを設備のせいとするすり替えだ・・・と当時は思っていました。
 
▼しかし事態はますます深刻に・・・
 
事故現場は益々ひどい状況になり、被災地域の惨状も毎日のように報道される中、政府や東電の説明は二転三転し、対応の不備や備えの無さが日ごとに露わになる中で思い始めたことは以下の二つでした。
   ・これほどの惨状を招く原発はやはり順次廃止していくしかない。
   ・もし原発システム自体は改善され安全性が増すとしても、今この惨状を
    とりまいている政府や電力会社、識者といった、こんな関係者にその
    運用をゆだねるわけにはいかない。
    そして信頼できる担い手がいないのであれば廃止もやもうえないと・・・

ただ一方で電力事情のことを思うと熟慮された脱原発のスケジュールは必要。当時の菅首相のソーラーを一千万軒の家庭の屋根に設置すれば原発は不要といった乱暴な発言が流れていましたがそんな無責任なものではない。
 
▼そこに原発運用40年限度の方針が・・・
 
これなら代替電力を整備しつつ脱原発を図ることができる。そこで思ったことは以下のふたつでした。
   ・ただ、その置き換えはソーラーや風力といった不安定電源ではない。
   ・まずは40年廃炉のスケジュールに同期して確実なLNG火力発電所を整備し
    追っかけて、ないし並行してソーラーや風力にも取り組むべきだと・・・
 
▼そして未来のエネルギー三択のパブリックコメント募集が・・・
 
当然私は40年限度に見合った2030年での原発15%論のコメントを出すつもりでした。ですが、その議論の中での原発推進派のなりふり構わぬ強引な公聴会運営、電力不足の脅迫1点張りで代替火力の準備にも冷淡なままの関電での大飯原発再稼働・・・そうした一連の動きを見ているとこうした人たちに穏やかな出口戦略を提示しても聞く耳はなさそう・・・極論には極論しかないという気持ちが強くなり、いざ出したパブコメは気が付くと0%提案に。そして集計の結果は民意も過半が0%でした。
 
▼結果としての近未来の(私の勝手な)予想は・・・
 
結果として政府の新エネルギー戦略は2030年代に原発ゼロと策定されました。そして何よりもゼロへの備えとしてLNG火力や石炭火力の活用、コージェネの普及促進、広域電力融通網の整備といったことにも言及されました。政権が変われば揺り戻しもといった見方もありますが、一応その方向での動きは大きくは変わらないのではないかと思います。
 
そんな中で政府の方針は“安全が確認され次第いったん全基数を再稼働”ということです。一方で市民の感覚は“安全でかつ、必要な基数を再稼働”です。そして今節電をするならばほとんど原発が無くても夏も冬も賄えるといった実感を持ちつつあるのが現状です。
 
まず安全の確認については新しい規制委員会のもとで仕切り直しが行われていて、全基数が安全ということにはなりそうもない。そして来年の夏には間に合いそうにない。安全合意に時間をかけているとその間に節電は定着し、曲がりなりにも代替電力も増えてくる。そうした“安全なら”と“安全かつ必要なら”の勢力のせめぎあいの中で・・・おそらく2030年に至る過渡期の最大台数は10基、多くても20基を超えることはなく、もしかしたら5~7基程度に収まってしまうのではないか・・・そんな勝手な予想を感じ始めています。問題はそんな日本でいいのかということなのでしょうが・・・
   ・もはや原発はそんなにたくさんなくても極端な節電は必要ない。
   ・燃料費が増大するというが、LNGの価格は下がる。
   ・現在の買取価格のままでソーラーが急増すれば電気代は上がるが、価格
    変更がなされれば落ち着き、LNG電力は実質的な原発コストと変わらない。
   ・産業の空洞化というが、昨今の家電業界などの行き詰まりや経済の低迷
    は電力だけのせいではない。
   ・原発を順次LNG発電に改造する等の知恵で立地先の経済困窮緩和も可能。
   ・あれやこれやで事故の後始末や廃棄物最終処分のめども立たないままの
    原発を脱することができるなら、LNG火力経由の自然エネルギー世界への
    道というのも決して悪い選択ではない。
 
今も続く週末デモの人たちの(多少不便で割高でももう原発はいらないという)素朴な思いに対して“前後を顧みない反対のための反対”という見方があるようですが・・・だったら一方の何が何でもほとぼりが冷めれば元の原発ありきの世界に戻そうする人達の論理にも同じく合理的な説得力はない。反原発の運動が盛り上がっているからこそ、原発継続派のなし崩しの展開を阻止できている面もある。
 
今の日本はこと原発に関してはアクセルとブレーキが同時に踏まれてるようなもの・・・エンジンやブレーキが焼き切れてしまわないうちに合理的な落としどころを見つけて、合意形成することが必要なんですよね。
 

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# by C_MANN3 | 2014-08-12 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆新エネルギー戦略決定・・・風穴があきましたね。

[2012.9.17記] 首相を含めた関係閣僚が出席した「エネルギー・環境会議」で新たなエネルギー戦略が方針決定されて三日が経ちましたね。せっかく思い切って30年代に原発ゼロ%を目指すと打ち出したのですが、結果は選挙目当て、矛盾だらけ、具体性が無い・・・と散々な評判です。
 
ですが方針をよく読むと文面としては凄くよくまとまっていて包括的になってきた感じもあり、もう少しお褒めの言葉もあってもいいと思うのですが・・・

http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2012/pdf/20120914senryaku.pdf

第一章・・・40年限度厳守、新増設はしない、2030年代にゼロを目指す、の脱原発三原則。
第二章・・・節電と再生エネルギー、第三章・・・安定供給のために火力を重視、第四章・・・電力システムの改革、第五章・・・地球温暖化の25%削減を明確に。

世間の目は第一章の原発比率や年限ばかりに向きがちですが、今回の注目点は何と言っても第3章の火力です。
原発にお引き取り願う後継としては再生エネルギーと火力が車の両輪と位置づけ、やっと火力に真正面から言及。しかも火力はLNGやコージェネだけでなく、石炭火力もありと。そうなると問題になるCO2の25%目標は第五章を設けてハッキリ見直しになると言明。
 
エネルギーのポートフォリオとしては、すごくバランスが良くなり、遂に未来に向かって風穴があいたという感じです。確かに言われているように選挙目当てのきれいごとの面はあるのかもしれないし、未消化で矛盾を残したままの所もあったとしても、これが一つの方向性になることは確かです。
 
こうして打ち出された以上は曲がりなりにも、それと整合性のある形での施策や予算措置がとられます。現にコージェネ優遇の予算措置が取られ始め、シェールガス権益には国の資金も投入され始めている。火力発電建設の最大のネックのアセスメント期間も多少は短縮されそうです。
 
もともと不安定電力のソーラーや風力が原発の置き換えになるはずもなく、火力こそは原発に憂いなくお引き取りを願うための快速、豪直球です。今回の方針決定でそれが加速されるなら、その効果が出始める2020年ごろには日本のエネルギーの状況は一変しそうです。
 
現在は「原発が無ければ計画停電不可避」、「割高な再生エネルギー依存で電気代を高騰させるか安価な原発か」と脅迫まがいの議論が続いていますが、2020年には「もはや原発は不可避ではないが、やや割安な原発はいかが?」といった程度の落ち着いた冷静な議論になっていそうです。
 
コストにしても大盤振る舞いの再生エネルギーに置き換えるから高くなる。ソーラーを抑制し石炭やLNGの比率を高めれば安価なシェールガスの普及と相まって様相はかなり変わりそうです。
 
ところがそれほど威力のある第三章なのに、閣議決定の翌日の朝日新聞では・・・結構スペースを割いた政府文書の要約でなんと第三章のみは“省略”とたった2文字でおしまい。そんな感覚でまともな世論の喚起が出来るのでしょうか?
 
でもものは考えよう・・・第1章と違って話題にもならない第3章なら変な横やりが入ることもない。着々粛々と実行されれば2030を待たず、2020年に決着がつきそうです。

それにしても政府としてはとりあえずはこんな方針を掲げておいて、安全が確認され次第極力早く全基の再立ち上げをしたいのでしょうが、“2030年代には原発ゼロ”と出口がふさがれると入口の風も止まってしまう。来年の秋、大飯が止まると次の再稼働にはまたぞろ反対運動が盛り上がり、全基再稼働どころか5~10基とまとまった基数が立ち上がるのに3~5年かかるんじゃないかと・・・意外とそんなことになりそうな気配もありますよね。


◆その後の顛末について追記(2012.9.19)・・・

せっかく策定した方針ですがその後、国内外からの強い反発を受け政府はほんの数日で一転トーンダウン。一旦決定していた新エネルギー戦略(上記リンクの文面)自体の閣議決定は見送りそれを参考文書とし、“戦略を踏まえ不断の検証と見直しを行いながら推進する”との文言のみを閣議決定することになったようです。

ただ参考文書に格下げになったとはいえ、戦略文書は原文のまま残り、その中で今回横やりが入ったのは“ただ一点”、第一章の原発ゼロの文言です。 こうなると戦略文書の中でもクレームの付かなかった第三章を黙々と実施することがますます重要となってきます。もともと第一章の将来の原発比率などはその結果としておのずと決まる(ないし、まともな議論ができるようになる)性質のものなんですから。

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# by C_MANN3 | 2014-08-10 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆2030年の原発、パブコメを出しました。

[2012.8.12載] 内閣府が募集していた“2030年のエネルギー選択”に関するパブリックコメントを本日、Web提出しました。以下は、その全文です。
------------------

■意見の概要欄(文字数が制限され100字以内。twitterより短い)

2030年時点での原発はゼロとする。但しその代替を不安定な再生エネルギーに過剰に頼ることは非現実的である。まずは投資効率が高く確実に原発代替電力が確保できるLNG火力を基軸にシナリオを描くべきである。

■意見および理由欄(文字数制限は2500字以内らしい)

◆脱ないし減原発は必須の国民合意

今回の原発事故の被害の甚大性、進まぬ後始末を見ていると脱原発は必須であり、かつそれは政府でも決定済みの基本方針のはずであり、また各種の世論調査から見ても大多数の民意である。

従って、今回の政府シナリオの内、③の原発20~25%案は許容できない。しかし①の原発ゼロ、②の原発15%シナリオも内容としては過剰に再生エネルギーに頼った案であり、確実で迅速な減原発のシナリオにはなりえない。

◆まずは火力による電力の安定確保

早急で確実な脱原発を達成するためには、まずLNG火力で必要限度の電力を確保し、しかる後ゆっくりと再生エネルギーへの転換に取り組むべきである。また火力は以下の区分で施策を実施すべきである。
   ・まずは既存火力の掘り起こしとその高効率化
   ・新規LNGコンバインドサイクル建設の加速
   ・常用コージェネ自家発電普及の促進

この内、既存火力の高効率化分は実質的にCO2発生ゼロ、燃料費ゼロの電力と考えることができる。従ってソーラー等の再生エネルギーに投入しているのと同等の政策的支援を講じて実施を加速すべきである。

常用コージェネ自家発電は短期間に設置が可能な点が有利である。余剰買い上げの制度を整備するとともに現在は主要都市部に限られるガス導管インフラの拡大を優先事項とすべきである。

◆原発の再稼働は安全が前提で、かつ必要最低限度に

電力危機と騒がれた今年の夏、ピーク電力は休眠火力の掘り起し、一定の節電、そして広域融通があるならば原発は2基でも乗り切れることが証明されつつある。この実績は厳然たる事実として認識すべきである。

それでも一部の電力管内では逼迫した場面もあったことを考慮して、安全確保を前提に新設火力が立ち上がるまでの間、もう少し再稼働台数を増やすとしても7~8基を超える再稼働は不自然である。

その結果必要となる廃炉については急がないが、廃炉の際はLNG火力発電への改造を選択肢として考慮すべきである。これにより蒸気タービン発電設備、送電設備、保安設備等が継続利用できて投資が節減できるとともに地元への経済効果も継続できる。

◆ソーラーは効力を区分して取り組むべき

ソーラーはピーク需要時の脱原発の設備置き換えに寄与する《優先確保ソーラー》と、それを上回る設備でCO2低減や化石燃料輸入量節減にしか貢献しない《選択確保ソーラー》に区分して取り組むべきである。

《優先確保ソーラー》
たとえソーラーが潤沢に確保されたとしても、日没後の19時台の負荷は(原発を含めた)火力で対応せざるを得ない。従って、ソーラーがピーク時の発電設備としての(原発を含めた)火力の置き換えとして機能するのは昼間の最大負荷と19時台負荷の差の部分である。この量を今夏の全国のデータで集計すると1000~1500万kW(これは政府シナリオの1/4の規模である)となるが、これが優先確保ソーラーであり、この部分については買取制度等のインセンティブを設けて優遇することも価値がある。

《選択確保ソーラー》
CO2低減や化石燃料輸入量節減にしか効果を持たない選択確保ソーラーについては既存火力の高効率化といった他の選択肢との費用対効果を見極めたうえで導入を図るべきものである。
例えば既存の100万kWのLNG火力をコンバインドサイクルに改造すると効率アップで実質的に50万kWの燃料代ゼロ、CO2発生ゼロの電力を確保するのと同じ効果がある。

もしこの50万kWに見合った年間kWhをソーラーで賄うなら(設備の有効利用率12%で)定格420万kWのソーラー設備が必要で設置費は1.4兆円となる。これはどう考えても得策ではない。少なくともこの部分にまで42円の買取価格を設定することは無用である。

◆風力買い取り枠の拡大

今回は買取制度の発足と同時に風力買取り枠が問題になったが、その限度枠を決めているのは(送電線の話だけではなくて)どうやら深夜の電力需要が少ないときに突然風力が目一杯発電をした際に火力発電の“下げ代不足”が発生することのようである。

ただその数値は原発がベースロードとして稼働していることを前提にしたものであり、減原発が始まった今、その理由による風力の買取枠は見直すべきである。

またこの種の議論では決まって発送電の分離が話題になるが、この話は電力会社のメンタルな問題というよりは下げ代とのバランスや潮流といった技術的な問題であり、どこのどの組織が担おうとも変わらない課題である。それを電力会社の体質や制度の問題にすり替えて不毛な議論にしてしまうことは事の本質をうやむやにするものである。

◆議論には原発の原価の適切な反映を

今回はたとえばソーラーに異常な買取価格を設定したこと等で、原発比率を下げて再生エネルギーの比率を上げるとコストアップで国民経済が云々、といった議論がまかり通っている。

しかし原発は各種の政策的交付金、今後の後始末といった途方もない外部不経済を隠し持っての安価な電力である。そうした費用を極力電力会社の直接負担や引当金として反映させることにより、その他のエネルギー手段とより経済合理的な比較判断がなされるようになることを望むものである。   ・・・以上。

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# by C_MANN3 | 2014-08-08 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆ソーラーの効用限界・・・

[2012.8.8記] 猛暑が続いています。残暑も考えるとあと一か月は電力の心配が続きますが、どうやらこの夏はたった二基の原発で乗り切れてしまえそうです。

毎日ホームページで公開されている日内の電力グラフを見ると、どの電力会社管内でも昼間の節電効果が顕著に出ています。
かつてのように午後2~4時に大きく膨れ上がっていたパターンから山がなだらかな丘状になり、曇っている日に至ってはピークが午前11だったり、夕刻の19時台だったりしています。  (添付のグラフや表をご参照ください)
b0050634_13122896.png

▼そこで今日はソーラーの効用と限界について・・・

《まずは有効なソーラー》
 
ピークが穏やかになったとはいえ晴れた日の午後に電力消費が大きくなることは確か。ですがソーラーがあろうとなかろうと日没後の19時の電力負荷は(足らなければ原発を含めて)火力で担うことになる。

ですからソーラーで火力(や原発)の設備を低減できるのは、晴れた日の昼間のピークと夕刻19時の差の分であり、これがもし潤沢にソーラーがあればソーラーで補えるはずのゾーンとです。この範囲では(曇っているときは電力需要も盛り上がらないから)バックアップ不要の有効設備となります。

添付の表に示す通り、これを実際のデータで集計すると9電力管内の合計で概ね1000万kW、つまり今の日本では(脱原発とかの代替発電としての)有効なソーラーの容量は1000万、多く見ても1500万kW程度が限度ということになります。

《あとは余計で過剰・・・》

ところが今回の政府の原発比率の選択肢ではどの案でも2030年のソーラーを設備容量で6000万kW(年間666億kWh)としています。ですが有効ソーラーを超える分は余計、少なくとも42円で買い上げるといった過剰な費用をかけてまで設置する必要はない。 (追記⇒ドイツではこの4月からソーラーの買取価格を順次下げていき、5200万kWに達した時点で買取を打ち切るとのこと・・・)

いや、その分高い化石燃料の輸入とCO2の削減がなされるということなのでしょうが・・・
例えば既存の100万kWのLNG火力をコンバインドサイクルに改造すると効率アップで実質的に50万kWの燃料代ゼロ、CO2発生ゼロの電力を確保するのと同じ効果がある。
もしこの50万kWに見合った年間kWhをソーラーで賄うなら(設備の有効利用率12%で)定格420万kWのソーラー設備が必要となり設置費は1.4兆円となる。どう考えても得策ではないですよね。

しかも国民負担から見てもkWh当り42円もの費用を負担するぐらいなら、たとえ高くてもLNGを輸入してもらってその燃料代サーチャージを払った方が安くなりますよね。

《結局の結論として・・・》

ソーラーの買取価格は早急に適正化し普及も有効ソーラーの範囲内とした方が良い。そしてその費用で既存火力の高効率化や増強を図るべきなんですよね。それが一番確実な脱原発の出口戦略です。

8/12締め切りのパブリックコメントにはそんなことも書いてみようかな・・・などと。


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# by C_MANN3 | 2014-08-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆風力買い取り枠満杯の裏には原発再稼働の指定席・・・

[2012.7.5載]ついに大飯原発3号機が立ち上がってしまいました。フル稼働は9日だとか・・・
ところで7/1から始まった固定価格買い取り制度、その中で風力発電がいきなり買い取り枠限度寸前だと・・・

http://www.asahi.com/business/update/0701/TKY201206300596.html
この記事へのリンクは現在つながりません。
ですがこの記事のpdfをネット上にアップされている方を発見しましたので、そこにリンクさせていただきます。


http://image02w.seesaawiki.jp/w/t/wkmt/2a33fe747344bcd1.pdf

全量買い取り制度と言っていながら買取限度枠というのも変ですが、それがいきなり満杯になる理由も不明瞭。出力変動が大きいとか、送電線に余裕がないだとか言われますが・・・それが理由ならソーラーも似たようなものだと思うのに、なぜ風力だけに枠があるのか?

不思議に思って色々と見ているとだんだん判ってきました。限度枠の裏には原発が控えているようです。
ソーラーや風力は出力が不安定。よって電力会社は出力が無くなれば電力会社の火力で補う。そして気まぐれに出力が大きくなれは火力を下げて需給のバランスを取る。
風力の限度枠を決めているのは(送電線の話だけではなくて)どうやら深夜の電力需要が少ないときに突然風力が目一杯発電をした際に火力発電の“下げ代不足”が発生することにあるようです。(その点ソーラーは深夜には発電しない)

でも本当だろうかと思って各電力会社の深夜の需要と風力買い取り枠を比較していくと一見、タップリ余裕がある?
なのになぜ?と思ったのですが、実は原発が再稼働しベースロードで運転され始めると深夜はそれでほとんどが賄えてしまって火力発電の出番が小さくなる。そこに風力の大量発電がくると小さな火力発電では下げ代が足りなくなる。

つまり風力の受け入れ限度は“深夜の需要電力-(ベースロードの原発+水力)”の値で決まってしまう。それで北海道電力や東北電力は深夜の原発ベースロードを東京電力に買ってもらって(その分火力を増やし)風力枠を広げようといった計画もあるとか・・・

そんな事情が下記の記事の中の図をクリック拡大して見て頂けるとよく分かります。
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20120703_544375.html

風力の限度枠の計算にはバッチリ、原発が全量再稼働できる座席指定が確保されているんですよね。脱原発も、減原発もまったく計算には入っていないということです。

どうやらこれ以上に風力枠を増やすためにはまず減原発が必要!

原発を一基諦める決心をするごとに100万kWの風力枠が増える。風力が普及するとおのずと脱原発が進むというのはウソ。まず脱原発(そしてそれに見合った火力発電の確保)をしなければ風力は動けないという構図のようです。

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◆(2012.10.23追記) 風力買い取り枠について今朝の朝日新聞で・・・

今朝の朝日新聞一面トップの記事には仰天しました。大見出しで“風力購入枠過少見積り・・・電力6社、原発優先を変えず”と・・・

これってこのブログ記事とそっくりの論旨なんですよね。この記事を書いた7月の上旬、固定価格買い取りが始まっていきなり風力の買い取り枠が満杯との記事が流れていた当時の新聞やTVニュースのコメントでは風力は不安定だとか、送電網が不足とか・・・ちょっと考えるだけでも疑問の湧いてくるプレス発表鵜呑みとおぼしき理由がそのまま流れていました。

それがどうして今頃になって“裏に原発の再稼働枠”といったことが一面トップの記事になるのか・・・がっかりてす。ですがやっとそれに気が付いたのか、朝日新聞が各電力会社に問いただしたところ、原発がフルに再稼働することを前提にした買い取り枠であることは認めたが、今の時点で枠を広げるつもりはない(つまり50基フルに再稼働するつもりでいる)とのこと・・・

もうどう考えても、そしてたとえ一時的にせよ、再度50基の原発が一斉に再稼働することはない。なのに電力会社は安全性の確認さえ取れれば再び以前の世界に戻れると思っている節がある。やはり日本もスウェーデンと同じように2030年にゼロかどうかといった議論だけでなく、そこに至るまでの原発再稼働の過渡期最大枠を宣言した方がすっきりする気がします。
原発は“安全が確認されて且つ必要限度”の基数が再稼働する、 従って過渡期最大でも全国で20基(基数は10でも30でも良い)を超えることはないと決めてしまうと、各電力会社もIPPも火力や風力の建設に踏ん切りがつくというものです。

ところで肝心の今朝の朝日新聞の記事は以下のところにリンクを・・・ただし会員でないと全文は参照できません。無料会員でも登録可とはなっていますが、出来ればこうした記事は一般枠で掲載してほしい。そしてエネルギー問題では技術的な背景が日頃なじみのない世界でもあり、もっと突っ込んだ分析や解説をタイムリーに出していってほしいですよね。それがマスコミの使命と言うものです。

http://www.asahi.com/business/intro/TKY201210220578.html?id1=2&id2=cabcbacd&ref=twitter
この記事にも現在リンクがつながりません。



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# by C_MANN3 | 2014-08-04 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆ついに原発再稼働の首相記者会見・・・

[2012.6.8記] ついに今日、大飯原発再稼働の総理宣言が出てしまいました。

私はもともと今夏の電力危機を思うと基数、期間限定の再稼働はやむなしと思っているのですが、今日の記者会見を聞いていても安堵の念はなく、ますます出口が見えなくなる手詰まり感を感じてしまいました。

今なお出口が見えない福島原発が横たわっている以上、私の暫定再稼働論はあくまでも脱原発がベース。かくなる上はは官民挙げてLNG火力発電の立ち上げを急ぎ、それが動き始めるまでの数年間の基数を最小に限絞っての再稼働容認だったのですが…

粘り強く繰り広げられた周辺地域の首長と関電のやり取りの中ではついに火力発電建設の話も、原発40年厳守の確約もとれず、脱原発はおろか減原発の意思すら感じられないままです。

今日の総理の会見でも安全の確保は確認できたというがなぜ安全なのかの根拠は不明。脱原発の方針は変わらないというがその方策は相変わらず再生エネルギー任せです。

脱原発が本心でかつ少しでも急ぐなら一旦LNG火力へのシフトは避けられないはずのもの。会見の弁舌はさわやかでしたが、結局は脱原発への工程表も、それを加速する手立ての表明もないままの後味の悪い、空しさだけが残る会見となってしまいました。
 

ただ・・・橋下市長のいう3ヵ月の暫定稼働は叶わなくとも13ヵ月後には再度止まる。国も電力会社も大型LNG火力には言及さえしたくないようですが大手ガス、石油会社や有力自治体の建設計画は動く。そして遅かれ早かれシェールガスも日本に届く。

何回再稼働しても13ヵ月ごとに訪れる仕切り直しの中で、1年を経るごとに電力不足や燃料高の料金値上げの口実は通りにくくなり、原発温存と脱原発のパワーバランスは変わっていく。その日まで、気持ちを風化させないことが肝要・・・そんなことを改めて思った今日の総理会見でした。


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# by C_MANN3 | 2014-08-02 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

   ・・・“エナジー&カーボン”はさらに続きます・・・

b0050634_21564685.jpg

エナジーの話はさらに続きます。
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# by C_MANN3 | 2014-08-01 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆ついに原発ゼロ!・・・でもこれって束の間?恒久?

[2012.5.12記] ゴールデンだったはずの連休は水害、竜巻ととんでもない傷跡を残して終わってしまい、気が付くと日本は原発ゼロの国になってしまいました。ですが、このゼロは世界に先駆けた本格的なゼロの始まりなのか、束の間のゼロなのか・・・様相は益々混迷しているかのようです。

再稼働強行突破を目指して着々と事態が進行しつつあるかの情報と、遂に諦めて再稼働が無い場合の準備を始めたかのような情報が入り乱れていて、ここしばらくはニュースから目が離せません。

そうした中で唐突に家庭用電気料金の時間帯別制の話が急浮上しています。もともと家庭にスマートメータを普及させ、見える化によって各家庭での節電を促す構想であり、必要が叫ばれていながら肝心のスマートメータの導入が進展していなかったものなのですが、なぜかここにきて急浮上。

どうやら節電というよりは値上げの話を通りやすくする便法のような気がしないでもない。

そしてよく見てみると中身も分かりにくい。昼間の時間帯の料金を大きく上げるのは予想通りだとしても、なぜか深夜を値下げしてその分をさらに昼間に積み上げている。結果として昼間の値上げがトンでもない値上がり率になっている。結果として一日に三段階の料金があり複雑で結局損得がよく分からない不思議な料金体系です。

昼間のピーク電力を下げることが目的なら、なぜ深夜の料金をわざわざ下げる?

もともと深夜が安かったのは夜間の減速ができない原発電力の投げ売りのためであったはず。ところが今では原発を停止するなら夜間の揚水発電準備はできないなどと言っている矢先に、深夜に電力使用を誘導する制度は不自然。

どうやら電力会社の頭にはこの期に及んでなお、原発が前提、そして(販売自粛しているはずの)深夜に湯を貯めるオール電化を更に推進といった発想が抜けていないことが丸見えの家庭用電気料金制度といった感じを持ってしまいます。

この制度、ピークシフト料金というようですが、時代の空気にはなじまないですよね。ピークカット料金とすべき。そして何より、余計な料金変更などと組み合さなくてもスマートメータの普及で見える化さえ推進すれば家庭では料金インセンティブなどなくてもピークカット節電には協力しますよね。

《そこで私の提案?》
スマートメータを付けた家庭には今回の値上げを朝8時から夜の8時までにのみ実施する。見える化でその時間帯の節電に努めた家庭ではその分値上げが相殺できる。
昨年の夏の東京の実績では、もうピークは昼過ぎとは限らず、夜の7時頃にずれ込む日も多いんですよね。


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# by C_MANN3 | 2014-05-18 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆発送配電分離の危険・・・

[2012.3.12記]昨日は3.11から丸一年ということで日本だけでなく世界各地で反原発、脱原発のデモのニュースが流れていました。そんななかで、日本ではこの夏に向けての原発再稼働と発送配電分離や東電の経営権をめぐってバトルが続いていますが…今、味わい深い一冊の本が出ています。

題して「電力改革」~エネルギー政策の大転換~、橘川武郎著、講談社現代新書2145

明治以来の日本の電力事業の経緯を踏まえて“リアルでポジティブな原発のたたみ方”を説いた本なのですが、その中に気になる記述が出てきます。
IPP、自然エネルギー等々、発電の自由化は進めるべきだが、日本では発送電分離は急いで決めるべきではないと・・・
日本の電力の特徴は高い系統運用能力にある。そしてそれを支えているのは発電と系統設備のバランスの取れた投資、そして何より電力会社の“決して停電を起こさせない”という現場力。
今電力会社のあり方がきつく問われてはいるが経営陣の姿勢や経営のまずさと現場を支える人たちの現場力は分けて考えるべきであり、発送配電の分離はその現場力をそいでしまう懸念があると・・・

確かに貯蓄が効かない電力にとって送配電は単なる通路ではない。系統隅々までの電力の過不足をモニターし、一瞬たりとも過不足が無いように発電量や系統の電位を調整することが必要。そのためにはいつでも自由に増減できる一定量の自前の発電は必須。自前の発電力を全く持たずに需給調整するというのは酷な気もします。

言ってみれば今はやりのスマートグリッドで、発電機はなくても電線とコンピュータさえあれば需給はバランスさせられると言っているようなものですよね。
明治以来の抜本的な電力改革につながる発送配電分離は、少なくとも原発事故のエネルギー不足のどさくさに紛れて決めてしまうようなものではないのかもしれませんね。

ところでこの本、てっとりばやく最近のエネルギー危機の傾向と対策を窺えればと読み始めたのですが、第二章でいきなり明治以来の日本電力産業史に入ってしまい、最初はちょっと戸惑いました。

ですが読み進めるうちにやはり今回議論されているような大転換は単に外国がそうだからというのではなく、自国の歴史的な観点も踏まえて判断すべきとの著者の思いも理解できるような感じがし始めました。
また産業史自体も面白く、当初は高い志で日本の近代化をけん引してきた電力業界が、いつしか官僚的な事業者に変質していった経緯といったことも窺えるお勧めの好著です。

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# by C_MANN3 | 2014-05-16 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆LNGをとりまく風景・・・環日本海ガスパイプライン網

[2012.2.23記] 世界中がエネルギーのガスシフトをしている中で日本は後れを取っています。
以下の話はガス価高止まりを突き崩す話とも関係するのですが、石井彰さんの本「エネルギー論争の盲点」などによると、日本は実はサハリンから東京までのパイプライン構想を葬りさった経緯があるんですよね。そしてその陰に何が何でも原子力発電の優位性を守ろうとする人たちの画策があったという話も・・・

で、結局サハリンガスは日本にはLNG船のピストン輸送で関東に来ている。

でもそんな日本を尻目にサハリンガスの主力は海底パイプラインで大陸に渡り日本海を取り巻くように北西岸を南下し今ウラジオストックまで届いていて、朝鮮半島の先端まで延伸する計画もある。
極東に限らず今ユーラシア大陸では巨大なパイプライン網が出来つつある。堀江則雄さんの本「ユーラシア胎動」にはそんな様子が詳しく描かれています。

やはりサハリンから北海道への海底パイプラインは今からでも再挑戦すべきではないか。そして日本側でサハリンから福岡に至るパイプラインを設置するならば壮大な環日本海パイプライン網が形成される。

そして要所要所で都市近郊の地域ネットワークや今後も続くLNG陸揚げ基地とも接続することで列島を覆う一大パイプライン網ができる。そこでは電力の“発電と送電の分離”に類似していろんな由来のガスの託送が始まり、買い手が売り手を選ぶ自由市場が形成される。

これからの日本はもはや道路や新幹線といった交通インフラばかりに金を使わずに、都市近郊のシティガスパイプラインの延伸拡大、そして環日本海ガスパイプラインの一環としての列島ガス動脈といったガスインフラの建設に資金をシフトすべきです。我慢と自然エネルギーへの神頼みだけでは日本列島はよみがえらないですよね。

◆(2012.11.5追記)サハリンから茨城へ直通の天然ガスパイプライン

ここの記事で“環日本海天然ガスパイプライン構想”などと勝手な事を書いていたのですが・・・
昨日の朝日新聞によりますと、サハリン1の天然ガスを海底埋設のパイプラインで三陸沖を通って茨城県まで引く計画が再浮上しているようです。前回は電力会社の妨害というか不熱心でとん挫したとのことですが、今回はもしかしたら実現するかもしれませんね。

工事には5~7年を要するとのことですが、本当に2017~20年頃にはウラジオストックからのLNG、米国からのシェールガスと相まって今よりは低コストの天然ガスが日本にあふれ始めるのかもしれません。そしてそのころまでには百万kW単位の高効率ガス火力発電所が原発換算で10基を大きく上回る規模で稼働し始めているはずです。

http://www.asahi.com/business/intro/TKY201211030641.html?id1=2&id2=cabcbbae   この記事には現在リンクがつながりません。

◆(2012.11.22追記)・・・かと思うと電気で輸入という話も

先日の新聞記事によると、サハリンからはLNGだけではなく、サハリンに大規模な天然ガス火力発電所を建設し、その電力を海底ケーブルで日本に送るという構想もあるようです。
意外と手っ取り速いのかもしれません。そしてこれが実現しますと日本もヨーロッパ並みに電力国際融通の時代を迎えることになります。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1607H_Z11C12A1MM0000/

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# by C_MANN3 | 2014-05-14 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆この冬の節電状況推移

[2012.2.15更新終了]原発が順次止まったまま動かない中で寒さはまだまだ続きます。そうした中で各電力会社管内の節電状況はいかほどなのかが気になるところであり、昨年の夏に続いてこの冬も電力会社のホームページで公開されているデータをもとに節電状況を集計しています。このページは三月の半ばまで定期的に更新しますので折に触れてご参照頂ければ幸いです。[2012.1.8開始]

◆東京電力管内
下図は毎日の最大電力の前年相当日との対比と、毎日の平均気温の前年相当日との差、そしてさらに電力の余裕率(=1-使用率)を推移グラフにしたものです。
b0050634_2323245.png
最大電力の増減と気温の差が見事に相関を持っていることがわかりますが・・・

上記グラフの内、直近4週間を見ますと最大電力は前年相当日対比で平均96%(4%の節電)となっていますが、この区間の平均気温が前年相当日に対して0.8℃低下しています。別途相関を見ますと気温1℃当たり2.0ポイント(%)の変化がありますのでそれを考慮すると結果は現在、
前年対比4%の節電状態で推移しており、
余裕率(1-使用率)は現在平均で12%、最緊迫日で8%となっています。

なお、東京電力ホームページの電力グラフはこちらに。

◆関西電力管内
関西電力管内についても同じ分析をしたいのですが、昨年度の時間データが公表されていないため毎日の“でんき予報グラフ”にメジャーを当てて測るしかありません。そのためやや不正確な分析となりますが、グラフ化すると下図のような推移となっています。
b0050634_2323365.png
上記グラフの内、直近4週間を見ますと最大電力は前年相当日対比で平均97%(3%の節電)となっています。この区間の平均気温は前年相当日に対して差がありません。したがって今回は気温修正がなく結果は現在、
前年対比3%の節電状態で推移しており、
余裕率(1-使用率)は現在平均で16%、再緊迫日で7%となっています。

なお、関西電力ホームページの電力グラフはこちらに。

▼2月に入った1~3日は列島を超寒波が覆い、それにあちらこちらの発電所事故が重なり緊迫した場面もありましたが、今のところ何とか無事に乗り切ったという感じです。
もうしばらくは寒気が続くようですがそんな中で余裕率は東電、関電ともに無理な節電がなかったとしても乗り切れていた結果となっていますが、今回のように事故が重なると余裕が欲しいことは確かです。

--------◆各電力会社のでんき予報◆----------
九州  中国  四国  中部  北陸  東北  北海道

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# by C_MANN3 | 2014-05-12 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆スマートグリッドの不思議・・・

[2012.2.3記] 最近よく言われるスマートグリッド・・・輪郭のつかみにくい概念で未だ明確な定義もないとのことすが、勝手な整理をさせて頂くと多分以下のような成分を持ったものなのでしょうか。

▼まず(出力が不安定なことが特徴の)風力やソーラーといった自然エネルギーを含んでいること。
▼この不安定な出力を、個々のグリッド(エリア)の中での負荷とバランスさせること。
▼そのために出力可変なローカル発電機や蓄電池、UPS等を配置すること。
▼そして発電、消費の各機器にスマートメータを装着し、その情報を使ってグリッドの中で一瞬の乱れも過不足もないように自己完結的なバランスをとるべく制御すること。

基本は出力が不安定な自然エネルギーが大量に採用されることを前提に個々のエリアでも需給バランスをとり送電網の品質を安定させることにあるようですが、これって不思議なコンセプトですよね。

本質的に出力が不安定な自然エネルギーを小さなグリッドの中に閉じ込めれば過不足が不安定になるのは当たり前。ですが大きな大海の中ではその不安定さはさざ波みたいなもののはず。
そして小さなグリッドに限れば不安定なのは発電だけではなく、負荷側でももっと急激に変化する電力負荷はいろいろと考えられる。そうした負荷を抱えながらも日本の電力は広域でバランスを取りながら高品質を保ってきたはず。

小さなグリッドを前提にした研究をしても出番は離島か砂漠の中の孤立集落か、はたまた月面基地の類しかなく日本の大勢には無縁。
そんなことを考えると、あるいは自然エネルギーは各グリッドでプラスマイナスゼロにした状態でないと送電系統の仲間には入れないとの意地悪な要求が発端の研究じゃないかと勘ぐりたくなったりもします。

それにしてもスマートグリッドの構想図に決まって出てくる庭先のEV車・・・その蓄電池がエネルギーのバランスを担うとのことですが、いざ走ろうとすると電力を吸い上げられ空っぽになっているかもしれない車というのも変ですよね。

構想のための構想、研究のための研究に終わらないことを祈りますが、そんな中でスマートメータだけは目の前ですぐにも役に立ちそうです。幸いスマートグリッドでは必要とされていたHEMSとか遠隔負荷制御といった機能は一旦そぎ落とした実用的なスペックで仕様が標準化されるようで普及が待たれます。

インターネットにつながったスマートメータと送電網の独立開放、小口電力売買の自由化が組み合わされば、時間帯別料金の設定やそれにより誘導されるもっと積極的なピークカット、余剰電力の放出といったことができるようになるのではと期待が膨らむのですが・・・

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# by C_MANN3 | 2014-05-10 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆LNG発電はどこまで確保できたか・・・

[2012.1.31記] 先日の1/27、枝野経産相は“原発の再稼働が無くても電力使用制限令を発動せず乗り切りたい。それは強い意志であり、可能性はある”と表明しました。

原発もなく、輪番操業をはじめとする極端な節電もなくてもこの夏が乗り切れるとすると、それに越したことはないのですが…そのためには相当量の火力発電の休眠設備の掘り起こしや新規稼働、あるいは市中での常用発電機の普及が進展していることが必須のはず。

そんな様子がわかればと昨年夏の東京電力の最大電力(kWhではなくkW)とそれを支えた火力発電の度合いをグラフにしてみました。

b0050634_203786.png原発事故から3~ヵ4月経過した昨年の夏、最大電力がとんでもない節電の努力で対前年比16%も低減される中で火力がどこまで支えたかというと、実はほぼ前年並み。
既に原発が相当台数停まり始めた中での火力発電なのでこの時点での目一杯の設備が稼働していたはずなのですが、それが前年並みということは少なくともこの時点では新たな設備の稼働も旧設備の復活もほとんどなかったということです。


そしてその後は・・・先日貿易統計が発表され、重油やLNGの輸入が急増したとのニュースがありましたが、この急増分はどうやらそれまでピーク負荷にのみ対応していた火力が原発肩代わりでベースロードにも対応し始めた(従ってkWhが増加、特に下期で急増)ものであり、新規に設備が稼働し始めたものではなさそう・・・
ですが、今夏に必要なのはkWhではなく、最大負荷を支える設備の容量(kW)なんですよね。

確かに動きはある。東京都はLNG火力発電所設立を計画中、大阪府は株主として関西電力にLNG発電の建設を迫る、そして東京電力や東京ガスは新たな中期計画でLNGコンバインドサイクル発電に注力すると・・・
ですが東京都は調査予算を計上したばかりの段階で調査や認可に4年かかると言うし、東京電力は資金不足で資金調達にはまず分社是非の論議から始まるようでどう考えても今夏に間に合うといったものではない。

こうした新しい動きの加速支援策を含めて、昨年の夏以降からこの夏までの間に電力需給に関わる大きな進展や計画があるのなら、そしてどこかに隠れた埋蔵電力があるのなら、ぜひ、早く、それを公開してほしいですよね。

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# by C_MANN3 | 2014-05-08 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆今夏の電力不足、勝手な試算・・・

[2012.1.25記]未だ冬の真っ盛りですが、ちょっと気の早いこの夏の心配です。

昨年の7月、政府は今夏の電力不足を▲9.2%と発表していたのですが、実は+6%の別シナリオもあったにもかかわらず隠していたなどと、愚にもつかないニュースが流れています。で、本当のところはどうなのかと、素人ながら勝手な試算をしてみました。

⇒まずは試算条件として

▼今夏の供給量は今冬の最大供給量(①)から現在の原発発電分(②)を引いたもの。つまりこの冬を乗り切るために電力会社は既に全力を出している。ただし今残っている原発は夏までにはすべて止まるものとします。
▼今夏の需要は目一杯の節減が行われた昨年の最大値(③)としました。つまり昨夏と同じ節電をするが気温は昨年並みとします。

⇒すると今夏の需給余裕(=①-②-③)の試算結果は・・・

   東京電力 5500-136-4922= +442万kW (+9.0%)で余裕
   関西電力 2841- 87-2784=   -30万kW (-1.1%)で不足
   中部電力 2507-  0-2520=   -13万kW (-0.5%)で不足
   四国電力  534-   0- 544=   -10万kW (-1.8%)で不足
   九州電力 1574-  0-1535=  +39万kW (+2.5%)で余裕

なんともう一度昨年並みの節電の苦しみに耐えるなら、原発が無くなっても需給はほぼ均衡との意外な結果となりました。

ですが気温の変化や景気の違いを考えるとほぼ均衡では余裕がなさすぎる、また昨年並みの異常な節電を再度実施では産業にも市民生活にもダメージが大きすぎる、・・そういったことを考慮すると、やはり今夏は一定規模の原発再稼働は避けられない感じがします。

かといって今回の事故の後遺症の深刻さを考えると、今夏のリスク回避を口実になし崩しに原発依存の世界に戻ってしまうわけにはいかない。しかも無策が続けばこの話は来夏やその次にも続く・・・

となると今夏の落としどころは100万kWクラスのLNGコンバインドサイクル発電建設の計画が明確に保証されることを条件にしての、基数を絞った原発暫定再稼働ということでしょうか。
なし崩しの懸念は残りますが、なにしろ原発再稼働阻止(地元知事非承認)のチャンスは13ヶ月ごとに来るんですから・・・

そして何よりもkWベースでの電力ポートフォリオの改善を加速すべきですよね。そしてその際、ソーラーや風力は(kWhベースでは役に立ちCO2やLNG輸入の節減に貢献しますが)夏のピークのkW確保の役には立たないことを共通認識として再確認すべきじゃないか、それによって補助金の配分も変わる・・・などと勝手な試算をしながら改めて思った次第です。

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◆ところが何と・・・(1/27追記)

・・・と、上記のような記事を書いていたのですが、今朝の朝日新聞等で“枝野経産相は今夏は原発に頼らず、輪番操業のような過度な節電もせずとも乗り切る方向で検討。その道を探りうる可能性はある”と発言との記事が・・・えっ?と耳を疑うようなご意見なのですが、いったいどんな打ち出の小槌をお持ちなのでしょうか。
いずれにせよ今夏の原発再稼働の是非と節電指令の規模についてはここ数ヶ月でいろんな動きが出そうです。

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# by C_MANN3 | 2014-05-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆電力会社がなぜソーラーを・・・

[2012/1/16記]全量買い取り制度の追い風もありソーラー発電が普及しつつあり、メガソーラーについても建設のニュースが相次いでいます。
こうして自然エネルギーの比率が少しずつ増えるのは素晴らしいことですが、それが電力会社によるものとなると素直に拍手をできない違和感を覚えてしまいます。

メガソーラー・・・それはつまり1000kWの発電所ということ。そしてそれは街中の工場の片隅で回っている常用発電機のほんの1機分でしかない。
メガソーラーは1万平米の土地と7億円の投資をかけ天気の良い昼間しかメガを確保できない。対して常用発電機なら数十平米の面積と1~2億円の投資で必要なら24時間365日メガ発電できる。

毎週のように百万kW単位の原発が停止していく状況の中で、電力会社には目の前の巨大な穴を埋める供給責任があるはずですよね。

メガソーラーにかける資金と土地があるならば、それをストレートに最大限の電力を安定確保できるシステムに投じてほしい。
ソーラーは孫さんや各家庭がなげなしの資金と志をつぎ込み長期のスパンで挑戦している。小規模な分散電源や四苦八苦の節電は電力のユーザー企業や家庭が自衛を兼て頑張っている。

それぞれがそれぞれの立場で頑張っているのだから、電力会社は電力会社でなれれば背負えない、そして電力会社だから背負うべき規模の電力確保に特化してほしい。ここ当面は電力会社は資金効率が悪く、規模確保の即効性に乏しい自然エネルギーに手を出すことはあえて自粛し、持てる資源の全てをかけて原発停止に見合った規模の供給力確保に邁進してほしい・・・そしてそれは百万kWクラスのLNGコンバインドサイクル火力発電所建設なんじゃないか。

業を煮やした東京都が100万kWのLNG火力発電に名乗りを上げている。拍手喝采すべき朗報ですが、肝心の電力会社からはそうしたニュースが流れてこない。

ちょっと矛盾する言い回しですが、電力会社が大規模LNG火力の建設に一斉に着手するならば、それを担保に“まずはここ当面に限った(今年の夏に間に合う)原発再稼働”への賛意も得られやすいのかもしれないなどと思ったりも・・・


◆それにしてもソーラーは今・・・

ソーラー自体には何の異論もないのですが、どう考えてもソーラーは原発の代替エネルギーにはなりえない。なのにどうしてこうまでソーラーがもてはやされるのでしょうか。

思うにこれは菅総理が“脱原発、その穴埋めは一千万の家庭にソーラーを設置することで可能”と叫んでしまったためにソーラーが原発の代わりになるかの幻想を持ってしまったことに原因があるのかもしれません。
一千万の家庭にソーラーを設置すれば確かに原発30基分の出力になる。だがそれは晴れた日の昼間に限ったことなんですよね。日が沈むとエアコン、電車、工場の操業・・・すべてを止めるのなら別ですが、ソーラーは止まった原発の置き換えにはならない。

だったら蓄電との組み合わせといった話が出てくるのでしょうが晴れた日に蓄電の分まで発電しておこうとするとさらに数倍(1÷稼働率12%⇒8.3倍)のソーラーと、とんでもない容量の蓄電設備がいる。

結局脱原発を言うならそれに見合った容量の火力発電を用意するしかなく、ソーラーは晴れた日にその発電設備を稼働させずに済むぶん、燃料とCO2の削減に貢献するという位置づけなんですよね。ですからソーラーをいくら積み上げても置き換え火力の設備容量を減らすことはできない。


そんなソーラーが今手厚く優遇されています。

設備導入に補助、運用が始まると全量買い取りでさらに補助。これでは儲からないはずのものもペイするものになってしまいますよね。で、期待通りどんどん普及する。設置者がペイしている一方で税金(補助金)はどんどん消耗していく。
でもそれが意図した目的の達成につながっていればいいのですが、ソーラーの場合はCO2削減にはなってももっと緊急の課題であるエネルギーの確保には役に立っていない。むしろエネルギーの確保にも役立っているような雰囲気が漂っているため、目の前の危機への対応がかすんでしまっている・・・それが問題なんですよね。

もし今ソーラーに出しいてる補助金をそのまま(比較的CO2の少ない)ガス発電に振り向けで今のソーラーのように普及に弾みをつけることができるなら、それは今夏、来夏の電力危機の緩和に確実に繋がる。そしてソーラーへの補助はその後なんですよね。

電力会社には“100万kW単位のLNG発電を”と書きましたが、補助金を出すなら小口の自家発電でも小規模IPPでも何でもいい。設備補助をし、全量買い上げなどしなくても燃料費補助をする。それで導入する人はペイするようになり、その補助金(税金)はダイレクトに夏の電力危機緩和につながっていく・・・と思うのですが。

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# by C_MANN3 | 2014-05-04 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆原発事故、CO2・・・二つの脅威

[2012.1.5載]朝日新聞で連載中のインタビュー2012、一昨日の1/3は「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」の著者ジャレド・ダイアモンドさんでしたね。12項目にわたる人口、環境問題の一つでも対応に誤れば文明は崩壊の危機に陥るとさすがに含蓄のあるお言葉が満載なのですが、その中でなんと“原発事故のリスクよりもCO2のほうが文明へのダメージがより大きく深刻”だと・・・

実は私などは出口の見えない原発事故の後始末を目の当たりにする一方で、止まるだけ止まって不足する電力、でもそれをいきなり自然エネルギーでカバーは量的にも時間的にも無理だとすると・・・

①まずは100万kWクラスのLNGコンバインドサイクル発電を
  あちらこちらで早期に立ち上げる
②立ち上がるまでの数年間は必要限度に原発再稼働と節電
③そしてその向こうの10年先が再生エネルギーの本格出番

CO2は排出義務国ではなくなることもあり、当面トーンダウンやむなし等と思っているのですが、数千年のスパンでの文明の興亡をみているジャレドさんのような方に原発リスクよりもCO2と言われると・・・?!?!改めて悩んでしまいますよね。(2012.1.5)


なお、ジャレド・ダイアモンドさんの「銃・病原菌・鉄」については別掲記事があります。


 “⇒⇒新着記事渡り歩き⇒⇒”はここまでとします。
あまり古い記事に新着というのも変ですよね。

# by C_MANN3 | 2014-05-02 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

  ・・・“エナジー&カーボン”はさらに続きます・・・

b0050634_2219554.jpg

エナジーの話はさらに続きます。
“エナジー&カーボン”の続きへ⇒⇒

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# by C_MANN3 | 2014-05-01 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆今冬は関西圏が電力需給タイトに・・・

[2011.12.18載]急な冷え込みと緩みの波を繰り返しながらも列島は容赦なく本格的な寒さに向かっています。
そんな中で一昨日、また一台原発が定期検査に入りました。列島としては54基稼働していたものが残りあと7基。
原発比率の高い関西電力圏に至っては11基あったものが残り1基に・・・そして明日から10%の節電要請期間に突入します。
にもかかわらず、議論されているのは事故原発の後始末の話ばかりで、再稼働の基準めいた話も、脱原発の代替電力確保の(10年先ではなく、ここ数年の)現実的な議論もないまま今夏に続いて今冬も景気の低迷による需要低下と市民や産業界の節電をあてにした無策放任のまま、再度節電を強いられることに・・・(2011.12.18)
# by C_MANN3 | 2014-03-18 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆東京電力管内、H23夏の電力状況◆

[2011.9.10更新終了] 計画停電廃止の直後より東京電力管内の電力状況を推移グラフにし更新してきましたが、一段落ということで9/10で更新を終了しました。
b0050634_13622100.jpg
グラフは上から順に・・・
▼日電力量・・・昨年の日電力量(一か月平均)と今年の毎日の日電力量を対比
  しています。
▼そして肝心の最大電力・・・昨年の各月の一か月間の最大電力と今年の毎日の
  最大電力の対比です。
▼都内最高気温・・・気象庁データによる毎日の最高気温です。
▼最大点の時間帯・・・毎日の最大電力が記録された時間帯を■で示しています。
  
なお、東京電力ホームページの電力グラフはこちらに。

--------節電中の経緯----------

◆8/16◆原発再稼働の援軍がない中で明日からいよいよお盆明けの最後の山場を迎えます。ただ、東電よりも関電や東北電力の管内が危なくなってきました。

◆7/22◆それにしても台風の威力って凄いですね。気温が一挙に10度近く下がり、信じられないようなグラフになってしまいました。しかも2日連続です。
◆7/20◆台風6号の接近で気温が急低下し、状況が一変しています。一方原発1基の故障停止で今度は関西電力が需給ひっ迫、政府は関電管内にも10%の節減要望を出す事態に・・・

◆7/10◆7月に入り輪番操業を含めた節電が本格化して1週間が経過しました。上のグラフでは気温の影響が大きくて分かりにくいですが、別途分析すると効果は顕著。前年の7月に対して最大電力は15%前後の減。しかも平日と土日の平滑化が著しく進展していますが、詳細は稿を改めて一つ下の記事に…

◆7/03◆しばらく留守にしていたため、久しぶりの更新です。その間、7/29に最大値を記録、7/1以降は工場の輪番操業が始まり、東京電力のホームページの表現も一変し供給力見込みも更新されています。
◆6/24◆都内の最高気温は32.7℃でしたが管内では今日も猛暑日が続発し、最大電力は4389万kWに。
◆6/22◆この日、ついに最高気温が30℃を超え31.9℃となり、最大電力も4000万kWを超えて16時台に4129万kWとなりました。ですが、最大電力は昨年同月の最大電力に対して20%減の状況です。

--------◆各社のでんき予報◆----------

7/1以降東京電力以外でも毎日の電力状況がホームページに掲載されていましたが今後順次終了するものと思われます。
九州電力  関西電力  中部電力  東北電力

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# by c_mann3 | 2014-03-16 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆「エネルギー論争の盲点」・・・

[2011/8/20載] 石井彰著「エネルギー論争の盲点」、NHK出版新書356。副題の“天然ガスと分散化が日本を救う”に魅せられて思わず買ってしまいました。

国を挙げての“原発か、さもなくば再生可能エネルギーか”さあどうするといったまるで他に選択肢が無いかのような二項対立の論争が日本を本当の窮地に追い込んでいる。この本はそうした状況に危機感を持ったエネルギーのプロが示した最終解決策とのことで、圧巻が第三章の、“虚飾にまみれたエネルギー論争”

メガソーラー、全量買取とソーラーさえあれば原発は要らないといった議論が多いがソーラーの有効な稼働率は12%で東京23区の面積にぎっしり敷き詰めてやっと100万kWの原発1基分。夢のようなメガソーラーと順番にメンテ停止したまま再稼動しなくなる原発では量的にも今日明日といった時間軸からも釣り合わない。

脱原発を図るなら最適なエネルギー源のポートフォリオと省エネでマドリングスルー(何とかかんとか折り合いをつけながら進む)する地道な議論が必要だが、そうした観点に立つと解決策の主軸はLNG発電だと。

世界中がLNGに傾斜する中で日本は天然ガス後進国であり、他の先進国と比べても日本のガス発電比率は極端に低いまま。中国や韓国も急速にガス化を進めている中でなぜかサハリンからのパイプライン構想も葬り去った日本。
またCO2が問題だというが、最新鋭のLNGコンバインドサイクルでは旧来の石炭火力に比べて1.5倍の発電効率があり、置き換えるとCO2は75%削減される。

要はエネルギーの多様化、分散化が基本であり、まずは高効率の大規模発電の増設と、熱も利用できるガスコージェネの分散配置を促進し、取りあえず安く早く効果の大きい方法を取り今日明日の電力不足を緩和する。その後でなお不足する分を高コストで何かと難のある自然エネルギーに取り組めばよいのだと。

日ごろから思っていたことに近く、読むと胸のつかえがおりる感動の一冊でした。(2011.8.20)
# by C_MANN3 | 2014-03-14 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆電力節減、知恵と我慢の成果・・・

[2011.7.12掲載] 7月に入り輪番操業を含めた節電が本格化して1週間が経過しました。ひとつ上の記事で紹介しているグラフでは最高気温の影響が大きくて成果の詳細が分かりにくいため、東京電力の管内で下図のような分析をしてみるとその効果は顕著。

この図ではまず、毎日の最大電力を回帰式を使って最高気温が30℃の場合の値に換算してみました。その上でH22/7月とH23/6月の曜日別4週間平均をグラフ化し、その上に今回の7/4から始まる1週間の値(これも30℃で換算)を重ねたものです。

結果は、前年の7月に対して最大電力が先月で17%、この1週間でも14%の減。しかも平日と土日の平滑化が著しく進展しており、昨年の土日は平日に対して16%落差がありますが、この落差が先月は7%に、そしていろいろな業界が本格的に休業を土日から平日に移した先週はなんと2%の落差まで平滑化されています。

b0050634_055717.jpgこれは産業、民生、家庭、すべてのセクターが一体となった知恵と我慢の成果です。しかも外国人も不思議がるように極端な強制力が働いているわけでもない中での自律的な成果であることがすばらしい。

ところがここまで知恵を絞り我慢を重ねている国民へのご褒美が、なんと原発へのストレス・テストだと・・・
この夏さえ乗り切ればやがて原発も立ち上がり、この冬や来夏はもう少し落ち着いて暮らすことができ、新たなエネルギーシフトを考える余裕も出てくるのかも・・・そんな淡い期待をまたしても封じかねないストレス・テスト。
これってもしかしたら、ないがしろにしてもどこまで我慢し耐えるかといった国民へのストレス・テスト?!・・・だとしたらこんな国民に対して失礼ですよね。(2011.7.12)
# by c_mann3 | 2014-03-12 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆カーボンマネジメントアカデミー、修了

【2011.6.30 記】 機会を得て内閣府主催のCMA、カーボンマネジメントアカデミーを受講しました。

内容は国内外のCDMの動向、クレジット申請の実務、自然エネルギーの動向、省エネのテクニックと盛りだくさんであり、b0050634_21113778.jpg自宅でのeラーニング二週間、会場に出向いての受講二週間、そして省エネ・CO2抑制の第一線の見学実習が一週間の濃密なコースでした。講師陣は大半がNPO等の実務家でしたが、NPOで自然エネルギーを追及している人たちはなぜかみな篤く、感動的な五週間でした。

写真は今回の見学先のひとつ、某140万kWのIPP石炭火力発電所の裏庭のビオトープです。


【2012.9.30 記】 エネルギー管理士に合格

エネルギー管理士を受験。昨年は昨年初回受験していたのですが一科目取りこぼし、今回(9/2)はその再挑戦でした。そして公開された解答を突き合わせるとどうやら合格圏内に!ホッと一安心です。

思えばちょうど1年前、内閣府のカーボンマネジメント・セミナーに出たり、毎日のようにエネルギー関連のニューズが流れていたこともあって受験を思い立ったのですが・・・
初年度は1~2ヵ月のにわか仕込みの勉強では歯が立たない問題が次々と出て、結果はあえなく1課目の取りこぼしに。やはり地道な勉強が必要と肝に銘じての再挑戦でした。それにしても会場に集まる受験生の多さには仰天でした!

ところでいざ合格してみると、問題は「今更、それでどうするの」ということなのですが・・・
まっ、この数十年間、技術系のサラリーマンでありながら厚かましくも何の資格も持たずに生きてきたことへの罪滅ぼしにでもなればということで。
# by C_MANN3 | 2014-03-10 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆あっという間の浜岡原発停止

[2011.5.16掲載] 政府は今夏の電力削減を15%と決定しました。

当初は25%が必要とされていた削減量に対して、危機感を持ったいろいろな業界やセクターの総力を挙げての削減計画の練り上げや前倒し施行で目途が見えたればこその15%決定だったはずなのですが・・・

そんな矢先に唐突に出てきた浜岡原発の即刻停止の話。

停止理由は“東海地区では30年以内にM8クラスの地震の可能性が87%で極めて切迫”しているためだと・・・その可能性確率にも、原発をいったん停止して地震や津波の対策を強化することにも全く異論はないのですが、やっと目途が立ち始めたとはいえ不安のあるこの夏の直前の今、なぜリスクを増やす停止をするのか、合理的な政策判断としてはあまりにも不自然で唐突で、もしかしたら何か他の意図があるのではなどと思ってしまいますよね。

そもそも“30年以内にM8クラスの可能性は87%で極めて切迫”という言い回しが不自然。30年確率といったロングタームの数字の後に《切迫》と続ける言い回しはレトリックを越えてトリック。

30年確率はこんな場面で使うべき数値ではない。《87%の数字》と《切迫》の文字がリンクしてしまっているが、30年以内に87%との数値は4か月以内の確率に換算したらその可能性は?
もし“4か月以内にM8クラス発生の可能性は1%ですが(極めて切迫?していて)、秋まで待てないので即止める”と言ったら国民や業界はこれ程あっさりと諦めたでしょうか? 1%に“極めて切迫”の修飾は似合わないですよね。

このブログの一つ下の記事でも取り上げているのですが、中野剛志さんがその著「TPP亡国論」の中で日本ではある種のキーワードに出くわすとまるで電気回路のブレーカーが落ちるように一瞬にして合理的な思考回路が停止し、乱暴な意見がまかり通ってしまうと述べておられますが・・・この時点での浜岡原発停止にも似たものを感じてしまいます。  

今回の事態を目の当たりにして“原発は廃炉、補強、代替切り替えを含めて見直しが必要”であることは間違いない。だとしても今夏の電力不足のリスクを高め、しかもそれを全国に広げてしまってでも、この秋が待てないほどの話ではない・・・とは思うのですが。(2011.5.15)


◆案の定・・・(2011/06/23追記)

いよいよ緊迫の夏が間近になり、経済産業大臣が停止中の原発再開を要請し始めましたが権限を持つ各知事が反発。 こうなることが解っていてなぜ浜岡を止めたのかとあらためて思わざるを得ません。間際の要請が通らず右往左往する大臣や政府は自業自得。ですがそのしわ寄せは結局苦慮する知事や、節電我慢の国民、綱渡りの産業界にのしかかるんですよね・・・

そんな中でますます高まる脱原発の声・・・ですがその置き換えがソーラーを1000万所帯にといった自然エネルギーでは、どう考えても規模や猶予時間が釣り合わない。本気で、しかも猶予が5~6年での脱原発なら、まずは100万kW単位のLNG火力発電所を全国で10ヶ所を超える規模で即着工。その上でじっくりソーラーというなら現実的で理解も信用もできるのですが・・・なのにLNG火力の建設に政府が資金を投入するとかいった話はなぜか聞こえてこない。
# by c_mann3 | 2014-03-08 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)

◆日本を救うか・・・二つの地熱発電

[2012.4.28記] 先日も敦賀原発直下の断層が活断層の疑いとのニュースが流れていました。

列島はまるでマスクメロンの表皮のようにぎっしりと活断層のしわが走っているようで、わかればわかるほど原発にはむかない地勢であることが窺えます。

b0050634_0312797.jpgそれもこれも日本列島が環太平洋火山帯そのものであることが原因ですが、逆にそのために秘められたエネルギー源を保有している・・・それが地熱発電であり、日本の地熱発電の潜在能力は2347万kW(なんと原発23基分)で世界第3位とのこと。

今までその適地のほとんどが国立公園ということで手つかずだったのですが、国立公園ということは国有地。国の決心ひとつで用地買収の手間もかけずに活用できるということです。
《訂正とお詫び》 すみません。日本の国立公園は外国と違ってすべてが国有地というわけではないようで、公園内の国有地比率は約60%とのことです。
もちろん環境、景観への配慮は必要ですが、発電基地の設計を安藤忠雄さんにお願いすれば、きっとお景観に溶け込んだ半埋没型のおしゃれな設備を考えてくれそうです。(もっとも景観よりは地元の温泉への影響や協議が大変そうなのですが・・・)

▼そんな地熱の①:大規模な地熱・・・

国立公園活用の規制緩和、固定買取制度の開始で開発が進みそうですが、その一つが福島の27万kWの地熱発電計画です。
http://www.asahi.com/eco/news/TKY201204020650.html

ところで地熱発電プラントの建設では世界シェアの7割を日本企業が握っているとのこと、こちらはソーラーと違って量産型のビジネスではないので薄利多売のどこかの国に席巻されてしまう可能性も少ないかもしれません。

▼地熱その②:小規模なマイクロ地熱・・・

ホテルや旅館規模に最適なマイクロ地熱も商品化され始めています。80~90℃の温水や蒸気を活用する「バイナリー発電」。実はこの技術は地熱に限らず今まで活用しにくかった工場の排熱利用などにも使える今後の省エネのキーテクノロジーです。

定格出力(kW)当たりの設備費はソーラー並ですが24時間365日発電し続けるため、kWh当りでは1/8の償却負担で、しかも場所を取らない。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/552754/
・・・とニュース記事をリンクしていたのですが、現在つながりません。代わりに下記のリンクを・・・
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/25/news020.html

脱原発の後は、ソーラーだけでなく多様なエネルギー源が花開きますように・・・


◆(2012.6.20追記) マグマ、高温岩体発電・・・

今、毎週日曜の夜10時、WOWOWで「マグマ」と称するドラマが放映されています。

地熱発電、その中でも特殊な高温岩体発電という方式に命を懸ける人たちと、それに立ちはだかる政治家や原発学者とのせめぎあいといった、まさに今の時代にぴったりのドラマなのですが・・・
目に見えないところであつい思いが渦を巻いてぶつかり合うさまはまさしくマグマそのものです。
http://www.wowow.co.jp/dramaw/magma/energy/index.html

つい最近までNHKの朝ドラで評判だった尾野真千子さんの独特の雰囲気の演技にもひかれますが、この高温岩体発電というのも面白そうです。
http://criepi.denken.or.jp/research/review/No49/index.html

3000メートルの地底までパイプを打ち込み、高圧水を注入して岩盤にクラックを発生させて人口熱水だまりを作りもう一本の別パイプから熱をくみ出す・・・この工法って、なんかシェールガスの掘削に似ているところがあるようです。

日本列島の地熱容量は従来型地熱で原発23基分、岩体発電は30~38基分とのこと。上記リンクの電力中央研のレポートを見ても適地の選定や運用等で難しい面もあるようですが潜在能力の内、原発10基分でも地熱で賄えるなら脱原発はその分リアリティーが増す、そんな期待を抱かせてくれる話ですよね。

ところでこのドラマ、WOWOWなので1回目は無料だったのですが、全5回の残りは契約がいる・・・でもそのために契約するのも癪ですよね。あとは原作本(「マグマ」、真山仁、角川文庫)でも読みますか・・・


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# by C_MANN3 | 2014-03-06 00:00 |  エナジー & カーボン | Comments(0)