精神科医、香山リカさんの新しい本が出ています。題して「悪いのは私じゃない症候群」、ベスト新書239。
いつもながら香山リカさんの本はタイトルが刺激的で中身も臨場感に溢れている、この本もそんな一冊です。 ----------- 教師や医者といった先生と呼ばれる人には畏敬の念をもって接し、何事にも謙虚で何かあると先ずは「私が悪うございました」と謝ることが美徳とされていたはずの日本人はすっかり変わってしまったのでしょうか。 今や教育現場、医療現場、会社の職場とあらゆるところで「悪いのは私じゃない症候群」が蔓延しているとのこと。 叱責や指導を受けると「悪いのは私じゃない」と開き直る。さらには「悪いのはおまえだ」、「治らないのはおまえのせいだ」と生徒や患者が教師や医者に乱暴な言葉で攻撃をかける・・・この本ではそうした様子が事例をふんだんに取り入れて生々しく実況されています。 鬱の世界でも新型が増えている。 本来の鬱は「悪いのは私」と自分を責め、沈み込んで活力を失っていくのが通常だったが、最近は「悪いのは私じゃない」、私は被害者でこんなに困っていると激しく回りを攻撃するタイプが少なくないとのこと。 あまりのひどさに「そうじゃないでしょ」と言いたいところだが、教育現場では背後にペアレントモンスターが控えているし職場ではパワハラ規制の目が光る。そんな中で一歩間違うと執拗なスパム攻撃や訴訟にも発展しかねない。 結果、ぐっと我慢する医者や教師のほうが旧来型の鬱になり、会社の職場では逆パワハラによる上司の鬱が労災認定されるケースさえも出始めているとか・・・ ところで・・・悪いのは私じゃないといって「謝らなくなった日本人」については以前にこんな記事も書いています。よろしければ▼併せてご一読を・・・(2009.9.15)
by c_mann3
| 2009-02-14 00:00
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