人気ブログランキング | 話題のタグを見る

◆LNG発電はどこまで確保できたか・・・

[2012.1.31記] 先日の1/27、枝野経産相は“原発の再稼働が無くても電力使用制限令を発動せず乗り切りたい。それは強い意志であり、可能性はある”と表明しました。

原発もなく、輪番操業をはじめとする極端な節電もなくてもこの夏が乗り切れるとすると、それに越したことはないのですが…そのためには相当量の火力発電の休眠設備の掘り起こしや新規稼働、あるいは市中での常用発電機の普及が進展していることが必須のはず。

そんな様子がわかればと昨年夏の東京電力の最大電力(kWhではなくkW)とそれを支えた火力発電の度合いをグラフにしてみました。

◆LNG発電はどこまで確保できたか・・・_b0050634_203786.png原発事故から3~ヵ4月経過した昨年の夏、最大電力がとんでもない節電の努力で対前年比16%も低減される中で火力がどこまで支えたかというと、実はほぼ前年並み。
既に原発が相当台数停まり始めた中での火力発電なのでこの時点での目一杯の設備が稼働していたはずなのですが、それが前年並みということは少なくともこの時点では新たな設備の稼働も旧設備の復活もほとんどなかったということです。


そしてその後は・・・先日貿易統計が発表され、重油やLNGの輸入が急増したとのニュースがありましたが、この急増分はどうやらそれまでピーク負荷にのみ対応していた火力が原発肩代わりでベースロードにも対応し始めた(従ってkWhが増加、特に下期で急増)ものであり、新規に設備が稼働し始めたものではなさそう・・・
ですが、今夏に必要なのはkWhではなく、最大負荷を支える設備の容量(kW)なんですよね。

確かに動きはある。東京都はLNG火力発電所設立を計画中、大阪府は株主として関西電力にLNG発電の建設を迫る、そして東京電力や東京ガスは新たな中期計画でLNGコンバインドサイクル発電に注力すると・・・
ですが東京都は調査予算を計上したばかりの段階で調査や認可に4年かかると言うし、東京電力は資金不足で資金調達にはまず分社是非の論議から始まるようでどう考えても今夏に間に合うといったものではない。

こうした新しい動きの加速支援策を含めて、昨年の夏以降からこの夏までの間に電力需給に関わる大きな進展や計画があるのなら、そしてどこかに隠れた埋蔵電力があるのなら、ぜひ、早く、それを公開してほしいですよね。

     
by C_MANN3 | 2023-07-12 01:31 | Comments(0)
<< ◆スマートグリッドの不思議・・・ ◆今夏の電力不足、勝手な試算・・・ >>