◆創造性:ジェネプロアモデル

前掲の慶応大学のHPもFinkeの「創造的認知」もご推奨のモデルは「ジェネプロアモデル」と言うことのようです。

創造が“生成的(generative)認知過程と探索的(exploratory)認知過程の2つのプロセス”を経て行われること、さらにこの二つのプロセスに“産出制約(constraints)”と称する制約が作用しているというのがこのモデルの特徴であり、創造の持つ色々な側面を包括的に取り扱うことができて、技術系の私なんかの生活体験から見ても違和感のないモデルといった感じがしています。

一時期もてはやされた自由思考、強制連想といったものは“生成的認知過程”にかかわるものであり、ここをいくら強化しても“探索的認知過程”の仕上げや再調整が伴わないとゴールには到達しにくいことは経験的にも納得できるものがあります。

ところでジェネブロアモデルはgenerativeとexploratoryを合成したネーミングのようなんですが、質がよくてかつ、生産効率の高い創造性を獲得するためには実は、第三のファクター“産出制約”が重要なのでは・・・といった印象を持っています。
実際の認知実験でも使える材料といったものに制約を加えたほうが創造性が高くなる結果が得られているようですが、単に“生成と探索”の間のサイクルではなく、“生成、探索、制約”のサイクルを繰り返すことで、その人の思考プロセスがどんどんチューニングされ、その畑で有効な発明なり創造が出る確率が高くなっていくのではないか・・・制約のない世界で自由に発想するだけでは、変わったものは生成できても有効なものは生まれない。

相撲はあの狭っくるしい土俵という制約があるからこそ技が磨かれ独自の世界を構築するにいたっている。文章力を鍛えようとするなら、千文字とか原稿用紙何枚分といった窮屈な制約と締切日のなかで、気ままに思いついてしまったこと(これが生成的認知過程の産物)を読むに耐える文章に推敲する(これが探索的認知過程)ことが一番の近道ではないかということです。

ところでこのモデル、認知モデルということで1970年代以降のもののようなんですが・・・モデル自体はこれとそっくりのものを実はもっと以前に本で見た気がします。で、その本を執拗に探しているのですが・・・どこかにいってしまって出てこない。でもそのときのモデルでは、“探索的認知過程”のところがexploratoryではなく、elavorationとなっていました。これって“推敲”って意味なんですよね。この方がしっくりくるのかも。(2005.2.6)
by C_MANN3 | 2009-10-14 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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