◆創造性:観点の変革と自由

市川先生の著作「創造性の科学」NHK出版(1970)は“等価変換”、すなわちアナロジーの成立する適切な先行モデルをベースに変換作業をすることで新しいものを生み出す過程を説いたものですが、これを進める際、“観点の変革、自由な観点の確立”が重要な要素となると述べています。

何に類似性を感じ、先行モデル(ベースドメイン)とするかが、等価変換の成否を決める要点であるにもかかわらず、ここのところがかなりの程度まで感性的なものに依存していることは否めません。

“ミソとクソ”は分けて考えるのが知性の通念であり、躊躇もなく両者に類似性を感じる人は少ない。“資本主義と社会主義”の違いを語る人はいても類似性に注目する人は少ない。ましてや“中央集権国家の崩壊”と、“コンピュータがメインフレーム集中処理から並列分散処理に移行”することが同じ時代潮流の中で同時進行しているなどと言ってもキョトンとされるか「それとこれは違うでしょ」といわれるのが落ち。

ですが、おそらく先行モデルにふさわしい候補は身の回りに無数にある。毎日いろんな人やものに接し、おびただしい情報が自分の周りを素通りして行っている。なのに、それが格好の先行モデルになるかもしれないとは思ってもいない。その目をくもらせているものが価値観や先入観といった認知バイアスなんだと思います。
この認知バイアスから解放されること、それが“観点の変革、自由な観点の確立”であり、より柔軟に先行モデルをキャッチし、さらにはキャッチしたものからより多くの類似性を引き出すことにつながる・・・(2005.2.6)
by C_MANN3 | 2009-10-10 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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