◆創造性:発想の自在学と自在研究所

“観点の変革、自由な観点の確立”をいかにして身につけるか・・・・そのひとつの答えが、『自在学』かもしれません。

テレビでロボットコンテストがあるといつも決まって審査員席でニコニコしておられる森政弘先生。森先生が提唱される発想法が“自在学”、そのメッカが先生が主宰される“自在研究所”です。

効能はありそうですが、何しろ仏教をベースにしていて説明が難しい・・・ということで事例で言うと
 ・良いホースを造るには水を通すことだけを考えてはいけない。ホースは水を阻止するもの。
 ・高速で走る車の開発の要点は、走ることだけではない。高速から一挙に制動できること。

すべての機能がスムーズに発揮される完全な状態を『全機』と言うようですが・・・
全機はホースでいうなら通す機能と阻止する機能、高速で走る車ならアクセルとブレーキ、完全な人格は善と悪というふうに、互いに矛盾する機能を平然と含んで成り立っている・・・ということのようです。

確かにホースにしろ車にしろ一方にとらわれて開発を進めても全機が達成されるものにはなりそうにない。

ところでこうした内容を反映してか『自在学』のセミナーもユニーク。都内のとあるビルの一室が自在研究所。そこでほぼ月一回、一回数時間のペースで10回程度がセットになったコースが開かれていますが、研究所の中はふかふかのカーペットでそこに円座を組んで座り込み先生の講義が始まります。
東工大の先生ということでロボット工学の話が中心かと思いきやほぼ8割程度が前述の禅問答にも似た談議、セミナーの回を重ね、やがて場所を変え都内の某禅寺で座禅を組むところまでこぎつけるとこのコースもほぼ終了と言った塩梅です。

仏教については、その中でもとりわけ難解な『唯識』が中心。第六識とか、阿頼耶識といった言葉がポンポン・・・
15年ほど前、機会があって参加したときは禅や仏教には興味はあったものの、唯識の知識がまったく無かったため戸惑いの連続でした。
最近になってひょっと唯識の本をちらちら読むようになって・・・あ~、そういうことだったのか・・・などと、まことにもったいないことをしてしまいました。

☆森先生執筆の参考文献は・・・
  ・ホースや車の話は・・・「人がいい人」は「いい人か」、佼成出版社(1993)。
  ・セミナーの概要は・・・「頭の自遊自在学」、講談社(1993)。何回目かのコースの速記録のようです。(2005.2.6)


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★なお唯識については《ユング・・・》コーナーにも関連記事が数件あります。
by C_MANN3 | 2009-10-08 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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