【2005.2.6記】 先日大停電のあったニューヨーク市を管轄する電力会社は「コン・エジソン社」、その昔大停電のあったカリフォルニアの電力会社は「サザンカルフォルニア・エジソン社」というように米国では“エジソン”の名を冠した電力会社がかなりの数に上るようです。米国で始めて発電、送電のシステムを開発し事業化し始めたのがエジソンということに由来するものですが・・・実は彼が発明したものは“直流による発電と送電”、ところが現在世界中で実際に使われているのはこの後、テスラが発明した“交流による発電と送電”です。
先日、このエジソンとテスラのすざましい戦いを紹介したテレビ番組が放映されていました。題して「大発明王エジソンの闇!イジワル、強欲、偉大な男の素顔!」 数千の発明に輝くエジソンの発明品のひとつが何と、死刑執行用の電気椅子。なんでこんなものを発明したかというと、テスラの推奨する“交流電力”が、人を感電死させる危険なものであると世間に訴えるため。 テスラはもともとエジソンの下にいて、エジソンの推進する直流系より扱いやすい交流系を発明し提案。ですがエジソンには受け入れられず、執拗に繰り返すエジソンの意地悪、傲慢、強欲に耐えかねてついに離脱。やがてテスラがスポンサーを得て交流電力の事業を推進し始めると、エジソンはあらゆるネガティブキャンペーンを張ってこれを妨害。 衝撃的な番組でしたが、この話は“創造性”から見てもいろいろと興味深いものがありました。 ひとつは“直流VS交流”の戦い。前掲の“答えの形”と言った観点から見ても興味深いものがあります。 これに匹敵する現代の戦いというと・・・世界規模で起こっている“マイクロソフトのウィンドウズ VS リナックス”でしょうか。そういえばマイクロソフトにもExcelはLotus 123の系統のパクリ(ちょっと表現が悪いか?)、ブラウザでは抱合せ販売でのnetscapeの突き落としと、結構ネガティブな側面がありますよね。 もうひとつ気になることは、“創造性に秀でた人”の“人格、性格的特徴”ということ・・・ 昔から強い創造性を示す人の人格特性についてはいろいろな調査結果がありますが、ガフのCreative Personality Scaleでは“強い自我、利己主義、自信家、因習にとらわれない・・・”等18の項目が正の因子とされているようです(組織心理学、林伸二著p74)。 これはあくまで性格傾向であり、このスケール得点が高い人が創造性が高いということでは決してありませんが、結果として創造性が高い人にこうした性格傾向があることはなんとなく納得できるものがあります。強い自我、追い求めるもののためにはすべてを利用しつくしてもなんとも思わない利己主義、邪魔なものは徹底的に叩いてでも第一人者でなければ気がすまない功名心・・・こういったネガティブなエネルギーが、創造プロセスの突破力、持続力として作用していることは考えられます。 意地悪、傲慢、強欲、なりふりかまわぬネガティブキャンペーン・・・エジソンにあこがれる子供の夢をぶち壊しかねない話ですが、発明、創造に限らず、強い達成動機を支えるものは時としてこうしたネガティブなエネルギーなのかもしれません。(2005.2.6) (2009/1/26追記) こうしたエネルギーを発揮する人をもう一人発見・・・アップルを率いてMac、iPod、iPhoneを開発したCEO、▼スティーブ・ジョブズ氏もかなりの方のようです。
by C_MANN3
| 2009-10-04 00:00
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