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◆テュルク系遊牧民の帝国、突厥・・・

【2016.8.1~8】 さる大学の公開講座に参加しました。題して「モンゴルのトルコ人」。ちょっと解りにくい題名ですが、ここで言うトルコ人とは“テュルク(トルコ)語を話す人たち”ということ。この講義はそのテュルク人が最初にモンゴルの地に作った帝国、突厥の世界を紐解く壮大な話でした。

うだるような暑さ真っ盛りの中、冷房の効いた講義室でモンゴルの大草原にポツポツと散在する碑文や石人像、そしてその調査風景のスライドが次々と紹介され、まさに暑さを忘れるひと時でした。

かつてモンゴルの地に現れた匈奴、柔然の後に突厥帝国が出現(552)。それはテュルク語を話す人たちが最初に作った広大な帝国であり、大草原の中に点々と残された突厥碑文にその様子が刻まれている。
この突厥帝国はその後いったんは唐帝国に支配される(582)のですが、やがて再度突厥第2帝国(682)として復活。その後この地はウイグル人の支配(745)する地となるのですが、追われた突厥の人たちは西に移動。行く先々の民族をテュルク化して行きついにはユーラシアの西端の今のトルコの地に至ったと・・・結果として現代の中央ユーラシアにはテュルク語系の言葉を使う民族や国家が広大なベルト地帯をなしているが、そうした1500年の歴史を踏まえ、現代のトルコ国はトルコ民族の発祥を552年の突厥帝国成立に求めて、モンゴルの地に博物館を設立。

ところで突厥碑文に残る突厥文字ですが、この文字は地中海東岸でフェニキア文字から派生して生まれたアラム文字に由来するらしく、由来を同じくする北欧のルーン文字にそっくり。
突厥に端を発したテュルク語はユーラシアの東から西に伝播したはずなのにその文字は東端から西端に伝わっている。奥深く壮大なユーラシアの西と東を繋ぐ草原ベルト地帯の歴史に思いをはせると炎天の暑さも暫し忘れそうです。
by C_MANN3 | 2016-01-02 00:00 | Comments(0)
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