12/30 ◆読書履歴に「地球の歴史」等

12/30掲載: 読書履歴コーナーへの新着記事です

年末に、たまった半年分の読書履歴をまとめて書いたため、
読書月度はかなり古くなっています。

◆地球の歴史 H29/8読

 題して「地球の歴史」、鎌田浩毅著、2017年の刊。中公新書2398~2400と、新書版とはいえ全3冊から成る、壮大な時空間を扱った本です。
138億年前のビッグバンから話が始まり、46億年前に地球が誕生する。以降、マグマオーシャンの時代を経て、程よく温度が下がった所で海と陸が生まれ、38億年前には生命が誕生し、今に至る。
この地球は数々の奇跡によって成り立っている。水が蒸発もせず凍りもしないほどよい太陽との距離、生命との共進化がもたらしたほどよいCO2濃度や酸素濃度・・・そうした全てが他の惑星とは異なる今の地球を形作っている。この本では今に至る大陸の移動、環境の変化、何度もの全球凍結を経ながらも続いてきた生命の進化・・・そうした地球の歴史が多層的に解説されていて、読み始めると目が離せなくなります。

だがこの本はそれでは終わらない。
2~3億年後には大陸が北極圏近くで一つにまとまることが確実視され、なんとこの大陸は「アメイジア」と名前までが決まっている。10億年後には海水がプレートの移動に巻き込まれてマントルの中に消え、生命が途絶える。そして50億年後にはついに赤色巨星となった太陽に飲み込まれ、その太陽もやがては寿命を迎えて宇宙の塵に戻る。

歴史の本も地球の歴史ともなると扱う時間軸が全く異なる。たかだか数千年の歴史物語のように悠久のロマンなどと言って感傷にふけるわけにもいかず、しかも未来にまで時空間を広げて、最後は宇宙のちりとして霧散するなどといわれると只々ため息が出るのみ・・・ですが大著のわりにはドラマチックで読みやすい本です。

◆パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門 H29/5読

 一瞬の怒りの発露がコートの上ならレッドカードで退場となり、職場ではパワハラで糾弾されることにつながる。
ストレス社会ではイライラがつのり怒りの感情が高まることは避けがたいとしても、それを取り返しのつかない一瞬の発露としないためには、怒りのメカニズムを理解し、それを日頃からいかにマネジメントしていくべきかが肝要といった本がたくさん出回っていますが、この本もそうした中の一冊です。
題して「パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門」。小林浩志著、東洋経済新報社、2014年の刊。
怒りとは何なのか・・・その一つとして、周りから見て理解に苦しむほど些細なことで怒りが爆発することがありますが、そうした現象が面白い例えで説明されています。
コップに少しずつ水(ストレス)がたまっていくと、やがて最後にはほんの一滴の水の追加で溢れほとばしる(怒りとして面に出る)。よって対策としては日頃から水をためないこと、たまる水はこまめに抜いておくこと、そして最終的には器を大きくすることなのだと。

また怒りはその人固有の何かが刺激されるとそれがトリガーとなって自動的に発動される二次感情であり、怒り自体は原因ではなく結果としての表れなのだと。
そこでトリガーとなる要因を探ることから話は始まり、順次具体的な手立が説明されていきます。
まずは怒りの場面や巻き起こる感情を記録し、パターンを掴む。その上でこの本ではパターン(怒りの類型)に対応した30個を超える手立てが述べられていきます。それはその瞬間に一呼吸置く、呪文を唱える、タイムアウトして場面を変える、自身が持つコア・ビリーフ(強い、時には強すぎる信念)を変える等々、いずれも認知行動療法を思わせる具体的な手立てであり、これならカウンセラーに頼らずとも自分でもできて、それなりに効果がありそうに思えるものが並んでいます。

怒りは些細な感情の積み重ねで発露し、かつ自分自身の中でも人の間でも連鎖する。職場、街中、家庭とシチュエーションは様々ですが、この本で訓練を積むことで少しでも怒りの連鎖が断ち切れるなら、ストレスも減り、世の中も多少は住みやすくなりそうです。
なおこの本ではタイトルに"パワハラ防止のための"と銘打っているように、パワハラの法規、統計的な実態、そしてレッドカードとなるボーダーライン等が冒頭の1章を割いて詳しく紹介されていて、ビジネスマンにも打ってつけです。
by C_MANN3 | 2017-11-26 03:31 | Comments(0)
<< 12/31 ◆日本の電力構造、... 12/18 ◆読書履歴に「巨龍... >>