◆勝組みが踏み固める格差社会

ライブドアの堀江さん騒動が真っ最中だった四月上旬のある休日、ハワードヒューズの生涯を描いた映画「アビエイター」を見て、その夜はNHKの“成果主義が生む格差社会”とかいう番組を見てしまいましたが・・・この二つを組み合わせ立て続けに見ていると、なんとも不思議な思いに駆られてしまいました。

NHKには格差社会勝ち組代表ということなんでしょうか、話題の堀江さんも出ていました。
格差が広がる社会がいいのか悪いのかについては番組でも賛否両論でしたが・・・思ったことの一つは、

ハワードヒューズや、(ちょっとスケールは違いますが・・・)堀江さんは自身の財力と才覚を賭けて既成の勢力に挑戦し、勝てば莫大な成果を得る代わりに行き詰まれば丸裸・・・それはそれで活力のある社会の証と思えなくもない。彼らの特徴の一つは、周りの賛同のあるなしにかかわらず自身の思いの成否だけが関心ごとであり、自身が良く思われるかどうとかいった評価システムには興味がないし期待もしていない。

ですが今、日本の社会で徐々に進行拡大している格差、特に企業組織の中で進行している格差は少し違うような感じがします。
きっかけとしてはそれなりに合理的な背景を持って企業の中に成果主義が導入されてきたわけですが・・・それが前掲の記事でもふれた社員のABC区分を目に見える形で明確にしていく。
ですが市場原理が働きにくい組織の内なる世界での区分けは人工的な評価システムに頼らざるを得ない・・・もともとあいまいな成果とか能力といった評価尺度をその勝ち組が自身を追認強化する方向にさらに精緻なものとして磨き上げていくことで、勝ち組と負け組みの落差が制度として再生産され、少しずつ乗り越えがたいものになりつつあるのかもしれない。

勝ち組は益々意気盛んとしても、負け組みに拡がるあきらめムードが社会トータルとしての活力を殺ぐ方向に作用し始めつつあり、前掲のギャラップ調査の結果もその表れかもしれない・・・もしかすると益々精緻化する評価システムは本来の目的を超えて人を勝ち組と負け組みに区分けするための道具になりつつあるのでは・・・などという危惧を感じなくもない。

もっとも流れは変わりつつある。番組によると日本の企業の8割が何がしかの成果主義を導入しているが・・・その7割の企業が何か思っていたこととは違うと見直しの意向を持ちはじめているとか。うまくゆり戻しのばねが働いて・・・安定した活力のある社会になってくれればと思います。 (2005.5.28)
by c_mann3 | 2009-06-08 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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