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◆情報スキル:信じて探す情報検索

世はインターネットの時代。情報なんて検索であっという間と言われていますが、その割には新しい話を持ち出すと・・・
「聞いたことが無い」「調べてみないと」「まずは勉強してから」・・・そしてやがて「調べはしましたが見つかりませんでした」などという言葉で終りといった風景がよく見られます。

このギャップはいったい何なのか・・・などと思っていたところ、このあたりのことを整然と解説した本に遭遇しました。
題して『情報検索のスキル』 、副題は“未知の問題をどう解くか”。三輪眞木子著、中央公論新社の中公新書1714です。

この本は情報を獲得し活用する過程を、その主体である人間の認識や心理の側面から解明したもので、

・情報検索は事前に計画したプロセスどおりには進まない。調べ始めると新しい知見で状況が変化し、新たなプロセスを想起させる・・・これを繰り返して時には当初の思いとは異なったゴールに到達することさえもありうる。

・「欲しくて欲しくて、あると信じて探す人」と、「あるかないかに思い入れも無く淡々と探す人」では発見確率がまったく異なる。

・私は絶対探せる、その力があると信じる「自己効力感」、探索ゴールへの強い意志・・・こうしたファクターが発見確率を高める。

等々思い当たる話が満載です。最後にはこんな話も・・・

米国では初等教育の段階から「情報リテラシー」のスキルを叩き込む。日本でもゆとり教育とかで類似の取組みを始めているが、なぜか「情報リテラシー」を「コンピュータ・リテラシー」と捉えているふしがあり、これでは真の情報活用力は育ちにくい。

そんな風に言われてみるとこの話、初等教育だけじゃなく企業の中の情報リテラシーにも当てはまりそうです。
今日もあちらこちらの職場で、山のように情報検索をかけてはいるが、知識は増えても核心には迫れない、Excelなどで膨大な数字のかたまりをひっくり返してはいるが、集計はできても役に立つ結論や方向性は浮かび上がってこない・・・それが現実なのかも。(2005.8.18)
by C_MANN3 | 2008-11-16 00:00 | Comments(0)
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