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◆ヒンドゥー:すべての流れはインダスに

フラッと入った本屋でヒンドゥーの本を買ってしまいました。題して「ヒンドゥー教」、副題が“インド3000年の生き方・考え方”。クシティ・モーハン・セーン著。講談社現代新書です。

読みやすい。もちろん聞きなれない独特のカタカナの人名や用語のオンパレードで、頭はくらくらとしますが、初心者がヒンドゥーの全体像をつかみやすいようにコンパクトに書かれていて(・・・これが著者の執筆方針だったとか)、何よりも読後感が爽やか。

ヒンドゥーとはペルシャ語でインダス河の周辺に住む人々を意味する言葉とか。
ヒンドゥーにはあれだけいろんな神様が出てくるので多神教だと思っていたのですが、実はそれらは万物に遍在する絶対神がいろんな形に姿を変えた化身でヒンドゥー自体はれっきとした一神教とのこと。
◆ヒンドゥー:すべての流れはインダスに_b0050634_2247498.jpg神に至る道はひとつではなく「知識による道」、「祭式などの行為による道」、「ひたすら信仰に燃える親愛の道」のすべてが許容され・・・いろいろな小川が大河に通じるように、全ての流派や流儀はいずれもインダスの大河に合流し神への道に通じているとか。
もしかしたら読後の爽やかさは、この全てを許容し、飲み込む大らかさにあるのかもしれません。

仏教もヒンドゥーの一派、仏陀は化身の一人と思っているヒンドゥー教徒も多いとか。仏教やジャイナ教はヒンドゥー(バラモンと言うべきか)の世界から生まれたものには違いないにしても、実は仏教ほどの宗教を生んでいながら仏教国ではないインドを奇妙に思っていたのですが・・・仏教を嫌ったわけでも排除したわけでもなく、全てはインダスに合流するものの一派といわれてしまうと、なるほどとしか言いようがないのかも。(2005.8.21)
by c_mann3 | 2006-06-20 00:00 | Comments(0)
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