"2018.1.11、sonyのaibo復活"とのニュースで、 この古い記事の文末に追記です。 (2005.10.10) 別掲の記事で「プロジェクトXの共通因子」と題して・・・ 朝日新聞の書評欄を見ていて面白い記事を見つけました。題して「〈育てる経営〉の戦略」、副題は“ポスト成果主義への道”、著者は高橋伸夫さんです。(2005.6.12付け) 高橋伸夫さんの<育てる経営>の中では、かつての日本型経営の特徴のひとつとして・・・ >育てる経営の基本機能の中に「やり過ごし」がある。上司の指示を自らの責任において無視することにより、判断力を養っていくのだ。やり過ごしのできない部下は無能なのだ。ついでに言うと指示を無視されて怒り狂う上司も無能だ。育てる経営とは、随所にそういった非合理性に支えられている。それが、すべて合理的でないと気がすまない成果主義では生き延びられないのだ。 ・・・といった表現があり、なんか隠れキリシタンとよく似た話だと、嬉しくなってしまいました。上司の指示をやり過ごせない部下は無能、それを見て見ぬふりができない上司も無能・・・なんとも味わい深い表現です。 ところで話は変わりますが・・・この本の評者は天外伺朗さん。ソニーの役員でかつ、文筆家。朝日新聞の書評欄は書評自体が最高のエッセイ、原本なんか読んでも読まなくても十分・・・といった迫力のある評者が多くて読むのが楽しみなのですが、中でも山形浩生さんが降板してしまった今、私の一番のお気に入りの方が天外伺朗さんです。(2005.10.10) ---------------------------- ▼以下は2005.10.20追記 評者の天外伺朗さん、実はソニー特別理事の土井利忠さん。ソニーでいくつもの革命的な商品を開発した方で、ペットロボット「AIBO(アイボ)」の産みの親でもあるとのこと。 ですが、ちょっと気になるニュースが・・・ 新しい会長ハワード・ストリンガー氏を迎えて再出発するソニーが経営体質の強化を目指した新らしい中期経営方針を発表。その中でなんと、ロボットのR&Dは縮小とのこと・・・ ホンダのアシモやトヨタのトランペットロボット・・・急速に立ち上がる日本のヒューマノイドロボット開発ブームの導火線になった感もあるAIBOの開発縮小は残念の極みです。 きょうもAIBOをさらに賢くチャーミングにするために心血を注いでいるに違いないソニーのロボット開発チーム。 そこに縮小の指令が届いたとき、チームはどういう反応に出るのでしょうか。“上司の指示をやり過ごす有能なチーム”となるのか、はたまたソニーには似合いそうにもない“隠れキリシタン”などというものが誕生するのか・・・気になるところですが、がんばれAIBO! 生き続けよAIBO!・・・と願わずにはいられません。 ついでにもうひとつ、このブログと同名の商品「クオリア」シリーズについても新規の開発はとどめおくとか・・・なんか寂しい。 -------------------------- ▼以下は2006.1.27再度追記 がんばれAIBO!の期待もむなしく、昨26日、ソニーはAIBOの生産を3月いっぱいで打ち切ると発表しました。これで99年に登場し世界で約15万個売れたAIBOは、ついに姿を消すことになります。 ロボットについては研究開発のみを縮小としていた前回の不採算事業縮小方針からさらに選択と集中を進めることとなった模様です。しかも最高級ブランド「QUALIA(クオリア)」についても完全撤退。 ですが、あわせて発表された今3月期の決算見通しは100億円の赤字から700億円の黒字に上方修正の予想。一夜明けた今日、ソニーの株価は前日比で14%の急伸となりました。・・・なんか割り切れないですよね。 ---------------------------- ▼それから12年、以下は2018.1.11追記 1/11の今日、aibo復活との発表がありました。一世を風靡した初代の生産打ち切りから12年ぶりということもあり、テレビでも新聞でも一斉にそのニュースが流れています。 そして朝日新聞の夕刊では、“「金にならぬ」と打ち切られて失われた10年”、“「机の下開発」で有志が試作機”といった見出しが躍っています。 「机の下開発」との言葉に、今回もこの雌伏12年の舞台裏には色々なドラマがあったことがにじみ出ていますが、その昔このブログでも“はたまたソニーには似合いそうにもない“隠れキリシタン”などというものが誕生するのか・・・”等と書き、行く末を案じていただけに、このニュース接しての感慨もまたひとしおというものです。 なおニュースと共に開発秘話めいた記事も出ていますが、以下はその一つということで、日経新聞の記事のリンクを⇒戌年に復活だワン! ソニー新型アイボ開発秘話
by c_mann3
| 2009-08-08 00:00
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