◆揺れる小船の姿勢制御

本格的なうつや自殺は医者やカウンセラーの領域だとして除外しても・・・
その裾野の風景としては、身近なところで似たような状況が発生し、不満、消沈、苛立ちが渦巻いています。例えば本来なら明るい日差しと陽気に包まれ始める春先でさえ・・・

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春先は明るい日差しに包まれる一方でつむじ風が舞い、春の嵐もあり意外に不安定な季節・・・人生にとっても岐路に立ったり悩んだりの季節でもあります。
サラリーマンにとっては春先は組織変更や人事異動の多い季節。意にそぐわない指令を受けた人は落ち込み、昇格昇進した人も落ち着き始めてみると、なんか違うとまるで新入学生の5月病にも似た症状に悩む人も少なくない。いずれの場合も新しい状況を受け止め、再解釈し、自身の位置づけを変えていくことが想像以上に難しいということなのかもしれません。

思っていることと現実のギャップがストレスを生み、ストレスがうつを誘発する。
ですが現実は変えようがないとしても、「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言う言葉もある。現実をを受け止める気持ちの側を変えることでストレスも多少の緩和はできるのかもしれません。
  ・状況を神様の贈り賜うた試練と考えることが
   できるなら・・・
  ・あるいは「万事塞翁が馬」などという故事をわ
   が身に重ねて味わえるなら・・・
  ・組織の中で渦巻くものを「組織心理学」では言
   い古された自然現象なのだと客観視できるなら・・・

こうした気持ちの持ちようで、すくなくとも思い込み、思いつめる状態から抜け出すことは可能。

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“思っていることと現実のギャップ”・・・この何気ないフレーズは実は三つの要素に分解される。

●思っていること・・・
思いを守り抜こうとすることがストレスの原因だとすると・・・その思いが胃壁に血をにじませたり、うつになる危険を冒してまで守るほどのものかどうかが気になります。
それは本当に自分自身の思いなのか・・・いつのまにか忍び込んだ、いつ誰から刷り込まれたのかもはっきりしないものを自分の思いと信じて、社会に対して代理戦争を挑んでいるなんてことはないか。

●現実・・・
現実は客観的で動かしようがないというものでもない。自分が見ている現実は自分の思いでトリミングしたもの・・・実際の現実はもっといろいろな要素を含み多様なもの。

例えば管理しない管理職。旧来のパラダイムを信じている人にとってはもってのほかの上司、イライラの元凶ですが・・・その人は新しい企業管理のスタイル“自主管理と成果主義”を実践しているだけのことかも。
激動の時代にあっては新旧のパラダイムが入り混じって渦巻いている。自身でも体内にいろいろなパラダイムを持ち、現実を見つめる際は日差しや風景に応じていろいろな色合いのサングラスをとっかえひっかえできることが必要。場合によっては自分に都合のよいパラダイムを信じている振りをして立ち振る舞うのも悪くはない。

●ギャップ・・・
自身とまわりとの関係性についても思い込みはないか・・・自身の思いと現実のギャップでストレスを感じる人ばかりとは限らない。元来ユニークな意見は受け入れられにくいもの・・・とばかりに、まわりと合わないことが自身の正しさの証明、ストレスどころかファイトの源泉といった人もいなくはない。関係性についてもいろいろなスタンスに立てることがぜひとも必要。


気持ちの持ちようで揺れる小船の姿勢を極力安定させる・・・そのためには日頃からの鍛錬が有効。道具建ては何だっていい・・・宗教でも、組織心理学でも、とにかく自分の存在も含めて状況は多様で多元的なものだと客観視できること、悩んでいる自分を手のひらに乗せて眺められることが肝要。

それでもストレスがたまり遂に身体症状が出たとなると、手遅れにならないうちにカウンセラーや医者の元に駆け込み、治療や薬物にすがるのはやもうえない安全策。
ですが・・・カウンセリングはともかく薬物は症状を一旦リセットし、時間的な余裕を確保するためのもの・・・この猶予の時間を使って復帰していくのは自身のしごと。
で、結局は元の心のもちようの話に帰っていかざるを得ないのかもしれません。(2005.10.20)
by c_mann3 | 2009-04-18 00:00 | 組織心理学の心象風景 | Comments(0)
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